激突!!外伝 ”みさき先輩と勝負!” 投稿者: 変身動物ポン太
憂鬱な授業が終わり、最後のホームルームが始まる・・・・・・。

ある者は今日の部活の事を思い、別の者はこれから街へ繰り出す予定を考える。
254回目の告白方法を思案する者もいれば(←南)、怪しい計画を立てている者もいる。

「そしてストリートファイトの作戦を練る者・・・。」
「右フックの後に左回し蹴り、そして乙女必殺!ジェノサイド・・・・ってなんでよ!。」

がんっ

・・・・お約束

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「うし、今日こそはみさき先輩に勝つぞ!そして・・・・・うはははははは!。」
今日はみさき先輩と屋上への33回目の競争の日である。
現在の勝敗、7勝6敗18分け(ノーカウント1)。今回から繭も参加している。
みさき先輩が勝つと、3日間の先輩の昼食代を払う。オレが勝ったら、なでなで100回+なにか(?)。
繭の場合は照り焼きバーガー山盛りである。

「・・・まあ繭は、今日は勝てないだろうな・・・・・。」
オレは後ろの机ではしゃいでいる繭の方を見ながら、そうつぶやく。
別に繭が足が遅いとか言ってるわけじゃない・・・・最初は誰だって勝てないんだ・・・。
なぜなら・・・・・。

「んあー。今日はこれでおわ・・・。」
髭の言葉が終わるか終わらないかで、オレは扉にダッシュする!
と、背後に殺気が!?
「よっ!折原、たまには一緒にかえら・・・のああああ!?」
オレに近寄ってきた住井をつかむと、オレの後ろに突き出した。

ぼぐっ

「うわあああああ!!!!」
ちらっと後ろを振り返ってみると、オレの机から生えた2本のアームに住井が捕まって・・・。アーム!?
うーむ、前回はただのパンチだったのに、やるな・・・深山先輩。

そう・・・・・これが”みさき先輩と屋上へ競争!”名物である深山先輩の罠なのだ!
18回の引き分け(ノーカウント1)の原因だ。
回を重ねるごとにエスカレートしていて、今ではここまで進化している。
・・・・本来の目的はみさき先輩捕獲用なんだが・・・なぜかオレの机にも仕掛けてあるんだよな・・・。

「みゅーーーー!!!!」
どうやら繭はあっさり捕まってしまったらしい。
悪いな・・・繭・・・・勝負の世界は厳しいんだ・・・・。
そう思ってオレは教室を飛び出していった。

「うおおおおおおおおお!!!」

廊下を全力で走り抜ける。ここで時間を稼いでおかないと3階から出発するみさき先輩には勝てない。
ここまで何もなかった以上、みさき先輩も教室の罠は突破したと見るのが妥当だろう。

と、オレの視界がなの者かにさえぎられた。
「のわっ!何者だ!。」
「・・・・・・・・。」
どうやら誰かに目隠しされているらしい。オレは立ち止まってその手を振りほどいた。
振り返ってみると・・・・。
『こんにちはなの』
澪だった。
「どうした、澪。なんか用なのか?」
澪はにこっと笑うと、スケッチブックをめくってオレに見せてきた。
『あのね』
『はい』
スケッチブックをのぞき込んだ俺の目に写った物・・・それは・・・網!?

ばささっ

「うおっ!み、澪自体が罠だったのかよ・・・。」
スケッチブックに網が仕込んであるとは・・・・うかつだった。
あっさり網に掛かったオレに、喜んで澪が言った。
『これで次回の劇では主役なの』
「・・・・・・・・・・。」
深山先輩・・・・いくら演劇部長だからってそれは・・・・。

だが・・・・美男子星人にして納豆嫌いの(関係ない)この折原浩平に不可能はない!

「フッ。」
自信ありげなオレの笑みに澪が怪訝そうな表情になった。
「いっくぞおおおおおおおおおおおお!!!!」
網の中でいきなり吠えたオレに、澪がびくっとなる。
『なんなの!』

じょき

「はははははははははは!また会おう、上月君!」
網を抜け出して、オレは階段へ走る。
何のことはない。ハサミがたまたまオレのポケットの中にあっただけである。
『あうー、主役がぱあなの。』
こうして、第二の罠から逃れることができたようだった・・・。


「しかし・・・二個も罠を張るとは・・・・一体何が・・・・。」
そう言ったオレは、さっきの澪の言葉から演劇部の講演が近いことを思い出した。
「そうか・・・・人員の確保か・・・。」
だったら七瀬とか使えばいいのに・・・・最近ストリートファイトをやってないから、力は有り余っているはずだ。
「うん、そうにちがいない。今度七瀬を深山先輩に推薦してみよう。」
そんな事を考えながら全力疾走する。
おっと、もうすぐ階段だ。
さすがに、伊達に毎朝長森と1500M走してるわけではない。澪罠での遅れをかなり取り戻したはず・・・オレがそう確信した時・・。
それは起こった。

ズドドドドドドドド! ズガーン。

「なっ!?」
俺の前に壁がせり上がってきた。廊下目一杯の壁が。

ズドドドドドドドド! ズガーン。

オレの後ろにも同じ壁がせり上がり、逃げ道をふさぐ。
「おいおい・・・」

がらがらがらがら、ズシャーン。
がらがらがらがら、ズシャーン。

きわめつけには、教室と廊下側の窓にシャッターが降りてきた。

「・・・・・・・・・・・。」
オレは廊下という密室に閉じこめられた、おそらくは世界初の高校生だろう。
さすがに何も言えなかった・・・。
そして・・・・・


注水が始まった。


「なんでやねーーーーーーん!!!!!!!」

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そのころのみさき先輩は・・・・・迷っていた。

「えーん、雪ちゃんひどいよー。あうー、道が分かんないよー。」

みさき先輩の教室の外の廊下は・・・・・迷路になっていた・・・特大の。

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学校地下の謎のミッションルーム・・・・

「川名みさき、折原浩平、椎名繭、全員捕獲成功です。」
「よーし、今回は私の勝ちね!」

巨大なスクリーンを前に、白衣を着た深山先輩−プロフェッサー雪ちゃんが喜んでいた。


そこまでやるかい・・・・・・・


”深山先輩と勝負!”   完    (って、題名変わってるやん!)

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ポン太「はいー、ポン太です。今回は狂ってます・・・・私が。」
雪ちゃん「・・・・・(怒りで声が出ないらしい・・)」
ポン太「激突!!(発端編)で、みさき先輩との勝負が評判良かったんで拡大版を書いてみたのですが・・。」
雪ちゃん「・・・・・・・・・・・・・。」
ポン太「みさき先輩はほとんど出てこないし・・・雪ちゃんはイってるし・・・・。」
雪ちゃん「・・・・・・・ポン太さん・・・・(乾いた声)。」
ポン太「は、はい!?」
雪ちゃん「だから、こんなの私じゃないっていってるでしょ!!!!!」
ポン太「うわあああああああああ!!!!!」

ずがっ!どががっ!ばきめきっ!ぼこばきっ!

裏ポン太「・・・・・うわあ・・・。」
雪ちゃん「実家に帰らせていただきます!」
ポン太「それだけは・・・・・・うげっ!」

裏ポン太「・・・・雪ちゃん、帰っちゃった・・・。」
    「・・・・とりあえず次は土曜日になると思いますので・・・・それでは。」

1998.12.17