「おとなへのみち」3/3 投稿者: ひろやん
背景とあらすじ
繭BadEnd直後のお話。
プレイヤーがちょっとだけ選択肢を誤ったがために、主人公が永遠の世界に行ったまま帰ってこない世界。
一人になった繭だが、母の不自然すぎるほどの努力の成果、ようやく母の愛情に気付いたのでした。(第一話)
そして、元いた学校に戻った繭。頑張っているように見えましたが、孤独の辛さに耐えられず、ある日の朝・・・(第二話)

第3話(最終話)「たいせつなひと」

あのひととはじめて会ったばしょ。あのひとがいなくなる前に会ったばしょ。
でも、あのひとはいなかった。

長森「急がないと遅刻だよ〜」
七瀬「わ、分かってるけど・・・この、クモの巣がぁ・・・」
ーー時間に追われて裏山越えをしている長森と七瀬。
七瀬「あー、うっとおしいっ!この、クモの分際でぇ!!」
繭「みゅ〜♪」(がしっ)
七瀬「ぐあっ・・・って、ぎゃあ〜〜〜〜っ!!」
長森「七瀬さん、どうしたの?・・・ま、繭!?」
やっぱりあのひとはいなかった。やっぱりあのひとは来なかった。
だけど、おねえちゃんとみゅーが来てくれた。うれしかった。

ーー道を逆に向かう3人。
長森「七瀬さん、本当に私一人で大丈夫だから、学校行っていいんだよ」
七瀬「いいのよ、もう遅刻確定だし。瑞佳1人だけが遅刻になるのも嫌だし」
長森「繭、ちゃんと頑張ってると思ってたのに・・・」
繭「みゅー・・・」

ーー繭の学校の近く。
長森「やっぱり今日は家に帰した方がいいんじゃ・・・」
七瀬「でも、それじゃあ、また逃げ出すだけじゃないの?」
繭「みゅー・・・だいじょうぶ・・・」
七瀬「本人はこう言ってるけど」
長森「ホントに大丈夫なの?家に帰りたいんじゃないの?」
七瀬「瑞佳も世話焼きすぎるよ」
繭「おかあさん、しんぱいするし・・・悲しいし・・・」
長森「繭・・・」
七瀬「・・・ふうん、お母さんのことはちゃんと考えてるのね」
泣いたらおかあさんは助けてくれる。やさしくなぐさめてくれる。でも、それはおかあさんが悲しくなるからいやだ。だから我慢しなくちゃいけない。でも、どうして我慢しなくちゃいけないのかやっぱり分からない。

おくれたけど、きょうも学校にいった。ひとりでおくれて入る学校はちょっとつめたかった。
でも、いやなこといっぱいあるけど、もうちょっとがんばってみることにする。

あさ、おねえちゃんはこういってくれた。
長森「他人のために頑張るって、すごく偉いことだと思うよ」
長森「だから、お母さんのために頑張ってる繭は、すごく偉いんだもん」
長森「繭が前言ってた『あのひと』って人もきっとそう思ってるよ」

あさ、みゅーはこういってた。
七瀬「私も転校してきたときは、黒板に変な事書かれたり、椅子に仕込まれた鉄パイプに串刺しにされたり、ムカツク事多かったけど」
七瀬「ま、私は乙女だから、そんな事でいちいち弱音は吐かなかったわ」
七瀬「もうちょっと大人になればあんたにも分かるわ、乙女の極意ってもんが・・・」

長森「休みの日は会いに行くからね。頑張るんだよ」
七瀬「頑張ってればそのうちあんたの『王子さま』にも再会できるかもね」

たいせつなひと。すきなひと。やさしいひと。あたたかいひと。
そのひとのためにがんばれるひと。

あのひとは本当はいないのかもしれない。いたのかどうかもよく分からない。でも、あのひとのあたたかい匂いはよくおぼえている。ずっと忘れないとおもう。あのひとがかえってきてくれなくても。

母「繭、頑張ってるね」
繭「うん」
母「繭が頑張るんなら、お母さんも頑張らないとね」
繭「うんっ」

ひとりでもひとりぼっちじゃない気がする。楽しくないことばかりでも、がんばろうとおもう。

・・・・・・。

またぎゅうにゅうをこぼした。でもそれでクラスのひととすこし話ができた。

・・・・・・。

ともだちになろうっていわれた。やさしいこ。よくしゃべるこ。『みあ』っていうこ。
すこし、学校に行くのがいやじゃなくなった。
♪〜。

BGM「遠いまなざし」
−Fin−

たいせつなひとへ

おかあさん、おねえちゃん、みゅー、あのひと・・・
そして、今でもわたしをみまもってくれてるたいせつな、みなさんへ

BGM「輝く季節へ」

まゆは、すこしだけ、おとなになりました♪

スタッフロール(文:光夜じんB,掲載:ひろやん)

ーーそして、もうひとつの繭Endingへーー

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いろんなひとにありがとう、そしてごめんなさい。
書きたいことがまとまってません。後半なんてメチャクチャ、自分でも分かってるんです。
ONEという作品や繭というキャラに対する自身や皆さんの思い入れ。
そんな事考えてたら結局自分の書きたいことすら書けなくなってしまった。
SSってやっぱり難しい。
ただ自分が技術不足なだけなんですけどね。

あと、他の人のSSの感想など。(感想になってませんが)
>藤井冬弥☆さん
>「新世紀ネオゲリオン」
こういうパロディは結構好きだったりします。
ベストマッチキャラはやっぱり髭、かな(笑)

>沢村奈唯美さん
励まし(?)のお言葉、ありがとうございました。
少し、いえかなり励みになりました。(それでこの程度ですが・・・)
>「cry」
セリフ無し、実際出てくる人物は二人だけ、時間は階段から病室まで。
こんな条件でこんな中身の濃いものが書けるとは・・・。
主人公の弱くて強くて弱い感情がよく伝わってきます。

>よもすえさん
>(ありえないよの)1月31日
読んだ後瑞佳に対する好感度150%アップしてしまった。
本編で利用されなかった小道具たちも喜んでいると思います。
『それぞれの流儀でそれぞれに』っていう表現が個人的に好きですね。

>OVER−Qさん
>自虐的劇場その2〜七瀬の場合
うー、確かにありがちなギャグだけど思わずプッとなりました(この時点で僕の負け)
コテコテなんだけど、コテコテなんだけど・・・プッ(笑)

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