黒の代行SS 投稿者: 火消しの風
俺が消えてから5年が過ぎ、いくつもの季節を越えて俺は再び戻ってきた。
しかし、捜しものは見つからなかった。その理由を考えたが理由すら
見つからなかった。もう、探すのはやめようと思ったときに出した答が、
この世界に帰ってくることだった。
今、俺はある喫茶店の前にいる。俺は少し抵抗を感じながらも
店の中に入っていった。

 チリリーン、
「いらしゃいませ!」

入るとそこには瑞佳の姿があった。
俺の記憶の瑞佳と若干ちがうがそれでも昔と大差はなく
すぐにわかった。
俺が顔を合わせると瑞佳は店の中に案内してくれた。

「こちらの席へどうぞ。」
「ありがとう。」
「これ、メニューです。お決まりになったら声をかけてください。」

俺はメニューを受け取りページをめくってみた。
 コーヒー
 メロンソーダ
 キムチソーダ

「・・・まだ、あったのか。」

俺はこのメニューを一通り見てコーヒーを注文した。
しかし、以外とかわらないものだなと思い、店の中を見回した。
しばらくすると瑞佳がコーヒーを持ってきた。

「どうぞ、ご注文のコーヒーです。ごゆっくりどうぞ。」

窓の外を見ながらゆっくりコーヒーを飲んでいると、
瑞佳が隣に座って話しかけてきた。

「あの、私の話、聞いてもらえますか?」
「ああ、かまわないよ。」
「ありがとうございます。それでは・・・」

瑞佳は目をつぶり話を始めた。

「私の5年前の話です。」
「・・・」
「私は5年前にとても悲しい思いをしました。今まで生きた中で
 一番悲しい思い出です。それは一番大切な人と同じ時間を
 おくれないということです。」

瑞佳は目を開けて俺を見た。
その視線はとてもまっすぐに俺を見ていた。

「・・・そういうことか。もういい、何も言うな・・・」
「うん・・・まだ言ってなかったね、・・・おかえり。」

どう答えていいものかと悩んだ俺だったが瑞佳の
笑顔を見ていると自然とこう言った。

「ああ、ただいま。」

瑞佳は涙をぼろぼろ流して俺に微笑んでくれた。
俺はそれを見ていると自分の探しているものがここに
あるように思えた。
そして俺はもう一度ここで始めてみよう、捜し物は
みつかるまで放っておこうと思った。
必ずみつかるだろう、これからの限られた時間の中で・・・


火消し「どうも、お久しぶりです。このSSは黒に頼まれたので
    書きました。読んでくださった方々ありがとうございました。
    それでは感想などを・・・」
    
    ひろやん殿・・・とてもあったかいSSに感じました。最後の
            信じるという言葉がとても印象に残りました。
 PELSONA殿・・・住井がとてもいいやつだなと思えました。
            茜に裏腹の言葉を言う柚木も良かったです。
    WTTS殿・・・全部の曲を知らないんでうまく合致できないん
            ですがとてもうまくつながっていると思いました。
 変身動物ポン太殿・・・瑞佳がとてもいいと思います。最後のあたりなんか
            これがまた大好きなんですよ、ああいうお話。
            黒に見せてあげたいですよ。
    雀バル雀殿・・・七瀬の思いがとても心にしみました。
            A・B・Cもなんか面白いです。
            後編も期待してます。
    スライム殿・・・3人のやりとりがとても面白かったです。
            今後どのようになるのか楽しみです。

火消し「さて、そろそろ失礼します。TGSに行こうかな?」
茜「まだ早いです。」
火消し「いつだったっけ?」