僕の描いた未来のシナリオ NO.3 投稿者: 火消しの風
シュン 「・・・・・・・・・・・・・」
シュン 「あれ?いつのまに・・・まあ、いいや。じゃあ、語ろうか。
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「おかしいな・・・まだ、いるのか、俺は。まだ、きえないのか?」
  俺はきえることが近いと自分で判断してから、数日がたった。
  だが、いっこうにその時がこようとはしない。
「なぜだ。なぜなんだぁぁぁぁぁ。」
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「ん?この感触、ベッドか?」
「なぜ、俺がベッドの上に。」
  俺は自分の家のベッドで寝ていた。
 ガチャ
「あっ、やっと起きた。」
「長森、なんで、俺、ここにいるんだ。」
「みんなで、はこんだんだよ。なんであんなところで倒れ
 てたの?」
「・・・・・・・・・・」
「まあ、いいよ。今日は休んで、明日から学校だよ。みんな、いきなり
 来なくなって心配してたんだから。」
  瑞佳はそう言うと部屋から出ていった。
「そんなばかな・・・」
  なぜ、俺のことを心配する必要がある。俺はもう他人の存在のはず、
  クラスメイトでも、友達でもなんでもない人間のはずなのに・・・
  とりあえず、明日学校に行けばわかることか・・・
「寝るか。」
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(おにいちゃん、私、ちゃんと元気になれるかな?)
(だいじょうぶだよ。そんなこと気にしないでさっさと寝ちゃいな。)
(はーい。)
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(おにいちゃん、苦しいよ、痛いよ、)
(だいじょうぶ!お兄ちゃんがついてる、だから、しっかりしろよ。)
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(おにいちゃん、おにいちゃん、おにいちゃん・・・・・・・・)
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 はっ、
「夢・・・か?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・どうして・・・・・どうして、死んじゃったんだよ・・・みさお・・・・」
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「浩平!早く、起きて、遅刻しちゃう!」
「ん?おはよう。今日もいい天気だ。」
「ちがうもん、今日晴れじゃないもん。」
「だれが、晴れがいい天気なんて言った?」
「わっ、遅刻、遅刻。早く着替えて。」
「そういえば、なんでかは知らないけど、浩平の上着が私の部屋にあったんだよ。」
  やはり、あの出来事は夢じゃなかったか。
「そうか・・・よし、行くか。」
「うん。いそごう。」
  学校につき、みんなと話した。誰も俺を忘れているやつなんかいなかった。
「七瀬、あのときは悪かったな。」
「何のこと?」
「ほら、ころびそうだー、こんなとこにロープが、って感じで、えい!」
「ぎゃあ、」
「思い出した?」
  俺の手には数本の髪が! そして・・・七瀬の背中から滅殺の炎が・・・
「ひじうち!うらけん!せいけん!」
 ガスッ ビシッ ドゴン
「以後、つつしむようにね。」
「は・はいー」
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  退屈の授業も終わり放課後になった。俺は一人になりたくて屋上へと向かった。
「なぜだ、もしかして、夢だったのか?」
「そんなことはないさ。」
  後ろから声が聞こえた。
「誰だ、お前は?」
「そうだね、シュン、とでも名のっておこうかな。」
「まあ、いい、それより、そんなことはないさ、とはどういうことだ?」
「詳しく話すと長くなるんだけど、一言で言うと、君はこの世界に未練が強すぎた。」
「未練が強い?」
「そうだよ、だから、まだ、いるんだよ。君は、ここに。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「二人の思いが強すぎて、鎖となってるんだよ。他の世界に行けないようにね。」
「でもね、いずれ、きれるよ。その鎖。」
「そうなのか?」
「うん、あれ?もう、こんな時間だ。僕はこれで失礼するよ。
 僕もいろいろ忙しくてね。」
「待ってくれ。まだ、聞きたいことが・・・」
「じゃあ、明日、またこの時間に、ね?」
「わかった。だが、最後にひとつだけ教えてくれ。」
「ん?なんだい?」
「なぜ、そのことを知っていたんだ。」
「君と僕、同じような境遇、だからさ。」
「そう、なのか?」
「うん。」
「ねえ、手を出して、握手、握手。」
  俺は思わず手を出した。
 にぎ、にぎ
「ばいばい。」
  行ってしまった・・・俺も帰るか。
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シュン 「ふう、疲れた。もう、きえよう。今度は戻れるかな?」