「星降る夜には...」  投稿者:ばやん


※えーー、今回ちょっとばかり長くなっちゃいました、すみません

綺麗な星空だな
まるで、手を伸ばせば星に手が届きそうだ
茜「綺麗ですね」
浩平「そうだな」
茜「休みを利用して遠くまで来た甲斐がありましたね」
浩平「あぁ、あの峠は怖かったけどな」
茜「くす、そうですね」
『星空を見に行かないか?』
そう茜に提案したのは俺だった

****
茜『どうやって行くんですか?』
俺が提案した場所は、交通機関がつながっていなかった
だからこそ、星空が綺麗なことでは有名な所だったのだが...
浩平『大丈夫、俺だってもう、免許持ってるんだからな、明日は休みだし、由起子さんに車を貸してもらえば良いんだ』
茜『嫌です』
浩平『ど、どうして?』
茜『あんな怖い目にはもう遭いたくありません』
凄く嫌そうな顔をする茜
浩平『大丈夫だって、もう運転中にカラオケやったりしないからさ』
茜と初めてドライブに出たとき、俺は無性に歌いたくなったのでマイクを繋げて運転中に歌ってしまっていたのだ。
その時の茜の表情は、長いつきあいの俺には恐怖で失神しかけに見えた
以後、茜は俺のドライブの誘いをことごとく断っていた
茜『・・・本当ですか?』
浩平『あぁ、約束する』
茜『ホントに本当ですね?』
茜が念を押してきた
浩平『大丈夫だって、俺だってそんなにバカじゃない』(多分な)
茜『・・・・・わかりました』(・・・はぁ)
****

まぁ、俺の巧みな説得(?)が功を奏して、茜は付き合ってくれた
のだが、まだ若葉マークも取れてない俺には、あの峠は辛かった、いや、後ろから走り屋にパッシングされたときは生きてる心地がしなかったぞ マジで
どうやら、助手席の茜にはその恐怖はよくわからなかったらしいのだが...

浩平「はぁ〜、帰りはあんな奴いないと良いんだけどなー」
茜「でも、ああいう方たちは、これからが本番の時間ではないですか?」
浩平「うっ、俺達、無事に帰れるんだろうか...」
茜「クス、頑張って下さいね」
浩平「茜、なんか楽しんでないか?」
茜「そんなこと無いです」
浩平「いや、絶対に楽しんでるぞ」
茜「ふふ、浩平は退屈にさせると何をするかわかりませんから、あれぐらい緊張してもらっている方がちょうど良いです」
浩平「うー、茜、俺はアッシーじゃないぞ」
茜「はい、貢ぐ君です」
浩平「ぐ・あ」
茜「冗談です」(ニッコリ)
う、最近の茜はよくオレをからかうのだが、いつも最後にこう笑顔を見せられると怒れないんだよなー
もしかしてこれって...尻に敷かれる一歩手前なんだろうか?
浩平「は、ははは茜も最近冗談に磨きがかかってきたな」
俺には、他に許されるべきセリフがなかった
茜「はい、詩子に色々教わってますから」
ゆ、柚木ーーーー、お前、俺の茜に何を教えてるんだーーー (ちょっと、そのセリフはまだ早いよー :詩子より)
浩平「そ、そうか、それにしても、ホント綺麗な空だなー」
もう、この話題からは離れた方が良さそうだ
茜「はい、でも、浩平どうしたんですか?」
浩平「え?」
茜「ここ最近の浩平、いつにも増して変です」
浩平「『いつにも増して』がよけいだっ」
茜「はい」
面白そうに笑っている茜
柚木ー、茜に変なこと刷り込むなよー
茜「でも、ホントどうしたんですか? 私でよければ、相談に乗りますよ」
急に真顔になって茜が俺に尋ねてくれる
その言葉の裏に茜の決意のほどがひしひしと伝わってくる、そんな顔だった
どうやら、さっきの冗談は気を紛らわすためだったらしいな

きっと、ずっと言おうとしてたんだろうなー
茜の控え目な性格を十分に知っているから、茜がこの話を切り出すまでに、どれだけの心の格闘があったのか手に取るようにわかる。
今の俺はそこまで茜のことを理解していた
そうか、茜にここまで思い詰めさせていたのか
ごめんな
長森にあんな事を言われてから、どうも、いらいらしてるんだ


―――ある日の公園―――
俺は、急に長森に夜の公園に呼び出されていた
瑞佳「あ、浩平、こっちこっちーー」
浩平「長森、何なんだよー」
瑞佳「あはは、久しぶりだね。ちゃんと遅刻しないで大学行ってる?」
浩平「当たり前だっ、茜が起こしに来てくれるんだからな」
そう、茜と付き合っている今、朝俺を起こしに来てくれるのはもはや長森ではない。
おまけに、大学も違うから、俺と長森の接点はどんどん薄れて行っていた
俺と長森も、世間一般の幼なじみの様になってきたと言うことなのだろう
もう、今となっては、長森の考えてることはわからないかも知れない
その程度の関係になっていた
瑞佳「そっか、ちゃんと里村さん朝迎えに来てくれてるんだ」
浩平「当たり前だ」
瑞佳「もう、彼女に迷惑かけておいて『当たり前』はないよー」
浩平「うるさいなー、お前は俺の保護者かっ」
瑞佳「さすがにそこまでは言わないけど...」
浩平「なら、文句言うなっ!」
瑞佳「あはは、浩平変わらないねー」
浩平「ほっとけっ」
俺は、少しむくれた
内心『俺だって、少しは大人になってるんだっ!』と言いたい衝動に駆られたが、我慢することにした
瑞佳「あははははは」
長森は、やけに盛大に笑っている
だが、その笑い方が、長いつきあいの俺には違和感を感じる。 そんな笑い方だった
浩平「で? 今日は何の用だ?   まさか、宗教の勧誘じゃないだろうな?」
瑞佳「わ、違うよー」
浩平「じゃあ、何の用なんだ? 俺だって暇じゃないんだからな」
もうそろそろ、茜に電話しないといけない時間になろうとしていた
瑞佳「あ、ひょっとして里村さんの所に電話しないといけない時間?  浩平結構マメだったんだねー」
・・・女の子って奴は、どうしてこんなに勘がいいんだ?
浩平「べ、別にそんなんじゃないさ」
瑞佳「あ、やっぱりそうなんだーー」
長森が面白そうにからかい出す
だが、それすら俺には、無理して楽しんでいるように見えた
なんで、俺には長森がこんな風に見えるんだ?
浩平「なぁ、長森、今日はなんなんだ?」
瑞佳「え? なに?」
浩平「今日のお前、変だぞ」
瑞佳「そんなこと無いよ、私は私だよ」
ニッコリと笑っている長森だが、その様が、なんだか俺にはものすごく辛く見える
今日の俺と長森はどうかしている
そう思えてならなかった

そして

浩平「・・・・・・・・・・」
瑞佳「・・・・・・・・・・」
いつしか、俺と長森は、お互いに全く声を発しなくなっていた
二人の間を、とてつもなく長い静寂が流れた
今日の長森はあからさまにおかしい、何か、隠し事をしているのは確かなのだが、俺もそれを探せずにいた
瑞佳「・・・・浩平」
この静寂を破ったのは長森だった
浩平「なんだ?」
瑞佳「今日は、ごめんね、・・・急に呼び出しちゃったりして...」
浩平「気にするな、俺と長森は幼なじみじゃないか」
『幼なじみ』俺はこの部分に力を込めて言った
特に意識して言ったわけではない。 なぜか、そう言う風に言葉を紡ぎだしてしまっただけだ
だが
瑞佳「『幼なじみ』...か、そうだね、そうなんだよね。 私たちは幼なじみなんだよね」
その言葉を聞いた長森の様子が、明らかに変化し始めた
浩平「長森...」
瑞佳「そうだよね、『幼なじみ』なんだよね、小さい頃からたまたま腐れ縁でつき合いがあっただけ、それ以上でも、それ以下の関係でもないんだよねっ」
浩平「お、おいっ」
長森は、まるで自分に言い聞かせるように、何度も『幼なじみ』と言う単語を吐き出していた
瑞佳「うん、私たちって、それだけの関係・・・・なんだよね、決して、・・・・男と女として・・・・・考えちゃ・・・・いけない・・・・関係だったんだね」
半ば半泣きの声になりながら、なおも、言葉を紡ぐ長森
こんなに悲しそうな長森を見るのは初めてだった
俺には、こんな長森に話しかけてやれる言葉が見つからなかった

―――――――――――――――

俺は、茜を見つめながらそんな事を思い出していた
茜「浩平、どうしたんですか?」
浩平「な、何でもない」
茜「嘘です」
浩平「嘘じゃないって」
茜「無理してます」
浩平「そんなこと無いって」
茜「浩平、私には嘘を付かないで下さい」
茜は、マジな顔で俺を問いつめる
浩平「・・・・わかった」
ここは、茜に心配かけさせないためにも、気を紛らわした方が良さそうだ
茜「はい」
浩平「茜、実は俺無性に茜とキスしたかったんだ。  な、良いだろ?」
そう言いながら俺は茜を抱き寄せ、その可愛らしい唇に....
ピトッ
茜が俺の唇の動きを指で止める
浩平「茜?」
茜「嫌です。 今の浩平となんかキスしたくありません」
茜は『なんか』の部分を強調して言った
こう言うときの茜はてこでも動かない
浩平「茜...」
茜「浩平、きちんと話して下さい。 別れ話でも私は驚きません」
浩平「なっっっっ!!」
茜は、そこまで覚悟していてくれたのか!
そう考えると、茜に隠し事をしている自分がひどく情けなく感じた
茜「・・・・・・・」
茜は、無言で俺の目をじっと見つめている
その瞳には、強い決意のほどが伺えた
浩平「・・・・わかった、茜にだけは話すよ。 でも、この話は内緒だぞ」
茜「わかりました」


―――再び公園に戻る―――
瑞佳「うわぁ〜んっ!、浩平っ! 浩平っ!」
長森は今や俺の胸の中でボロボロと泣きだしていた
こんな姿、茜に見られたらただじゃ済まされないだろうなー
だが、俺は、こんな長森にかけてやれる言葉を見いだせずにいた
浩平「長森...」
だから、ただ俺は長森の頭を撫でてやることしかできないでいた
瑞佳「うっ、ひっく」
長森は、少しづつだが、心の高ぶりが引いてきたようだ
鳴き声が次第に小さくなっていくのがわかる
浩平「長森、落ち着いてきたか?」
瑞佳「ひっく、うっく」
俺は、さらに優しく長森の頭を撫でてやる
だが、いつまでもこのままというのもまずいだろう
長森は俺の彼女じゃない。 俺には茜がいるのだから
だから
浩平「長森、落ち着いたら、すぐに離れてくれよな」
冷たいかも知れないが、俺はそう、長森に告げた

−この言葉は、長森を傷付けるかも知れない−

そんな事はわかっておきながら...
そう、今の俺は、今日長森がなぜ俺を呼びだしたのか、その理由に気づき始めていた
わかっておきながら、こんな事しか言えない俺は、やっぱり最低な奴なのかも知れない
ピクッ
一瞬、長森の肩が小さくふるえた...ような気がした
俺がそう感じて間もなく、長森は泣き止み、そして、俺から距離を置くような態度をとった
瑞佳「そっか、そうだよね。 浩平には、里村さんがいるんだよね」
そう言われた長森は、なんだか、ちょっとさっきよりは瞳が輝いていた...様な気がする
いや、俺がそう、思いたかっただけなのかも知れない
浩平「あ、あぁ、そうだな」
瑞佳「うん、浩平と里村さん、お似合いだよ。 ・・・・私と浩平以上に...」
浩平「長森...」
瑞佳「そうだよ、そうに決まってるよ。  そうじゃなきゃ、私が....あまりにも不幸のヒロインになり過ぎちゃうもんっ!」
長森は、自らの運命に、終止符を打とうとしているように見える
だから、俺は
浩平「そうだな、俺と茜の絆は誰にも断ち切ることは出来ないんだからな」
長森にダメ押しを加えた
長森が望んでいるだろうとわかって...
瑞佳「うんっ!」
長森が、完全に吹っ切れるのは、もうちょっとかも知れない
だが、これ以上、長森に何を言ってやればいいかわからなかった俺は...
浩平「さてと、そろそろ帰ろうか?」
つい、逃げてしまった
瑞佳「うん、そうだね。 でも、その前に、浩平にお願いがあるんだよ」
浩平「なんだ?」
俺としては、できる限り、それに答えようと言う考えが芽生えていた
長森に対する、せめてもの償いと、感謝の気持ちを込めて...
瑞佳「実はね、明日は私の19歳の誕生日なんだよ、だから、18歳なのは今日までなんだ」
浩平「そう、だったのか。 じゃあ、何かプレゼントを考えておくよ」
長森がなぜ、今日俺を呼びだしたのかようやくわかった
でも、幼なじみの誕生日を忘れていたなんて、俺ってやっぱ最低だ
俺が長森の誕生日を忘れてることに苦笑しながらも、長森は次の言葉を紡ぎ出す
瑞佳「でね、できれば誕生日プレゼント、今、前借りできないかな?」
浩平「え?」
瑞佳「ダメかな?」
長森は笑顔で俺に話しかけている
その笑い方は、さっきの様な辛さが無くなりかけていた
浩平「で、でも、俺、何にも用意してないぞ」
いきなり、プレゼントをよこせ、と言われても俺としても...
瑞佳「大丈夫だよ、物じゃないから」
軽い言い方で長森がフォローを入れる
物じゃない?
ま、まさか、『最後の思い出に抱いて』とか言うんじゃないだろうな?
そ、そればかりはダメだぞっ! 俺には茜という...
瑞佳「最後の思い出に....」
うわーーーーっ!!
長森それ以上言うなーーーーー
瑞佳「な〜んてねっ、いくら何でも私そんなに大胆じゃないよ」
してやったりという表情で長森がそんなことを言う
浩平「な、長森ぃ〜〜」
俺は情けない声を出していた
瑞佳「あははは、浩平、何考えてたの?」
浩平「な、ナニって...」
瑞佳「あはははははは、浩平ってエッチだぁ〜」
浩平「ぐ・あ」
瑞佳「里村さんも毎日が大変だね〜、きっと」
浩平「バ、バカッ!  そ、そんな分けないだろうっ!」
瑞佳「あははははははは」
失恋したというのに、こんなに明るく振る舞えるなんて...
俺は、こんな長森を、心底強い奴だなーと思った

浩平「いきなりからかいやがって...」
瑞佳「私を悲しませたせめてもの仕返しだもん」
浩平「こんな仕返し受けたくないわいっ!」
瑞佳「私だって、予定ではこんな形じゃなかったんだよ」
浩平「じゃあ、どうするつもりだったんだよ?」
瑞佳「私が浩平に泣きついたとき、それで浩平を奪い取れたらなーとか考えたりしたんだよ」
なに?
浩平「なんだと?」
瑞佳「でも、浩平『離れてくれ』って言うんだもん、だから、私里村さんに完敗だね。 私あれですっきりしちゃったよ」
笑いながらそんなことをいう長森
その笑顔には、もはや曇りがない様に見える
長森がこれなら、俺達はただの幼なじみに戻れる、そんな気がした。
だから、俺は
浩平「ほおぉぉーー、長森お前、俺の茜を悲しませようとしてたのか」
俺はちょっとすごみのある笑みをたたえた表情で長森に迫る
瑞佳「え、えっと〜、...あはははは、じょ、冗談だよ。 浩平」
浩平「許さ〜ん、お仕置きだー」
俺は長森の後ろに回り込み
グリグリグリグリグリ
長森のこめかみをグリグリした
瑞佳「きゃーーーっ、浩平、痛い、痛いよっ!」
浩平「ふっ、天罰だ」
瑞佳「うーーーーー」
長森は、唸りながら、俺の足下を確認する。 そしておもむろに
ガシッ!
俺の足を踏んづけようとした
だが、この動きを予測していた俺は素早く避けた
瑞佳「あー、浩平避けるなんてずるいよー」
浩平「バカッ、避けなかったら痛いじゃないかっ!」
瑞佳「私だけ痛いなんて、不公平だよー」
浩平「い〜やっ、これで良いんだっ!」
瑞佳「うーー」
浩平「きーーー」
瑞佳「うーーーー」
浩平「くかーーーーー」

俺達の威嚇は暫く続いた

そして、
浩平「・・・・・・・」
瑞佳「・・・・・・・ぷ、」
浩平&瑞佳「ぷはははははーーーーっ」
二人そろって笑い出してしまった
瑞佳「あはははは、久しぶりに楽しかったねー」
浩平「そうだな」
これがお互いに肩に力のいらない二人の関係何じゃないだろうか?
きっとそうだ
これからも俺と長森は、仲の良い幼なじみの関係でいられる
俺はそう確信していた
浩平「さてと、そろそろ帰ろうか」
瑞佳「待って、まだ私のお願い聞いてもらってないよー」
浩平「何だ、何をすれば良いんだ?」
俺にそう、聞かれて長森は
瑞佳「うん、・・・・・浩平の・・・・素直な気持ちを教えて欲しいの」
ほんの一瞬躊躇したが、ハッキリとそう言ってくれた
そうだな、ケリつけなきゃな
だから、俺も
浩平「・・・・・長森、俺達は、これからも、仲のいい“幼なじみ”でいような」
これが俺の嘘偽りのない回答だった
恋人では決してない、それは世間一般で言う『お友達でいましょう』と言う意味だった
瑞佳「うんっ! そうだね」
長森も、笑顔で答えてくれる
完全に立ち直ってくれたのかな?
浩平「じゃ、今日はこれでお別れだな」
瑞佳「そうだね」
浩平「・・・長森」
俺は、長森を呼び止めた
瑞佳「ん?」
浩平「その...がんばれよ」
瑞佳「うんっ! 私、浩平達には負けないもんっ!」
浩平「そうか?」
瑞佳「絶対に浩平より良い男見つけて、里村さんを後悔させてやるんだからー」
浩平「それは楽しみだな」
瑞佳「絶対に、浩平達に自慢してやるもん」
浩平「よ〜し、いつでもかかってこい、返り討ちにしてやる」
瑞佳「約束だよ」
浩平「おう、約束だ」
瑞佳「じゃ、」
浩平「あぁ、気を付けて帰れよー」


――――――――――――


浩平「と、言う訳なんだ」
俺は、茜に全てを話した
茜「・・・・・・・・・・」
茜は、聞き終えるとなにやら真剣に考え始めてしまった
浩平「茜?」
茜「浩平、ひどいです」
えっ!?
浩平「ど、どう言うことだ?」
俺には何がなにやらわからなかった
茜「だって、長森さんとの決着は付いたのに、それでも長森さんのことを考えてるなんて......私たちを天秤に掛けましたね」
浩平「なっ!  そ、そんなこと無いぞっ」
茜「浩平、信じてたのに....やっぱり、体が目的だったんですね」
浩平「茜えぇぇ〜〜〜〜」
端から見る俺はかなり情けなかったと思う
茜「(クス)っと言うのは冗談です」
浩平「へ?」
俺は、かなり間の抜けた声を出してしまった
茜「幼なじみとして、長森さんの今後の行く末を考えること、当たり前のことです」
微笑みながら、そう言ってくれる茜
それは、つまり今の俺の悩みの絡んでいる部分を解きほぐしてくれた一言だった
浩平「茜...」
茜「私だって、詩子のことはいつも心配してますから」
浩平「・・・ありがとう」
茜「はい、」
茜は、言下に『どんな事があっても、あなたには私がいます』そう言ってくれているのだ
俺は、茜の底抜けの優しさに涙があふれそうになった

茜「でも、私も女です。 長森さんには負けません」
唐突に茜がそんなことを言う
浩平「へ?」
茜「浩平を諦めたこと、長森さんに後悔させてあげます」
ちょっぴりムキになりながらこんな事を言うあたり、やっぱり茜も普通の女の子なんだなーと思った
浩平「そ、そうだな、長森にも『返り討ちにあわせてやる』って言ったしな」
茜「はい、ですから....」
そう言って、茜は目を閉じてくれた

そして
星降る夜に、俺と茜の影が重なった


――――――――――――――――――――――――――――――Fin
ども、かなりお久しぶりのばやんです〜。
ちなみに、今回後書きが長いので暇な人以外は読み飛ばすことをお薦めします(爆)
真希「こんばんは、強引にアシスタントをやらされている広瀬真希で〜す
いや〜、実に久しぶりの投稿になっちゃったねー
真希「きっと、みなさんあんたの事忘れてるわよ」
ぐさっ
うぅ、僕だって何かと忙しかったのっ!  今回だって、今日中に投稿するために、自分で完全に納得する前に終わらせちゃったし....今回のSSはかなり未練が残ってしまったな〜(泣)
真希「なんで、今日中に出したかったの?」
いやー、人づてに聞くところによれば、明日は長森さんの誕生日らしいんだよ。 で、前々からこう言うの書いてみたかったから、急いで間に合わせたんだ
真希「こう言うのって?」
『長森エンドではない場合の、長森さんの救済計画〜』っと言うのだ
真希「そんなの、あっさりと住井君とくっつけちゃえば良いんじゃないの?」
ふっ、甘いな、住井は浩平と似すぎている、その住井とくっつくと言うことは、すなわちまだ、浩平に未練があると言うことにならないか?
真希「うっ、じゃ、じゃあ、『最後の思い出』とか言って、18禁でさっぱりと終わらせちゃうとかー」
あのなー、18〜19の若者がそんな事して見ろ。 絶対に、三流ドラマみたいな泥沼の三角関係になっちゃうぞ
真希「うっ、」
一応、僕だって無い知恵搾ったつもりなんだからな
真希「はいはい、それにしても、初めの重さに比べて、ずいぶんと軽く終わらせたわね」
ふっ、“軽いだけ”は、良いんだけど、“重いだけ”の話なんか、僕は嫌いだ
真希「いや、あんたの趣味聞いても仕方ないんだけど...」
良いんだよ、どうせ、趣味で書いてるんだから
真希「・・・・・・・・・で、話は変わるけど、あんたにしては珍しく格好つけた題名だけど...」
あぁ、これはパクリだ
真希「なにいぃぃーーーー、あんたパクリは作家としてやってはいけないことのNO1だと言うこと知らないのっ!?」
心配するな、題名だけだ
真希「本当?」
僕だって、SS作家としてのプライドがある、話のパクリなんか死んでもやるかっ
真希「ふーん、で、何からパクって来たの?」
ふっふっふ、それは内緒♪
真希「こら」
ふっふっふ、じゃあ、ヒントを少しだけ。 茜のテーマ曲『虹を見た小径』と何処かで関連性があります(^^)
真希「それだけじゃわかんないわよ」
しょうがないなー、じゃ、僕のHPで答えを載せておくよ。HPにもこのSS載せて置くから、その後書きの所にでも載せておくよ
真希「さりげなく宣伝やったわね」
はっはっはっは、それではっ!(ダッシュ)
真希「こら、待ちなさーいっ!」(追いかける)

※すいません、今日は感想書いてる暇ありませんでした(泣)
 ですから、こんな薄情者に無理して感想書く必要はないですよー(笑)
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Dice/3821/