補完SS”6月の花婿” 投稿者: 変身動物ポン太
6月・・・それは青く育った植物達が、雨という糧を得て大きく羽ばたく季節・・・・・。
この月、1組のカップルが結婚という儀式を終え、かつてのクラスメイトや今の友人達の前に姿を現そうとしていた。
彼らもまた、自分の最高のパートナーを得て社会という荒波に向かって共に羽ばたこうとしていた・・・。


「あっ!出てきた出てきた!茜ー!綺麗だよーひゅーひゅー!。」
教会から出てきた花嫁の近くで、はやしたてまくっているのは詩子。花嫁の親友代表と呼べる人物だ。
やたらハイになっているように見えるが、目の周りを少し赤くはれさせている所はやはり女性という事だろうか・・・。
「詩子・・・・恥ずかしいです。」
真っ赤になってそう言った花嫁−里村 茜−は文句無しに綺麗だった。
純白のウエディングドレスに包まれたその姿はまるで天使のようだったもん・・・・とこれは牛乳好きな元クラスメイトの談。
そんな花嫁の姿を、花婿は微笑みながら見つめていた。

「みゅー・・・・(里村さん・・・綺麗)」
「ああっ・・純白のウエディングドレス、乙女のあこがれ・・・・私も相手がいればなあー。」
こちらは少し離れて見ている元クラスメイト(?)の椎名繭と七瀬留美。
「みゅー・・(でも意外だったね、このカップル)」
「意外性カップル第二段って感じね・・・」
そう言って七瀬は、後ろを振り返った。


「まさか、あの二人がくっつくとはねー。」
「意外だったよ」
『押しの一念なんとやら・・・なの。』
そこには、なぜか出席しているみさき&深山の先輩コンビと澪・・・・澪はともかく二人はホントに何でここに・・・・?
おっとその原因が来たようだ。

「うっわあー、遅れちまったなー。おっと、みさき先輩来てたのか。って、雪見!なんで起こしてくれないんだよ!」
「だって、浩平は起こしても無駄って長森さん言ってたからね。」
「自分の彼氏と長森とどっちを信用してるんだよ・・・・。」
「長森さん。」(きっぱり)
「こらああああ!!!!」
「雪ちゃんも浩平君もやめなよー。」
『やっぱり二人、仲いいの』
・・・・どうやら意外性カップル第一段はこの二人のようだ。どうやってなったんだろう?(作者も知りません←おいおい)

「浩平、早く茜さんに挨拶しないと二人行っちゃうわよ。」
「おお、そうだった。雪見、一緒に行こう。」
「はいはい。」

たくさんの友人に囲まれていた花嫁と花婿は、向こうから走ってくる浩平と雪見に気が付いた。
二人とも浩平を通じて雪見のことは(みさき先輩のことも)知っている・・・・雪見が浩平の大切な人だということも。

一瞬、少年の笑みを見せた花婿は、素早く花嫁に二言三言耳打ちした。
それを聞いた花嫁はにこりと微笑むと手にしたブーケを投げた。

ブーケは・・・・浩平の手に収まった。

「あっ、折原君いいなー。あたしにちょうだい」
目ざとく見つけた詩子が浩平からブーケを取ろうとする。
「・・・・・って茜!これはオレがもらう物じゃないだろう!どっちかというと雪見に・・。」
「・・・それは・・・・浩平が雪見さんに自分で手渡してあげてください。」
「それって・・・まるでプロポーズ・・・うっ。」
浩平は自分で言って赤くなっている。隣の雪見は・・・激赤だ。

「あーあ、二組ともごちそうさまって所かな。」
詩子のつぶやきに浩平は我を取り戻したようだ。
「と、とりあえず、茜・・・おめでとう。」
「茜さん、おめでとう。」
「・・・・ありがとうございます。」
浩平と雪見の花嫁への祝いの言葉に、今まで黙っていた花婿が口を開いた。
「おいおい、親友のオレに一言も無しか?折原。」
浩平は、にやりと笑うと言った。
「さっきのブーケ・・・お前の入れ知恵だろ?・・・・・まったくお前らしいな。」
「まあな。」
二人はお互いに昔の自分を思い出しているようだ・・。
そして、もう一度笑った浩平が言った。
「まっ、言っておくかな・・・・結婚おめでとう・・・」


「住井」


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
そのころ、日本海に面したとある海岸・・・・・・。

「住井のばかやろおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーう!!!!!」
「茜さあああああああーーーーーーーーーん!!!!!!」
「ちくしょおおおおおおおおおおーーーーーーーーーう!!!!!」

南が叫び続けていた・・・・・・・。

合唱




−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ポン太「・・・・書いてしまった・・・・どーしよー。」
雪ちゃん「・・・・最近の南救済の風潮を完全に無視したSSね・・・・。」
ポン太「茜様ファン、ならびに南ファン(いるかな?)の皆様、ごめんなさい」
雪ちゃん「肝心の住井君補完にも辛うじてなっているかな?・・ってとこね。」
ポン太「南救済SSを書かれている作家の皆様、気を悪くしないでくださーい。悪いのは全部私です。ごめんなさーい」

雪ちゃん「そう言えば、なんでこのSSでは私と折原君をくっつけたの?」
ポン太「嫌なの?(にたり)」
雪ちゃん「そう言う訳ではないけど・・・・(ぽっ)。」(なぜか赤くなる)
ポン太「・・・・・まあ意外性のあるカップルということで、考えたらこうなったんだね。」
   「・・・あと、住井がなぜフリーなはずの長森をあきらめて茜様に転んだかとかは全く考えてないので・・・。」
雪ちゃん「つっこまないで・・・っていうことなのね。」

ポン太「に、しても・・・・茜様ごめんなさい・・・・。」
つっこみ茜ちゃん「・・・・・許しません。」
雪ちゃん「つっこみ茜ちゃん!?いつの間に・・・・・(汗)」
ポン太「わあーん、悪気はなかったんですぅ・・・(涙)」
つっこみ茜ちゃん「・・・・問答無用です。」
そう言ってつっこみ茜ちゃんは、ポン太の口に謎の瓶を押しつける。

ごくっ

ポン太「なにこれ・・・って、ぐはあっ!(大吐血)・・・と、吐血剤ですか・・・」ぱたり
乱入した南「ああっ、茜さん。僕のために、ありがとう!」
つっこみ茜ちゃん「・・・・違います。」

ごくっ

南「えっ・・・・・って、ぐぼげばあっ!(大大吐血)・・・ぼ、僕にもか・・・」ぱたり
つっこみ茜ちゃん「・・・・帰ります。」
雪ちゃん「あ・・・帰っちゃった。・・・・いけだもの様、勝手に出してしまってごめんなさいね。」


裏ポン太「ポン太がぶっ倒れていますので今日はここまで。」
雪ちゃん「感想は明日にまとめて出しますので。」
二人「それではー。」

1998.12.14