激突!!外伝2”良く晴れた冬の朝には” 投稿者: 変身動物ポン太
プルルルルルルルル
・・・・今日のカーテンの音はやけに響くな・・・・。
それに目の奥を貫く陽光が無いな。

プルルルルルルルル
・・・・長森の声にしては甲高いし・・・・。
って、電話かい!

ガチャ
「はい、電話です。」
目茶目茶寒い一発ギャグ、これの反応で誰が掛けてきたか解る。
ちなみに七瀬にこれを言ったら、彼女は電話を無言で切り、5分後にここにきてオレをズタボロするだろう。(なんでよ!byナナピー)

「何だかよく分かんないけど浩平君?」
・・・・みさき先輩だった。
「助かったよ、みさき先輩。」
「・・・・よく分かんないけど、ありがとうって言っておくよ。」
いや、七瀬じゃなくてマジで良かった。って、いうことはおいといてだな。
「みさき先輩、朝っぱらからなんだよー。オレは眠いんだよ。」
時計を見ると7:30。眠いのも当たり前だな。
「えーっとね、今から屋上まで競争しない?」
「はあ!?」
何でまた、こんな朝早くからなんだ・・・それに。
「・・・よく考えたら先輩の方が凄く有利じゃないか?」
そう!皆さんご存じの通り、みさき先輩の家は学校の目の前だったりする。
まあ、学校まで1500Mあるオレに勝ち目は無いだろう。

「大丈夫だよ、私は今から朝御飯だから。」
なるほど、みさき先輩の食べる量は常人の5倍はあるからな。いくら早食いだからと言っても限度がある。
「そんなに食べないよー。」
おっと口に出してしまっていたか、オレも修行が足りんな・・・。(なんのだ)
しかし・・・オレだって今から用意してたら結構時間かかるしな、やっぱ止めとこうかな。

「先輩・・・オレやっぱ止めときま・・・」
「もし浩平君が勝ったら・・・・”なにか”をいつもよりサービスしちゃうよ(はあと)」(だから”なにか”って何なんだああああ!!byポン太)
へっ・・・・。

「よおし!みさき先輩、絶対負けんぞおおおおおお!!!!!」
オレはいつもの250倍の早さで(当社比)用意すると玄関を飛び出していった。

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「・・・・どうやら成功ね。」
白衣を着たその髪の長い美人は、そう言うと電話ボックスから出てきた。
「私も伊達にみさきの幼なじみな訳じゃないからね・・・。」
その女は口からマスクのような物を取った。
「さて・・・・どうなるのかしらね。」
そう言った女の口には笑みが浮かんでいた・・・・。

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走り慣れた道
いつもの朝の光景
平凡な日常

現在のオレはその全てからかけ離れていた。

「うおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
全速力(当社比 7.28倍)で直線を走る。吐く息が白く広がり、寒さをオレの顔に伝えてくれる。
「負けん!負けんぞおおおお!!!」
見えた!オレの学校への道での唯一の大きなカーブ!
通称”ななぴーの目撃ポイント、ルート17”だ!

「あたしはネッシーか!!」

ぼこげっ

「・・・・・いや、ツチノコだと思うんだが。」

どごがっ

見ると、七瀬がルート17に立っていた。
「今日は早いな・・・・七瀬。」
こんな時間に”ここ”にいるとは。いつもだったらオレと一緒に遅刻寸前なのに。
「朝早い時間から教室にたたずむ・・・乙女でしか成せない事よ。」
「ただの物好きじゃないのか・・・・。」
「ふん!ほっといてよ!」
・・・・どうやら七瀬は罠じゃないらしいな・・・・。(いや、十分罠になってると思うぞ、うん。)
みさき先輩との勝負には必ず罠が仕掛けてあるからな・・・・”彼女”の。
そんな事を思っているときだった・・・。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

不気味な音と共に、地面が微妙に揺れていた。
「な、何よこれ?地震?」
「わ、わからん。解からんけど・・・・。」
何か、解ったような気がしたりして・・・・。

そして、今回の罠が姿を現した。

「きゅいーーーーーーーーーーーーん!!!」
ずどばきごごーん!
コンクリートの壁を壊しながら現れたのは・・・・・・巨大な”主”だった。

「・・・・・七瀬の弟か?」
「何でそうなるのよ!」
「あっ、従姉妹か。」
「違うって!」

オレと七瀬がそんな事を言い合っている間にそいつはこっちへライトを点灯させると・・・・突っ込んできた!
「どあああああああ!!!」
「お、乙女なら逃げるべきよね!こういう場合!」
いや・・・・気を失って倒れると思うぞ、普通なら。

当然、オレ達は全速力で逃げ出した。

「きゅいーーーーーーーーーーーーん!!!」
訳のわからん奇声を挙げながら追っかけてくる”主”。足がキャタピラのくせに速過ぎるぞ!貴様!
って、ライトとキャタピラ・・・・ロボットかい!

「でえええええええい!!!!!やりすぎや!深山先輩!」

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「”雪ちゃん28号”折原浩平、捕捉しました。」
ご存じ(?)ここは地下のミッションルーム。
「うーん、七瀬さんがいたのは誤算だったかも・・・。彼女の必殺技は強力だわ。」
ぐるぐるメガネを掛けた深山雪見・・・こと、プロフェッサー雪ちゃんは難しげな顔をしている。
「うーん、折原君はこの新型ロボットのいい対戦相手になると思ったのに・・・七瀬さんまで相手は出来るかしら。」
「折原君と七瀬さんを、うまく引き離してしまえばいいんだよ、プロフェッサー。」
オペレーター席に座っていた、少女漫画の中から飛び出してきたような端正な男がそう言った。
「・・・・まかせるわ。氷上君」
そう言って、雪ちゃんは中央の席に座る。
端正な男−氷上シュンはにこりと微笑むと、巨大なスクリーンに映っている浩平に向かって呟いた。
「捕まえて見せるよ・・・・折原君。」(なんか妖しい響きだ。)

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「ひいいいいいいいい!しつこいぞ、こいつ!」
「はあ、はあ、乙女の私をここまで追い詰めるなんて・・・。」
「きゅいーーーーーーーーーーーーん!!!」

オレと七瀬は学校の近くまで来ていた・・・・が、奴に追い詰められていた。
おっ、校門だ。門をふさいでしまえば多少の時間稼ぎが・・・・。
「うっ!?」
「はっ!?」
オレと七瀬はほぼ同時に呟き、そして飛び退いた!
そしてすぐ前に七瀬がいた所をマジックハンドが通り抜けた!さらに!

ズドドドドドドドド! ズガーン。
ズドドドドドドドド! ズガーン。
ズドドドドドドドド! ズガーン。
ズドドドドドドドド! ズガーン。バタン。

地面から同時に4枚の壁がせり出し、そして天井が閉まる。これは・・・・・。
「この前にオレが閉じこめられた密室やん・・・・・。」
「あ、危なかったわ・・・・。」
閉じこめる前に、マジックハンドでの拘束とは進化してるぞ・・・。

そして、お約束

「うわああああ!!!!水だああああ!!!!」
中から誰かの声。
「・・・・なんだ、沢口か。」
「俺は南だあああ!ああっ、”茜さんに朝早くからラブレターを渡して『みなみくん、す・て・き♪』”作戦が失敗だああああ!!!・・がぶっごぼっ¥#−0&$%4−・・・・」
・・・茜って、朝早くから学校来るタイプだっけか?
しかし、いつの間に入ったんだよ・・・。
「あんたが突き飛ばしたんでしょ。」
「そうだっけ?」
そう言えばそんな気も・・・って、そんな場合じゃない!

「きゅいーーーーーーーーーーーーん!!!」
”主”がミサイルを発射する。
ぷしゅーーーん
「えっ?って、きゃああああああ!!!」
七瀬に向かって。

どべしっ

七瀬の足はとりもちミサイルで固められた。
『七瀬留美、体力の限界につきリタイア』か・・・。
「違うわよ!」

そして”主”はくるりとオレの方に向いた。
「うっ。」
「きゅー。」
じりじりと後ずさるオレ。近づく”主”。
オレは校庭の方に追い詰められていった。

美男子星人にして、誕生日は3/24の(全然関係ない)この折原浩平、ここまでなのか!?

だが・・・・・救いの手は意外なところから差し伸べられた。
「・・・・浩平、大丈夫ですか。」
「・・・・茜!?」
見ると屋上に茜が立っている。
「折原くーん、生きてるー?」
うっ、詩子も一緒か。でも何で茜がここに?
はっ、ひょっとして愛する男(誰のことだ)を助けるために単身(詩子はとりあえず除外)戦場(そうか?)に乗り込んできてくれたのか!?
「・・・”あれ”は私の物です。私が捕獲します。」
・・・・そう言う事ね。
「詩子・・・・落とし穴の準備は。」
「バッチリよ。」
おおっ!落とし穴で”主”の動きを止めるのか!

・・・・・でも何故に屋上で・・・・まさか。

「詩子・・・・起爆スイッチを。」
「はーい。ぽちっとね。」(古い)

ずごおおおおおおおおおおおおおん!!!!!


校庭全体が陥没した


「やっぱりそうくるかああああーーーー!!」

オレの体が地面に沈んでいく。もちろん”主”の巨体も沈んで行くが・・・・その口の中で、光りながらオレを狙う物は何だー!?
「きゅいーーーーーーーーーーーーん!!!」
ずどぐあああーーーん!!

「ひいいいいいいい!!!!」
足下で炸裂した”主”のミサイルは、オレを300メートル程吹き飛ばした。
飛ばされたオレは学校近くの民家の庭に突っ込んだ。

ずずーん

「・・・・その着弾音はひょっとして浩平君?」
みさき先輩の家だった。
「よく分かるな、みさき先輩」
「さすがに着弾音で分かったのは今回が初めてだよ。」
それはそうだろう。
「なあ・・・みさき先輩、さっきオレを屋上までの競争に誘ってないよな?」
「うん。競争は放課後でしょ。」
プロフェッサー雪ちゃん。見事に騙されてしまったよ。(気づけよ)
はっはっはっはっは、人間最後は笑えるもんだ。

「浩平君も一緒に焼きたてのパン食べない?」
みさき先輩のいつもなら嬉しい一言も、上半身が地面の下にあるオレには虚ろに響いていた・・・・。

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その頃のプロフェッサーご一行は・・・・。
瓦礫と土の下に埋もれ掛けていたりして。

「うふふふふふふっ、やるわね・・・里村さん。校庭ごと潰すなんて。」
・・・・どうやらミッションルームは校庭の真下に在ったらしい。

「ふ、ふふふふふふふふ、つ、次は負けないわよ・・・・・。」
「まだやる気なんだね・・・・僕も諦めてないよ・・・折原君。」
陥没した校庭の真ん中辺りで、歪んだ叫びがこだましていた・・・・・・。

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そんでもって、その校庭の端の方では・・・。
「茜・・・あの物体から離れないわね・・・。」
「なんか、満面の笑みを浮かべているんだけど。」
横倒しになった雪ちゃん28号(”主”の事だよ)にくっついている茜を、詩子と七瀬が呆れたように見ていた。
「授業・・・・もうすぐ始まると思うんだけどなー。」
「・・・柚木さん、だから私の足のとりもちを取って欲しいって頼んでるんだけど・・・・(涙)」
・・・・・・

良く晴れた冬の朝の、のどかな光景だった。(うそこけ!)

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その後の職員室。
「2年◯組の南君、今日は学校来てないんですか。」
「どうしたんでしょうね。」

・・・・・・・合唱



”ミッションルームの崩壊” 完 (それを持ってくるか!?フツー)
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ポン太「明けましておめでとうございまーーーーーーす!10日ぶりのポン太でーーす。新年一発目から雪ちゃんSS(そうでは無い)ですぅー。」
雪ちゃん「・・・・やっぱり私はこんな役なのね。はあー。」
ポン太「あうー、七瀬ファン・南ファンの方ごめんなさいー。南君ちゃんと生きてますよー。」
雪ちゃん「謝るくらいなら書かなきゃいいのに。」

裏ポン太「あれ?プロフェッサー雪ちゃんの主題歌、書くって言ってませんでした?」
雪ちゃん「えっ!?そんな物あったの?」
ポン太「うーん、考えるには考えたんだけど・・・やめた。」
雪ちゃん「なんで?」
ポン太「考えた題名が”GOGOプロフェッサー雪ちゃん”なんだよな。」
雪ちゃん「・・・元ネタが一目瞭然ね。確かにやばいような・・・気がするわ。」
ポン太「見たい!って言う人が沢山いたら書きますが、書かないでって言われたら書きません。」
雪ちゃん「いないと思うわ・・・多分。」

ポン太「後はですねー、冬コミ凄かったって事が言いたいですな。」
雪ちゃん「・・・なんだかんだ言って、結局行ったのね。」
ポン太「・・・うるさいわい。どうしても”主”のぬいぐるみが欲しかったんだよ。」
雪ちゃん「でも今だに届いて無かったりして。(知ってる人は知ってると思うが”主”は通信販売だった。)」
ポン太「ううっ、早く届けえ・・・ぬいぐるみぃー。」

ポン太「と、言うわけで今日はここまで。」
雪ちゃん「相変わらず長くてすいません。」
裏ポン太「今年のSS一番乗りのニュー偽善者R様(HN変わったんですか・・・)、おめでとうございます。」

三人「ではまたお会いしましょー。」

1999.1.6