忘却者達の鎮魂歌 (2) 投稿者: 変身動物ポン太
人が存在する理由・・・・・・なんだろう

だれかが僕に言う・・・・・「誰かに必要とされているから」

じゃあ、必要で無くなったら・・・・どうなるんだ?

「その時は・・・・・忘れられるんだよ・・・・・たとえ”世界”を持ってない人でも」

だれでも・・・・・か

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「・・・・・・うっ。」
光が目に入ってくる。・・・・朝だ。

オレは布団に入ってるな、下は畳敷きになってるし・・・・。
「えーっと、ここはどこだっけ?」
・・・いまいち記憶がハッキリしない、確か・・・。

「いつまで寝てるんですか・・・・起きてください。」
オレの思考を破ったのは・・・・髪の長い女の人の一言だった。

「あっ、すいません。」
「食事の用意はもう出来てますから・・・・・では。」
そう言うと、その女の人は部屋から出ていった。
・・・・いつ見ても美人だよ、彼女は。
「・・・・行くか。」
オレは布団から出ると、居間へ向かった。


居間に入ったオレを待っていたのは、
「あっ、来た来た〜、遅いよー折原君。」
「ホントに遅いの。」
「美香さんの拾ってきた人だけあって・・・朝遅いね。」
「・・・・あたしと一緒にしないでくれる?深由。」
様々な女の人の声だった。

最初の声は、川見いりえ(かわみ いりえ)さん。大きくてぱっちりとした目が特徴の、女子大生・・・・だそうだ。

次に喋ったのは、下沢直(しもざわ なお)さん。オレより年上のくせに・・・・なんか懐いてくるんだよな。一言でいうと放っとけないタイプの人だ。 

三人目は、三島深由(みしま みゆ)さん。ショートカットの似合う、美人と言うよりは可愛いと言った方がいいような人だ。

最後は・・・・まあ、言わなくても分かると思うが・・・美香さんだな。

そして・・・・・。

「みんな来ましたね・・・・では食事にしましょう。」
さっきの髪の長い女の人・・・・・都町桜(とまち さくら)さんがそう言った。
・・・・落ち着いた雰囲気と憂いのある表情・・・・やっぱり美人だよ。
ちなみに、みんなの食事を作ってるのは桜さんだったりする。

「うーん、桜さんの作ったご飯は美味しいよー。」
「いりえさん・・・・もうお代わりなの?」
「・・・美香さんの髪って綺麗だね・・・。」
「ひん・・・深由〜(涙)うっとりとした表情で、髪撫でるのはやめて・・・。」

・・・・・やっぱりどっかで見た光景だよな・・・。
「浩平さん・・・・食べないんですか?」
ぼーっと、年上の女の人たちの様子を見ていたオレに桜さんが顔を向けている。
「いえ、食べます。」
ご飯を口に運びながら、オレは昨日の事を思い出していた・・・。

 ・・・・・・・・

『ふーん、折原君って言うんだ。よろしくね』
驚いた・・・・彼女達を見て。
『一緒に頑張るの・・・ここから脱出する事』
・・・・そしてこの村の事を知って。
『どうしてかは、分かんないけど・・・・深由達は出られ無いんだ、この村から』
オレの事を忘れた、いや、忘れて欲しくなかった人に・・・・
『そんなに似てるの?あたしに。』
そっくりな人たちが・・・迷い込んだこの村に
『・・・・悲しい目をしてるんですね・・・浩平さんは』
なぜ・・・・来たのか・・・オレは。

 ・・・・・・・・

で、昨日の会話で分かった事は・・・・

彼女達がここに来てから、1週間と経ってないこと。
彼女達はそれ以前は、顔見知りでは無かったこと。

・・・くらいだな。つまり、この村については何も分からないと言うことだ。
そして・・・彼女達がここに来た理由は・・・・聞けるわけ無いな。
もちろん彼女達は、オレもただここに迷い込んだと思っている・・・・はずだ。

「折原君・・・・なに遠い目をしてんのよ。」
考え事くらいさせてくれ・・・・・美香さん。
「さっさと見回りに行くわよ。付いてきて。」
「ちょっと待ってくれよ・・・って、うわああああ!」

ずるずるずるずるー

オレは、美香さんに文字通り引きずられていった・・・・・・。
・・・・マジでそっくりだって・・・あいつの”真”の性格に。
「・・・・美香ちゃんって、折原君が来てから何かやたら張り切ってないかな?」
「前に言ってた、振られた彼氏に浩平さんが似てたんじゃないの?」
いりえさんと直さん・・・・ホントに、少し前までお互いが他人だったとは思えん会話してるな・・・・。


「ここからなら、村全体が見えるわよ。」
美香さんがオレを連れてきた場所は、村の中で一番高い丘の上だった。
「村への入り口はあるけど・・・・出ると反対側から出てくるのよねー。」
山の中までは、まだ調べてないけど・・・と、付け加える美香さん。
「オレが倒れていたのが・・・・そこなんだよな。」
「そう、向こう側の入り口にね。・・・・だから、ここの事知ってると思ったのになー。」
「それは強引な意見だな。」
「別に強引じゃないわよ。」
・・・・何か久しぶりだな、こういう会話は。

 ・・・・・・・・・・・

いつもしていた、知り合いとの会話。
ふざけ合って・・・からかい合って・・・
当たり前だと思っていた・・・・でも、そうじゃなかった。
皆に忘れられてから・・・オレは。

『そうじゃないよ、あなたがわすれたがっていたんだよ、すべてを』
そうだな、オレが。
『だから、わすれられて・・・・きえたんだよ、みんなも・・・そう』
みんな!?

 ・・・・・・・・・・・

「折原くーん、おきろー!。」
「あ、美香さん」
・・・・どうやら、オレはあの後寝てしまっていたようだ。
ここは、春みたいに暖かいからなあ。
「もうすぐお昼だからって、桜さんが。」
「分かったよ。」
柔らかい草の上から、体を起こす。
「美香さん・・・・。」
丘から降りようとしていた美香さんに、声を掛ける。
「何?」
「よく知っていた人に、忘れられた事ってある?」

・・・彼女が、いや”みんな”がどう答えるかを・・・オレは知っていたのかもしれない。
そして・・・・彼女は答えた。


「・・・・・あるよ。」

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ポン太「ポン太でーす。・・・・こんな展開になるとは・・・(自分で書いといてそれはないだろ。)」
雪ちゃん「第2話にして、当初構想とは大きくずれたわね。」
ポン太「誰が誰と似てるのか・・・・分かりますよね。似てない人もいるけど・・・・こんな性格じゃねー!ってきつく突っ込まないでくださーい(泣)」
雪ちゃん「みゅーが使えないのは・・・・痛いわね。年上なのに使ってたら少し変だものね。」
ポン太「彼女だけは・・・どうにもならんかったな・・・あう。」
雪ちゃん「みんなの名前もかなり強引ね。」
ポン太「これでもかなり考えたんだけどね・・・・。」

雪ちゃん「で・・・・全部で何話になる予定なの?」
ポン太「全6話・・・・という予定だったけど、構想とずれたからわからんな・・・。」
裏ポン太「行き当たりばった・・・うげえっ!」
ポン太「黙れ黙れ黙れえええ!!この屑がああ!!(高槻もーど ON)」
雪ちゃん「・・・・MOONやってないのによくやるわね・・・・。」

ポン太「と、いうわけでここまでですな。(戻った)」
雪ちゃん「次は・・・明日に出せるかも・・・・」
裏ポン太「・・・・・あう(再起不能)」

三人「また、会いましょー。」

1999.1.11