シュン「また、話、聞いてくれるかい。」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ また、いつものように、学校に来て授業が終わり、放課後になる。 俺はすぐに屋上に向かった。彼に会うために。 「やあ、待っていたよ。」 「もう、来ていたのか、早いな。」 「うん。じゃあ、話、聞いてくれるかい?」 「ああ。聞こうか。」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 彼は、フェンスごしに空を見ながら語り始めた。 「あるところに、不思議な少年がいました。その少年は気がつくとそこにいたのです。 そして、その少年は、何も覚えていないのです。親も、兄弟も、友達も、・・・ その少年はずっとひとりでした。帰る家もなく心配してくれるひともいない。だけど、 悲しくはないのです。帰る家がある、ということを知らないので帰れなくても悲しくない。 心配される、ということを知らないので心配されなくても悲しくないのです。」 「その少年には、感情がありません。喜び、怒り、悲しみ、すべてを感じたことがないのです。」 「その少年は、ながれます。いろんな街を。そして、いろんな人間を見てきました。 そして、ある街の病院に男の子と、女の子がいました。男の子の方が自分とおなじ歳ぐらいでした。 妹と兄みたいですが、妹の方が病気で入院してるみたいです。兄の方は毎日、妹のために 病院にきています。その少年はその兄弟が気になり、しばらく、見ていることにしました。」 「その兄は毎日、病院に、通います。妹のために。しかし、ある日、その妹は、兄の前で、 死んでしまいました。兄は、泣き叫んでいます。そして、その姿を見ていた少年の目からも 涙が流れていたのです。そのとき、その少年は覚えました。悲しみと、人の悲しみを解るという、やさしさを。」 「その少年は思いました。」 「僕は、人に気づいてもらえない存在のない人間だけど、もし、その僕が人のために何かできたら、 何か役にたつことができたら、僕という人間の存在が生まれるかもしれない。」 「少年はそれだけを信じて、今も、生きています。」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「終わり、だよ。ありがとう、最後まで聞いてくれて。」 「その少年て。」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「なぜ、その話を俺に?」 「そういう少年がいるということを、誰かに伝えたかったんだ。」 「そうか。」 「あと、君のことだけど、明日までに答えを出した方がいい。もし答えがでていないのであれば、 君と彼女は消えるよ。」 「・・・・・・・・・・・・・・・・」 「明日、また、この時間に、ここで君の答え、教えてくれないかい?」 「ああ。わかった。」 「ありがとう。それじゃ、僕は帰るよ。今日は本当にありがとう。」 彼は行ってしまった。 「俺は、俺は消えない。長森のためにも、そして・・・」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ シュン「それでは、感想などを。 11番目の猫殿・・・なかなかおもしろいです。ひざまくらに関しては 裏をかえされました。 白久鮎殿・・・突然の茜の口調にビックリ!その後笑い・・・ しーどりーふ殿・・・悲しみがただよいますね。最後で少し復活。最初の悲しみが最後を引き立てる。 いい感じ。みさおが死んだから、みずかとの出会いがあった。 では、みさおが生きていたら・・・どう思います? それと、感想おありがとうございます。」 シュン「読んでくれた方、感想をくれた方、ありがとう。またのお読みをよろしく。それではこの辺で・・・ばいばい?」