忘却者達の鎮魂歌 (4) 投稿者: 変身動物ポン太
僕はいつも一人だった・・・・・家でも・・・・・学校でも・・・・・

だからこの世界でも・・・・・一人だ

だから誰かを・・・・・連れてくるんだ・・・・・

連れてくる人・・・・・それは・・・・・”僕”自身だ。

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「今日も・・・・収穫ゼロだわ。」
美香さんが疲れたー、と言った表情と共に畳に座り込んだ。
「やっぱり、出口は見付からないの。」
「ええ、何処にもそれらしい場所は無いわね。」
はあー、直さんと美香さんはそろってため息をつく。


オレが”この世界”に来て、既に一週間が過ぎようとしている。
その間・・・・特に変わった事は・・・起きてないな。

みんなはそれぞれの・・・・行動を取っている。

美香さんと直さんは、この世界からの出口を朝から晩まで探し回っている。

深由さんはいりえさんと・・・・遊んでるな。

桜さんは、食事の準備から洗濯から掃除まで・・・・みんなやってるし。

そしてオレは・・・・・・。


「折原君は・・・・またいつもの場所へ行ってたんだよね。」
「ああ。」
オレは暇な時間を見つけては、あの丘の上へ行っていた。”奴”を待つために。
「・・・・たまには私達を手伝ってよ。」
「そうなの。」
二人がじろっとオレの方を睨む。
・・・・・結構手伝ってるんだけどな。

「・・・・浩平さんは美香さん達とは別な意味で、ここを出る方法を探しているんですよね。」
桜さんがフォローを入れてくれる。彼女にはオレの考えを話してあるのだ。
そして、その時の返答はこうだった。

『やってみても・・・いいんじゃないでしょうか・・・。』
私だって、待つしかできないんですから、と付け加えて。

「都町さん、でも折原君は待ってるだけじゃない。」
美香さんが食い下がってくる。それに対して桜さんは、

「待つことも・・・・・辛いんですよ。」

そうぽつりと言った。
その一言に、美香さんも直さんも黙り込んだ。それ程、重い一言だった。
『みんなも・・・そう』
誰もが・・・辛かったのか、だから・・・・。

 ・・・・・・・・・・・・

一日の終わり・・・・太陽は、沈む寸前に一つの芸術を作り出す。
その芸術を見るには、この丘は最高の場所ではあるな。
今日も、何事もなく過ぎていくのか・・・・そして永遠に。

「あ、やっぱりここにいた。」
美香さんだ。
「ふーん、綺麗な夕焼けだね。」
「出口は見つかったのか?」
「見つかったら、あたしがこんなに落ち着いてると思う?」
「・・・・思わない。」
しばらくの間、黙って沈む夕日を見つめる。

「美香さんはこの世界をどう思う?」
「どうって・・・・変な所だわ。」
変な世界・・・・。
「だって何も変わらないから・・・・繰り返してるだけから。それって変だと思うけど。」
何も変わらない・・・・繰り返し・・・・やはり同じか。
『オレとはまったく違うな。』
そんな事は無かった。同じなんだな。

同じ奴なら、一人知ってたような気がする・・・・誰だったかな。
・・・・知ってた!?忘れてるのか・・・・?


『やっと思い出してくれたんだね』
!?
『久しぶりだね』
お前は・・・・・。
『そうだよ、僕だよ』
・・・・忘れていたのはオレの方だったのか。
『僕も・・・君と同じなんだよ』
オレと同じように・・・・
『間に合わなかった・・・・僕も・・・そして、君も』
絆を作れなかった者。


忘却者・・・・忘れる者

オレもその一人だった


ここは、お前の世界なのか?
『何か、誤解をしているようだね』
違うのか?
『・・・・・違うと言えば違う。そうだと言えばそうかもしれない』
・・・・意味が分からないんだが。
『この世界を作ったと言う意味なら・・・・違うよ』
じゃあ、この世界は誰が・・・・
『単刀直入に言おう。この世界を作ったのは・・・・他でもない、君さ。ただ・・・・君自身と言うわけでは無いけどね』
なっ!?
『・・・・・時間が来たようだ、今日はここまでだね』
ま、待ってくれ!
『また来るよ、それまでの間に・・・・』


オレの意識は・・・・暗い闇の中に沈んでいった。


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ポン太「はいー、ポン太です。今回も・・・展開が凄く強引だあああ!!」
雪ちゃん「確か・・・誰とも絆を作れなかった筈なのに・・・なんで”彼”が出てくるのよ。」
ポン太「誰とも絆を作れなかった浩平だからこそ、”彼”の事を忘れてしまって、そして”彼”は・・・・と、いうことです。」
雪ちゃん「これで一気に最終回に・・・行くの?」
ポン太「・・・・近くはなりましたけど・・・・もう少し続きます。あっさりとは終われませんよ。」
雪ちゃん「相変わらず謎だらけだしね。」
ポン太「ぐふっ!(吐血)・・・・まあ、それはこれからの展開で何とか・・・。」

雪ちゃん「じゃあ、後何話くらいなの?」
ポン太「・・・2話〜3話くらいですな。(あくまで予定なの♪)」
裏ポン太「何とか全体の構成がまとまってきた・・・・そうです。」
雪ちゃん「普通は、書く前から決めておく物だと思うけどね。」
ポン太「勢いだけで始めてしまったからな・・・・あう。」

ポン太「ホントに矛盾しまくったSSで・・・・すいません。」
雪ちゃん「次は・・・・えっ?明日出せるの?」
裏ポン太「それでは皆さん。」

三人「また明日〜〜〜。」

1999.1.18

追伸 PELSONA様、私も岐阜県在住ですよー♪