新しい生活 NO.3 投稿者: ブラック火消しの風
ブラック火消しの風「よろしければお読みください。」
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浩平「(みさお?みさ・・み・・・)」
 目にした少女は知っているかと思ったが・・・知らない。
 本当に知らないのか?
瑞佳「浩平君?」
浩平「(誰だ、俺のこと呼んだか?)」
瑞佳「浩平君!」
浩平「(誰の声だ・・・知らないな。)」
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 目をあけた・・・寝ていたようだ。
瑞佳「あ!・・・浩平、君。浩平君!」
 起きるなりいきなり女の子にだきつかれた。
浩平「わ!・・・あの・君、誰?」
瑞佳「え!?」
浩平「俺なんでここに寝てるんだ?君の家か?」
瑞佳「え、どうしたの?私だよ?」
 しばらく考えたが知らない。
浩平「人違い、じゃない?」
瑞佳「違うもん、だってあなたの名前は折原浩平君でしょ?」
 俺の名前?・・・確かにそうだ。
浩平「うーん、でもなあ、もしかして・・・知らん。」
  ベッドから出た。知らない部屋だ。
浩平「ここの家の人でしょ?なんで俺がここに寝ていたのか知ってる?」
瑞佳「風邪でかな。」
浩平「そうなの、・・・ありがとう。」
 さて、どうしたものか・・・とりあえず人の家から出ないと。
瑞佳「どこに行くの?」
浩平「どこにって、家に・・・家?俺の家?どこだっけ?」
瑞佳「ここだよ。」
浩平「冗談、俺、この部屋しらないもん。」
瑞佳「どうしちゃったの?」
浩平「そういわれても、わかんないよ。」
瑞佳「・・・ちょっと待ってて、さとみさん呼んでくるから。」
浩平「いや、もう帰るから、あ。」
 行ってしまった。・・・彼女、俺のこと本当に知ってるのかな?
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 しばらくして、エプロンをつけた女性とさっきの女の子が入ってきた。
浩平「おはようございます。お世話になったみたいで、すいません。」
さとみ「うーん、冗談じゃないみたいね。」
浩平「はて?」
瑞佳「はい。」
さとみ「これからいくつか質問するから正直に答えてね?」
浩平「はあ、いいですけど。」
さとみ「あなたの名前は?」
浩平「・・・折原浩平です。」
さとみ「家族の方は?」
浩平「・・・父、母ともに行方不明です。」
さとみ「妹は?」
浩平「妹はいません。」
さとみ「人違い、なのかしら?」
浩平「多分そうですよ。」
瑞佳「そんなはずないよ、私、わかるもん。」
浩平「何がわかるの?」
瑞佳「・・・なんとなくだけど。」
 何が言いたいのだ、この方たち。何、言われようと知らないのに。
浩平「もう、いいですか?帰っても。」
さとみ「・・・どこに?」
浩平「どこって、家に・・・家?」
 俺の記憶に自分の家はなかった。ただ、そのことを考えると頭の中が
 白くもやもやした。家がないはずないのになぜ知らないのだろう・・・
さとみ「どこに家、あるの?」
浩平「・・・わからない。」
 今の俺にはそう答えるしかなかった。
さとみ「じゃあ、思い出すまでここにいてもいいわよ。」
浩平「え、でも。」
さとみ「いいから、いいから。そのうち思い出すわよ。」
浩平「それじゃ、思い出すまでお願いします。それからあなたがたの
   名前を教えてください。」
さとみ「森倉さとみ・・・」
瑞佳「長森瑞佳・・・・・・」
浩平「俺は・・・知ってるみたいなんでパス。」
さとみ「この部屋、長森さんと仲良く使ってね?」
浩平「え!長森さんと、あ、あのよろしく。」
瑞佳「うん。」
さとみ「私は、仕事に戻るわね。瑞佳ちゃんいろいろ教えてあげてね。」
 さとみさんが出て行き二人だけになった。
浩平「あのさ、名字が違うけど家族じゃないの?」
瑞佳「うん、ちょっとここにいさせてもらってるの。1ヶ月位まえからだけどね。」
浩平「そうなんだ。」
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瑞佳「浩平君、ちょっと左の腕見せてくれない。」
浩平「え?なんで?」
瑞佳「ちょっとね・・・」
浩平「・・・ああ、かまわないが。」
 腕を見せた。
瑞佳「・・・この傷は?」
浩平「え?あ、なんの傷だろ、こんなのあったかな?」
瑞佳「おぼえてない?」
浩平「さあ、ちょっと・・・」
瑞佳「そう・・・」
浩平「あのー、もう寝てもいいかな?なんか眠くて。」
瑞佳「え、うん。私は仕事手伝ってこなくちゃ。」
 布団に入り寝た。
浩平「おやすみ。」
瑞佳「おやすみ、浩平君。」
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 カシャッ
浩平「くっ、ま、まぶしい。」
瑞佳「朝だよ、起きて。」
浩平「???、朝?」
瑞佳「うん、おはよう。」
浩平「おはよ。」
 下に案内され朝御飯を食べた。
浩平「ごちそうさま。さて、寝るか。」
さとみ「何言ってるの?学校行くのよ、学校。」
浩平「学校?俺が?」
さとみ「そうよ、瑞佳ちゃん案内してあげてね?」
瑞佳「はい。」 
 俺は部屋にあった制服に着替えさせられ学校に向かった。
浩平「長森さん?この制服誰の?いいのかな着ちゃって。」
瑞佳「絶対いいよ。」
浩平「・・・そう。(少し意味不明?)」
 学校につき、教室に案内してもらった。
 ざわざわ、
浩平「おっ、初めての学校だ無理もないか。」
 しばらくすると青い髪の女生徒が俺の前の席についた。
浩平「あいさつでも、・・ねえ、おはよう!?」
七瀬「おはよ。」
浩平「あれ?おかしいな?もう一度。・・おはよう!!」
七瀬「くっ、おはよ!」
浩平「うーん、・・・気づいてないのかな・・・最後に・・超おはようー!!!」
七瀬「うるさいわね!一度言えばわかるわよ!!」
浩平「あ?振り向いた。どうも初めまして。」
七瀬「なに言ってるの?1ヶ月位来なかったくらいで。」
浩平「あれ、俺のこと知ってるの?」
瑞佳「七瀬さん、ちょっと・・・」
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浩平「あ、戻ってきた。」
七瀬「ふーん、記憶が、ねえ。」
浩平「・・・・・」
七瀬「私、七瀬留美。」
浩平「俺、折原浩平。」
七瀬「折原君、この学校は初めての生徒でも初めてあつかいしないから
   わからないことがあったら私たちに聞いて。」
浩平「あのー、呼び捨てにしていいから、呼び捨てにさせてもらうよ。」
七瀬「・・・まあ、いいわ。」
 キーン、コーン、カーン、コーン
 チャイムがなり授業が始まった。
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 キーン、コーン、カーン、コーン
 授業が終わり昼休みになった。
浩平「・・・・・・」
瑞佳「浩平、君・・・」
浩平「呼び捨てでいいよ。」
瑞佳「うん・・・浩平、おべんとう。」
浩平「ありがとう、長森。」
 弁当を食べ終えてから屋上につれていってもらった。
浩平「ふー、いい風だ。」
瑞佳「うん。」
浩平「・・・俺さ、なんか長森のこと昔から知ってるような馴染み、みたいな
   感覚があるんだけど・・・気のせい、かな?」
瑞佳「気のせいじゃ、ないと思うよ。」
浩平「そうか、ありがとう。」
 この感覚・・・この白い記憶はいったいなんなんだ。考えても白い空白の世界が広がる。
 ここにあるのか?何かあるのか?考えても何もない、この世界・・ここはとても寒い・・・
瑞佳「もう、行こう?」
浩平「・・・え?、ああ、そうだな?」
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 キーン、コーン、カーン、コーン
 今日の授業も終わり俺は屋上に向かった。
浩平「さて、夕日でも見て帰るかな?」
 ガン!!
浩平「痛ってー・・」
 見るとあっちも痛がっていた。前を見ながらぶつかるとは・・・
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ブラック火消しの風「読んでくれた方ありがとうございます。それでは失礼します。」