新しい生活 NO.2 投稿者: ブラック火消しの風
ブラック火消しの風「よろしければお読みください。」
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美香「よく寝れたかしら?」
浩平「はあ・・」
美紀「3日も寝てたんだもん、よく寝過ぎだよ。」
美香「こら、へんなこと言わないの。」
美紀「えへへ・・」
美香「ところであなたなぜあんな熱だしていて出歩いていたの?」
美紀「そうそう、60度はでてたよ。」
宏美「そんなに出てないでしょ?」
美紀「えへへ、そうでした・・・」
浩平「・・・・ちょっと・・・」
美香「そう、まあその体じゃ一人で帰るのは無理だと思うから家族に連絡しよう
   と思うんだけど・・・電話番号を教えてくれるかしら?」
浩平「いえ、それにはおよびません。一人で帰れますから・・・」
美香「そう?でもその熱じゃあ・・・」
 確かに・・・この頭痛、歩けるかどうかぐらいだ。
浩平「帰ります・・・どうも親切にありがとうございました。」
 俺は立ち上がり玄関へと案内してもらった。
浩平「それでは、失礼します。」
 俺は家を出た。強い頭痛がおそってくる。
浩平「3日寝ていて少しも良くならないとは・・・本当に病気なのか?」
 気合で歩いた。そして公園を見つけベンチに座った。
浩平「(この公園どこかで見たことあるな、どこかで・・・)」
 なぜかとてもなつかしい光景だった。だが思い出せない・・・
 考えても思い出せない。
美紀「あっ!お兄ちゃんみっけ。」
浩平「美紀ちゃんだっけ?」
美紀「うん。こんなところで何してるの?」
浩平「うん、ちょっとな?」
美紀「家、帰らないの?」
浩平「うん・・・俺、一人なんだ。」
美紀「家族は?」
浩平「家族は、・・・家族か・・いないな、俺には・・・」
美紀「・・・ごめん。」
浩平「別にいいさ・・・何年も前のことだ。もう・・・なれた。」
 俺は夜空を見上げ聞いた。
浩平「家族ってさ、やっぱりいたほうがいいのかな・・・」
美紀「うん。私もお父さん小さい頃死んじゃってお母さんと双子の宏美と
   いるけど楽しいな、いろいろあったりするけど。」
浩平「楽しい、か・・・」
 俺はもう何年楽しいという感情をもったことがないか・・・
浩平「美紀ちゃん、もう帰った方がいいんじゃないか?」
美紀「大丈夫、お兄ちゃんがそばにいるから。」
浩平「へ?お兄ちゃんって?」
美紀「えへへ、あなたです。」
浩平「俺?・・・お兄ちゃん、か。」
美紀「だめ、かな?」
浩平「いいけど俺、もう少ししたら行かなきゃ・・・」
美紀「どこへ?」
浩平「・・・どこだろう。」
美紀「なにそれ。」
浩平「あてがないのさ・・・俺には。」
 クラッ
 俺の体から力が抜け美紀にもたれかかる。
浩平「ご・め・ん。あ・頭が、痛くて・・・」
美紀「・・・み、美紀のひざでよければどうぞ?」
 俺は美紀ちゃんにひざまくらをしてもらい思い出した。
浩平「(以前にもあいつにひざまくらしてもらったことあったっけ・・・)」
 俺はあたたかい感触のなか眠りにつく・・・
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炎「・・・・・・・」
浩平「なあ、なんかさ、頭痛いんだけど・・・理由わかるか?」
炎「・・・・さあな。だがひとつだけ言っておく・・・病気じゃない。」
浩平「・・・そうか。わからないか・・・」
炎「おい、疲れたか?」
浩平「ああ、疲れた・・・」
炎「・・・・・・」
浩平「もう、行くわ・・・」
炎「おい!」
浩平「ん?」
炎「あの子と話てるお前・・・楽しそうだったな。」
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炎「お前の記憶消してやるよ、ちょっとづつな・・・そうすれば
  また楽しく生活できるさ、だからもう少し我慢しろよ・・・」
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ブラック火消しの風「読んでくれた方ありがとうございます。それでは失礼します。」