涙を越えて NO.8 投稿者: 火消しの風
シュン「よろしければ読んでくださいね。」
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 繭が泣き伏せてから数分が経つ。だが俺にはかける言葉が見つからなかった。
 俺は何も知らないから、繭がどれほどの悲しみかわからないから・・・
 だから、俺は見ているしかなかった。
 長森はどこまで探しに行ったのか、ここにはいない。早く来てほしいものだ。
「浩平。」
 遠くで俺を呼ぶ声がした。俺はその方向を見るとシュンがいた。
「シュン?」
 俺はシュンのもとへかけよった。
「なんだ?」
「あっちに狐がいたんだ、一緒に捕まえよう?」
「一人でやってろ!俺はそんなことしている暇ないんだ!」
「あの子の悲しみは他人に癒やせるものじゃない・・・独りにしておくんだ。」
「何!無視しろって言うのか?」
「うん。」
「なぜだ?」
「浩平はあの子が何で悲しんでるのかわかるのかい?」    
「ああ、自分の飼っていたペットが死んだからだ。」
「知っているのはそこまでだろう?思い出や、情は何も知らない。」
「・・・・・・・・」
「自分の悲しみは自分自身で越えなければならない・・・昔の君みたいに。」
「・・・・・・・・・・・・」
「それが解ることで大人になっていくんだ。だから行こう?」
「・・・そうだな。」
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「いいかい?ここでネット広げて待ち伏せしていてくれ。僕はここに追い込むから。」
「ああ、わかったって、俺は狐捕まえるなんて言ってないぞ。」
「いいじゃん、じゃあ、頼んだよ。」
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「ねえ、ねえ・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「そのままでいい、聞いててほしい。」
「・・・・・・・・」
「昨日、君に聞いたよね?君の涙にはどんな感情があるのかって?」
「・・・・・・・・」
「君の涙は悲しみの涙。」
「・・・・・・・・・・・・」
「君が泣いていて飼っていたペットが喜ぶと思うかい?・・・悲しみは越えなくちゃいけないんだ、
 自分自身で。」
「・・・・・・」
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・・・一緒に遊んだこの公園・・・私、とても楽しかった・・・
・・・私が、笑顔だったとき、みゅーも喜んでた・・・
・・・私泣くとみゅーも悲しい?だったら・・・
・・・みゅーを悲しませたくない、だから私もう泣かない・・・
・・・今までありがとう、忘れない、みゅーとの思い出・・・
・・・そしてさよなら、私の好きだった、みゅー・・・
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「ごめんよ、狐いなくなってたよ。」
「何!こんなに待たせて・・・そういうことか。」
「ん?なんだい?」
「まあいい、俺、帰るぜ。レース見なきゃ。」
「そう、またつきあってね。」
「やだ。」
「ははは、じゃあね。」
「さて、俺も行くか。」
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「あ?浩平、繭ちゃんは?」
「ああ、もう帰ったぜ、一人で。」
「ええ、一人で?大丈夫かな?」
「大丈夫さ、あいつはもう子供じゃない。たぶんな。」
「浩平がそう言うなら・・・」
「さて、帰るぞ、始まっちゃう。」
「うん。」
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シュン「読んでいただきありがとうございます。ところで火消しさん、今日どうでした?」
火消し「見事、5万すりました。あそこでエアグローブがくれば・・・うはははは・・・」
シュン「(5万も!・・・もうだめだ。)」
火消し「来週はがんばるぞ!」
シュン「そ、それでは感想を
     まてつや殿・・・とてもいいと思います。凶暴版よりいいかも。
      吉田樹殿・・・とてもいい話です。沢口君がとてもすばらしい人間
               だと思います。そんな友達、ほしいです。あと、茜の
               甘党の理由、おもしろいです。
   スライムベス殿・・・七瀬らしさがとてもよくでていていいです。
               七瀬がどういうふうになるかとてもたのしみです。
   GOMIMUSI殿・・・お母さんの言葉がとても深く心にきざまれました。さすがです。
シュン「それでは失礼します。」