僕の描いた未来のシナリオ NO.5 投稿者: 火消しの風
シュン「また、話、聞いてくれるかい。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  また、いつものように、学校に来て授業が終わり、放課後になる。
  俺はすぐに屋上に向かった。彼に会うために。
「やあ、待っていたよ。」
「もう、来ていたのか、早いな。」
「うん。じゃあ、話、聞いてくれるかい?」
「ああ。聞こうか。」
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 彼は、フェンスごしに空を見ながら語り始めた。
「あるところに、不思議な少年がいました。その少年は気がつくとそこにいたのです。
 そして、その少年は、何も覚えていないのです。親も、兄弟も、友達も、・・・
  その少年はずっとひとりでした。帰る家もなく心配してくれるひともいない。だけど、
 悲しくはないのです。帰る家がある、ということを知らないので帰れなくても悲しくない。
  心配される、ということを知らないので心配されなくても悲しくないのです。」
「その少年には、感情がありません。喜び、怒り、悲しみ、すべてを感じたことがないのです。」
「その少年は、ながれます。いろんな街を。そして、いろんな人間を見てきました。
 そして、ある街の病院に男の子と、女の子がいました。男の子の方が自分とおなじ歳ぐらいでした。
  妹と兄みたいですが、妹の方が病気で入院してるみたいです。兄の方は毎日、妹のために
 病院にきています。その少年はその兄弟が気になり、しばらく、見ていることにしました。」
「その兄は毎日、病院に、通います。妹のために。しかし、ある日、その妹は、兄の前で、
 死んでしまいました。兄は、泣き叫んでいます。そして、その姿を見ていた少年の目からも
  涙が流れていたのです。そのとき、その少年は覚えました。悲しみと、人の悲しみを解るという、やさしさを。」
「その少年は思いました。」
「僕は、人に気づいてもらえない存在のない人間だけど、もし、その僕が人のために何かできたら、
 何か役にたつことができたら、僕という人間の存在が生まれるかもしれない。」
「少年はそれだけを信じて、今も、生きています。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「終わり、だよ。ありがとう、最後まで聞いてくれて。」
「その少年て。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「なぜ、その話を俺に?」
「そういう少年がいるということを、誰かに伝えたかったんだ。」
「そうか。」
「あと、君のことだけど、明日までに答えを出した方がいい。もし答えがでていないのであれば、
 君と彼女は消えるよ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「明日、また、この時間に、ここで君の答え、教えてくれないかい?」
「ああ。わかった。」
「ありがとう。それじゃ、僕は帰るよ。今日は本当にありがとう。」
 彼は行ってしまった。
「俺は、俺は消えない。長森のためにも、そして・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
シュン「それでは、感想などを。
     11番目の猫殿・・・なかなかおもしろいです。ひざまくらに関しては
                 裏をかえされました。
     白久鮎殿・・・突然の茜の口調にビックリ!その後笑い・・・
     しーどりーふ殿・・・悲しみがただよいますね。最後で少し復活。最初の悲しみが最後を引き立てる。
                 いい感じ。みさおが死んだから、みずかとの出会いがあった。
                 では、みさおが生きていたら・・・どう思います?
                 それと、感想おありがとうございます。」
シュン「読んでくれた方、感想をくれた方、ありがとう。またのお読みをよろしく。それではこの辺で・・・ばいばい?」