剣技修行 NO.2 投稿者: 火消しの風
背後から感じた気配が俺の視界を暗闇にさせた。
「えへ、だーれだ?」
「ふう、よかった。」
「え?何が?」
「いや、なんでもない。」
「ねえ、浩平、図書室に行こうよ。」
「図書室?別にいいけど、でもまたなんで?」
「ふふ、浩平に見てもらいたい本があるんだ。」
「わかった・・・その前にそろそろ目隠しといてくれるか?」
「あ、ごめん。」

長森はあわてて俺の目から手をどけて俺の正面に出た。

「さ、行こう?」
「おう!」

俺達は図書室に向かった。
図書室についたが図書委員が一人いるだけであとは
誰もいなかった。
俺達が中に入って行くと図書委員の女の子が話しかけてきた。

「ご休憩ですか?お泊まりですか?」
「それじゃ、見物で。」
「覗きですか、三千円いただきます。あの部屋がよく覗けてって、
 ちがうでしょ!!ここは図書室ですよ!」
「お前がつっこんでどうすんねん!」
「失礼しました、ご自由にお読みください。」
「どうも。」

俺達は奥に進み机に座った。

「長森、読んでもらいたい本て、どれ?」
「ちょっと待っててね、今持ってくるからね。」

長森は本を探しに行った。
しばらくして手に本を持って帰って来た。

「浩平、これだよ、読み終わったら感想聞かせてね。そんなに
 長くないからすぐに読み終わると思うから。」
「ああ、わかった。どれどれ、最初の本はこれだな。」

本の題名には、嘘という名の駆け引きと書いてあった。

「どれどれ、・・・・・・」

読むこと二分俺は本を閉じた。

「どうだった?」
「んー、主人公がかわいそうなんだけど柚木の最後のセリフが
 なんかいいな。」
「あ、やっぱり?私もそこおもしろかったんだ。あと、この本も
 読んでみて。」
「どれどれ、・・・・・・・」

次の本の題名には、アルテミスと書いてあった。
読むこと八分俺は本を閉じた。

「どう?」
「うっ、泣けるぜ、FARGOを俺は許せん!俺がこの本に
 入って全員叩きつぶしてやるぜ!」
「浩平、気持ちはわかるけどそんなこと無理だよ。」
「まあな。さて、そろそろ帰るか?」
「うん、そうだね。」
「ひさしぶりにおもしろい本を読ませてもらったよ、ありがとう。」
「うん。」

俺達は図書室を出て学校を後にした。

家につくと俺はコンビニで買ってきた夜ご飯を食べて、
トレーニングを開始した。

「・・・重力錠、両手、両足解放。」

俺の両手と両足は光を放ち光が消えた瞬間軽くなった。

「ふう、いつもながらこれは辛いぜ、さてと・・・」

いつも通りトレーニングを開始したが今日の出来事が頭から離れなく、
集中できなかった。俺はトレーニングをやめて寝ることにし、布団に入った。

「・・・あんなやつが学校にいたとは、あいつが負けるとは思わなかった。」

俺はしばらくそんなことを考えながら眠りについた。

ガシャ!

「浩平、起きて!修行よ、修行!」
「ん、長森、まだ早いからこのまま眠らせてくれ・・・」
「私は七瀬よ!」
「んー、ん?う、うわっ!な、何でお前が俺の部屋に?」
「そんな細かいことはどうでもいいから修行!」
「細かくない!まったく、こんな朝っぱらからなんかやだよ、おやすみ・・・」
「こら!寝るな!えい!」

ゴン!

「いて!何すんだよ!」
「寝るのが悪い!」
「まったく、じゃあ、ほら、この辞書をあっさり引き裂いてくれ。
 腕力を鍛える修行だ。」
「何よこんなの。」

ビュワビュワビュワ!

「できたよ。次は?」
「・・・俺、そんなことできないんですけど。」
「だから?」
「俺より強いから教えることはない。」
「じゃあ私と戦ってよ。」
「別にいいけど。」

俺達は近所の空き地に移動した。

「本気でいくよ!」
「お手柔らかに。」
「はああああ!メタルブレード、レベル二十八!」
「ふう、二刀クリスタルブレード、レベル一。」

カキーン!
俺は七瀬の攻撃をはじく以外はしなかった。

「はあ、はあ、さすがね。」
「どうも。」
「ねえ?最強の剣技を教えてくれない?」
「え?無理だな。」
「なんで?」
「お前、フリーズブレード使えるか?」
「うん、レベルは大体・・・四百二十前後くらい。」
「足りないな、せめて八百位は使えないと。」
「八百!そんなに?」
「おう、まあ、ちょっと見本見せてやるよ。」

俺は岩の前に立ち気合いを込めた。

「はあああ!モーメントフリーズブレード、レベル一!!」

シュッ!シャキーン!サーーー
俺の前にあった岩は氷の粉末に変わった。

「ふう、まあ、こんな感じか。」
「・・・すごい、こんな技をやられたらひとたまりもない。」
「まあな。」
「これって防げるの?」
「まあ、メギドブレードを使えばなんとかな。」
「・・・そんなの初めて聞いた。」
「そうか。」
「あんたは大体レベルどの位使えるの?」
「うーん、今の状態だと、七百五十前後ってとこだな。」
「・・・・・」
「ま、別にこの技が最強じゃないけどね。」
「え?そうなの?でもあいつは最強の剣技みたいなこと言ってたじゃん。」
「確かに表ならな。」
「ふうん・・・」
「さて、学校行こうぜ?」
「そうだね。」

俺達はそのまま学校に向かった。

「ところで、七瀬 、あいつらが言ってた地位って?」
「あ!あれね、私は渡す気ないわよ、あいつらに負けた訳じゃないもの。
 それにあの優男は無理だし。」
「その地位って?」
「女剣道部部長よ。」
「・・・そんなことのために。」

俺は呆れながらも授業を真面目に受けることにした。
しばらくたいくつな時が流れてやっと放課後になった。

「さて、帰るか。」
「私は部活行こうっと。」
「あんまり部員いじめるなよ?」
「誰がじゃい!」

俺は七瀬とわかれ長森の所に行った。

「長森、帰ろうぜ?」
「ちょっと待ってね?私掃除当番なんだ。」
「そうか、わかった。」

俺はしばらく時間をつぶすことにした。

一階の廊下をぶらぶら見物するように歩いていると昨日の男が
掃除をしていた。

「あ?どうも、こんなところで会うなんて奇遇ですね。」

この男の態度があまりにも自然なんであっけにとられた。
だがすぐに身構えた。

「・・・・・」
「やだなー、何もしませんよー、そんなに警戒しないでくださいよ。」
「そんなこと言われても昨日が昨日だったからな。」
「そう言われればそうですね。」
「ま、その気はないようだがな。」
「そういうことです。」

俺はその場から立ち去り長森のところへ戻った。

「終わったか?」
「うん、帰ろ。」

俺達は教室を出て学校をあとにした。
帰り道、あの男のことについて長森に聞いてみた。

「一年生で背が浩平より小さくて髪型が浩平みたいでなんとなく優しそうな
 雰囲気でえら呼吸で息してる人?」
「ちょっと待て、えら呼吸は言ってないぞ。」
「えへへ、間違えちゃった。」
「おいおい・・・で、知ってるか?」
「うーん、わかんない。」
「そうか。」
「あ、でも、一年生に変わった子がいるっていうことは聞いたことあるよ。」
「変わった子?」
「うん、なんでも女の子が嫌いとか憎んでるとかいう噂だよ。」
「それって、同性愛とかそういう類か?」
「そのうわさは聞いてないけど。」
「そうか、ありがとう。」

おそらく長森の話しは違う人の話しだろう。
女を憎んでいたらあの三人組を助けたりしないだろう。
そんなことを話しているうちに家についた。
家につき二時間位寝ていると七瀬がやってきた。

「浩平!修行よ、修行!」
「はいはい、わかりましたよ。」

俺は七瀬の修行の相手をして今日を終えた。



火消し「読んでくださった方、どうもありがとうございます。
    それでは感想などを少し・・・

  まねき猫殿・・・なんかほのぼのといい感じですね。みさおもいるし、
          満足です。
   神凪了殿・・・住井くん、いいやつですね。わたしも最悪な結果に
          ならないことを心より祈っております。     」

火消し「と、いうわけで失礼します。」