新しい生活 NO.4 投稿者: ブラック火消しの風
ブラック火消しの風「よろしければお読みください。」
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浩平「あの、どっちが悪いのか、わからないけどとりあえずごめん。」
みさき「あううっ、私の方こそ、ごめんなさい。」

 相手はふらふらしながらあさっての方向におじぎをしていた。
 そして、足がもつれたのか、階段の方向に倒れかかった。
 ガシッ・・・俺は倒れかかる女の子を受け止めた。

浩平「あぶないぜ。」
みさき「あ、・・ありがとう。」
浩平「いや、ふらふらしてるけど大丈夫だった?」
みさき「ちょっと、大丈夫。」
浩平「ちょっと?・・・」
みさき「こ、これから屋上に行くとこだったんだ。」

 彼女は俺からはなれ手探りで屋上の入り口を探していた。

浩平「・・・そうか、だから、前、見ながら・・・あの、俺、これから
   屋上で夕日でも見ようかな、と思ってたんだけど一緒に行かない?」
みさき「・・・・・・うん。いいよ、行こう。」

 俺は彼女の手をとった。

みさき「あ・・」
浩平「ん?何?」
みさき「ううん、なんでもないよ。」

 彼女は俺の手を強く握った。
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浩平「さあ、ついたよ。ううーん、いい風だ!」
みさき「うん、気持ちいい風だね。」
浩平「まだ、夕日には早いな。」
みさき「そうなの?」
浩平「おう、まだ青い空だぞ?」
みさき「青い空、か。」
浩平「あのさ、・・・名前とか聞いてもいいかな?」
みさき「私は3年の、川名みさき。」
浩平「え?3年?じゃあ、先輩なのか。てっきり一年かタメかと・・・」
みさき「ひどいよー、これでも3年生だよ!」
浩平「ごめん、ごめん、あっと、俺2年の折原浩平。一応今日この学校
   初めて来たんだけど、そんなあつかいされてないんだな。」
みさき「ふーん、そう、・・・声よく似てるかな?」
浩平「へ?だれと?」
みさき「前に、ここによく来てた人と。」
浩平「ふーん。ところでこの学校は・・・」

 俺はこの学校のことをいろいろ聞いて夕日までの時間をつぶした。
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浩平「あ、先輩、少しづつ夕日に。」
みさき「ほんとう、きれいだよね?」
浩平「うん、でも100%まであとちょっと。」
みさき「そうなんだ・・・浩平くん、一つ聞いていい?」
浩平「うん。いいけど。」
みさき「なんでここで夕日が見れるって思ったの?」
浩平「学校の屋上は高いからよく見えるかなっと思って。」
みさき「ふーん、そう・・・さて、私、そろそろ帰るね。」
浩平「うん。また、できたら、一緒に見よう?先輩。」
みさき「うん、いいよ。じゃあ、またね。」

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 やがて夕日が闇夜にかわった。

浩平「7時、か?おなかすいたかな・・」

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 ダッ、ダッ、ダッ
 誰かが走って屋上にやってくる音がした。

瑞佳「はあ、はあ、浩平、はあ、ここにいたんだ、心配したんだよ?」
浩平「・・・ごめん。帰り道、忘れちゃって・・・」
瑞佳「うそ、・・はーあ、なんで?。」
浩平「だからさ、帰り道がさあ、帰る場所が・・・」
瑞佳「・・・泣いてるの?」
浩平「そんなはず、な、ない・・・・俺の帰る場所、思い出せないんだよ
   なんでかな?いくら考えても、何もないんだ。俺の記憶に思い出が
   ないんだ。まるで作られた話を覚えさせられたような記憶しか。」
瑞佳「・・・・・・」
浩平「だからさ、俺は、俺は!・・・自分を語ることができないんだ!
   楽しかったこと、悲しかったこと、笑ったこと、泣いたこと・・・
   俺だって、大切な思い出があったはずだ。どんな形だとしても・・・」

 瑞佳は俺を抱きしめやさしく語りかけた。

瑞佳「私も、浩平に覚えていてもらいたかった昔の約束があったんだよ?
   でもね、そのことよりも私は、今を大切にしたい。過ぎたことよりも
   これから来る今を・・・」
浩平「長、森・・・」
瑞佳「ね?ゆっくり思いだそう、今を大切にしながら・・・」 

 瑞佳はやさしく微笑んでいた。

浩平「ありがとう、俺も、そうするよ。」

 そういうと、瑞佳はそっと唇を重ねてきた。

浩平「!?」

 このぬくもり、前にもあったような、前にも・・・

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ブラック火消しの風「読んでくれた方、感想くれた方、どうもありがとうございます。
          まねき猫様・・・毎回読んでいただいてありがとうございます。
          実は、黒い心の炎なんですけどハードディスク再インストール時に
          間違って、消えてしまったんです。すいません。申し訳ないです
          けどよろしければこれからもお読みください。今後は読んで
          いただいてる方にこのようなことがないようにします。
          本当にすいませんでした。それでは失礼いたします。」