黒い心の炎 NO.7,8,9 投稿者: ブラック火消しの風
ブラック火消しの風「短い間ですけど見かけたら読んでください。」
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浩平「ククククク。バイバイ。」 
 ナイフを首筋にもっていった。
 ガシッ!!
 誰かが腕をつかんでいる。
瑞佳「だめだよ!浩平、それは、やっちゃいけないことだよ。」
浩平「・・・離せ。」
瑞佳「いや、この手を離したら、この手を離したら長い間、浩平とあえなくなるもん。
    私、いやだよ、そんなの、絶対に。お願い、やめてよ浩平・・・お願い。」
 そう言うと、瑞佳は俺に抱きついてきた。
浩平「・・・この腕の水滴・・・・・」
 俺の心から何かが抜けていく、何かが。
 俺は手に持っていたナイフを離した。健を見ると気絶していた。
瑞佳「ありがとう・・・ありがとう。」
 そして俺と瑞佳はその場を立ち去った。
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瑞佳「腕の手当をしなきゃね?」
浩平「・・・・・・・・・・・・・・・」
 裏庭に行き芝生の上に座った。
瑞佳「傷、みせて。」
浩平「・・・・・・・・」
 瑞佳は俺の手をとった。
瑞佳「まだ血出てるよ!ちょっと待っててね。」
 瑞佳は走って保険室のある方へと向かった。
浩平「たしかにこの傷は・・・痛いな。」
 血が腕をつたって手におりてくる。
浩平「なんでこんなことしたのかな・・・」
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 しばらくして瑞佳が戻ってきた。
瑞佳「はい、腕だして。」
浩平「・・・・・・・・」
 俺は腕を前に出した。
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瑞佳「これでよし。でも完全じゃないからあとでおばさんに
    診てもらった方がいいよ。」
浩平「・・・・・・・あり・・・・がとう・・・・」
瑞佳「え?うん!」
 瑞佳は今までにない笑顔で返事をした。
瑞佳「・・えへ、バイトにいこうね。」
浩平「・・・・・・・・・・・・・・・・ああ。」
瑞佳「えへへ・・」
 俺たちは家に向かった。
浩平「ただいま。」
さとみ「おかえり。さっそく仕事に、あら?どうしたのその手?」
浩平「ちょっと。」
さとみ「もしかして・・・」
浩平「・・・・・・・・・・・・・・」
さとみ「ふぅ、いいわ、ちょっと診せて?」
浩平「すいません・・・」
 包帯をとり傷を見せた。
さとみ「・・・この傷・・・刃物ね?」
浩平「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
さとみ「もしかして、相手をこ・・」
瑞佳「実はさとみさん・・・」
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さとみ「そう、そういうわけだったの。浩平君、その傷じゃ仕事は無理でしょう、
     今日は私と瑞佳ちゃん二人でやるから部屋で休んでなさい。」
浩平「すいません。」
 俺は部屋に戻りベッドによこになった。
浩平「なにをやっているんだ俺は・・・」
 考え事をしているうちに眠っていた。
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瑞佳「さとみさん、今日の浩平君は様子がいつもと違っていました。
    まるで別人みたいでした。」
さとみ「そう、また・・・」
瑞佳「またって、むかしにも同じようなことがあったんですか?」
さとみ「ええ、浩平君があなたと出会う前にね。」
瑞佳「そうですか・・・浩平君むかしになにかありました?浩平君から、たまに
    他人に対する憎悪のようなものを感じるんですけど・・・」
さとみ「・・・・・・浩平君はやさしい子だったの、あの出来事があるまではね・・・」
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浩平「みさお!何でこんな形で・・・・」
さとみ「うそ・・・」
 そこにあったものはみさおの肉塊だった。
浩平「やっと、やっと会えたと思ったのに・・・なぜだ!なぜなんだ!」
親戚のおじさん「みさおちゃんは肺を病んでいたんだ。ところでさとみさんでしたっけ、
           あとのことはよろしくお願いします。」
さとみ「え?!ちょっと待ってください。おたくの家であずかっていたのですから
     あなたが最後までやるのではないのですか?」
親戚のおじさん「なにか、引き取るのがいやともうしますか?」
さとみ「そういうことではなくあなたにあずかった責任というものがないのかと言ってるんです。」
親戚のおじさん「私のほうもいろいろ忙しいものでそんなことをしている暇がないのです。」
さとみ「それって、あまりにも無責任すぎます!!」
親戚のおばさん「あなた、もう、行きましょ。疲れたわ。」
親戚のおじさん「ああ。それではそういうことで。失礼。」
 親戚の人が出ていき部屋に知らないおばさんが入ってきた。
親戚の家の隣のおばさん「私、川島文と申します。実は二人に教えておきたいことが。」
 そして、そのおばさんに聞いた真実・・・・・・・それはみさおが今まで受けてきた仕打ちだった。
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親戚のおばさん「ほら!早くやってしまいなさい!ぐずなんだから。それ終わったら庭の
           掃除ね!そのつぎは・・・・・」
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親戚におばさん「まったく、兄さんも困ったもんだわ、こんな子残して死ぬなんて、迷惑かけすぎよ。
           いい?みさお、中学校までは義務教育だから居させてあげるけど、卒業したら
           出て行きなさい。」
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親戚のおばさん「なに?胸が苦しい?何言ってるの、バカなこと言ってないでさっさと買い物に行きなさい!」
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 その後も胸が苦しいなか無理に働かされ、ある日吐血し入院したらしい・・・その時点で病状は重く手遅れだった そうだ。
 みさおが入院している間、文さんは毎日つきそってくれたそうだ・・・一人で。
 そして入院費を出してくれたのも文さんだそうだ。
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文「みさおちゃん・・・実はみさおちゃんはあと一週間の・・・」
みさお「そう、ですか・・・」
文「・・・・・・・・・・・」
 みさおは泣かず、どっちかというと安心した表情だったという。
みさお「わたし・・・もう、つかれちゃった。早くお母さんたちのところにいきたいな・・・」
文「みさお、ちゃん・・・」
みさお「お兄ちゃんはどうしてるのかな・・・会いたいな・・・最後に会いたかったな・・・」
 そして名前をもとに調べ手紙でそのことを伝えたが、僕たちが来たときにはもう、かえらぬ人となっていた・・・
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浩平「これが、同じ人間のすることなのか・・・ククク、そういうことか他人を信用すればうらぎられる。
    みさお?教えてもらったよ・・お前の憎しみ俺が受け継ぐ!ククク、俺の心に、もうやさしさなんて
    必要ないんだ。俺はこの日を一生忘れない!!俺は自分しか信用しないさ・・これからな!」
さとみ「浩平・くん。」
 浩平はその日、ずっと泣きながら笑っていた。
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 妹の葬儀のときも彼は涙をださず座っているだけだった。
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さとみ「・・・彼にはこういう過去があったの。」
瑞佳「・・・・・・・・・・・・・・」
さとみ「そのあとからね、彼の性格にとげが出てきたのは。すごかったのよ。
     でも、彼からつっかかっていくわけじゃないの。彼にちょっかいだす人たちだけね。
     だけど、やりすぎるのよ。謝ってるのにかまわず暴力をふるう。」
瑞佳「・・・・・・・・・・・」
さとみ「あとは、無口、無愛想かしら。だから友達や彼女が一人もいないのよ。でも、これに関しては変わり
     つつあるの。あなたと出会ってからね。」
瑞佳「そ、そうですか・・・えへ。」
さとみ「ええ、そうよ。あなたの彼にたいするやさしさが彼を少しずつだけど変えてきているの。
     彼のこと好きなんでしょう?」
瑞佳「え!?えっと、その、あの、わたし、その・・・」
さとみ「うふふ、まあ、いいわ。いずれわかるんだから。」
瑞佳「・・・・・・・・・・・・」
さとみ「あら、もうこんな時間。今日は私がおくるわ。」
瑞佳「大丈夫ですよ、一人で帰れますから。」
さとみ「遠慮しないの。さあ、行きましょう。」
瑞佳「すいません。」
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炎「久しぶりに本気で怒れただろう?」
浩平「そうだな・・・」
炎「あれが昔のお前だったんだ。」
浩平「・・・・・・・・・・・」
炎「俺は、お前の味方だぜ。」
浩平「ああ、・・・ありがとう。」
炎「さて、消えるか・・・」
浩平「・・・・・・・・・・・」
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浩平「うーん・・・朝?おき・・うっ!・・・まだ痛むか。」
 俺は起きて支度をして下に行った。
さとみ「おはよう。」
浩平「おはようございます。」
さとみ「さあ、朝ご飯にしましょう。」
浩平「いただきます。」
 俺は朝飯をすませて玄関に向かった。
浩平「行ってきます。」
さとみ「行ってらっしゃい。」
 ドアを開くとまた、いつものように瑞佳がいた。
瑞佳「おはよう、浩平君。」
浩平「・・・・・・・・・・・・・・・・」
 またいつもの沈黙のなか瑞佳の一人しゃべりで学校に向かった。
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健「あ!浩平くん、おはようございます。それでは。」
浩平「ふむ、あいつもう牙は向いてこないだろう。ククク・・・」
 教室にいくと俺の席で話をしているやつがいた。
浩平「おい!邪魔だ、どけ!」
稔「いいじゃん、ちょっと貸しといて席。たのむよ。」
信吾「それでさ稔・・・」
 俺は稔の胸ぐらをつかんだ。
浩平「もう一度言う・・・どけ!」
稔「離せよ!てめえ!」
 稔は拳を振りかぶってきたが俺の拳のほうがはるかに早く稔の顔面に決まっていた。
浩平「バカなやつだ、二度忠告しただろう?こんなものじゃすまないぞ。」
稔「ひっ、ごめん、退く、退くから許して。」
浩平「クククク・・・・」
留美「やめなさい!!」
浩平「なんだ、邪魔するのか。」
留美「これ以上は見過ごすわけにはいかないわ。やりすぎよ。もう、やめなさい!」
浩平「いやだと言ったら?」
留美「私が相手になるわ。」
浩平「ほう、おもしろい。ならばいくぜー!」
 ドッ!バッ!、ガッ!
浩平「ククク、さすが学園NO.2だけのことはある。いい動きだ。だが相手が女でわな。」
留美「うそ!つ、強すぎる。」
 俺は留美のうしろをとった。そして拳を振りかぶる。
 コツ、
浩平「この件にお前は無関係だ、手を引けそうすればこれで許してやる。
    これ以上やるんだったら次はあてるぞ。」
留美「脅し?私が脅しに屈すると思ったの。」
浩平「・・・・・・・・・・・・・」
 留美は俺と距離をとり出方をみている。
???「助けるよ、七瀬さん。」
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ブラック火消しの風「短い間ですけど見かけて読んでくれた方ありがとうございます。また見かけたら読んでく             ださい。」