「おとなへのみち」2/3 投稿者: ひろやん
背景とあらすじ
繭BadEnd直後のお話。
プレイヤーがちょっとだけ選択肢を誤ったがために、主人公が永遠の世界に行ったまま帰ってこない世界。
一人になった繭だが、母の不自然すぎるほどの努力の成果、ようやく母の愛情に気付いたのでした。(第一話)

第2話「がっこう」

長森「繭。今日もハンバーガー2つだけ?お金足りないんなら貸すよ?」
繭「いい。2つでお腹いっぱいになるから・・・」
ーー昼休みの教室。繭は、長森と一緒に昼食を食べている。
長森「う〜、繭。偉いねぇ。うん、ほんと偉くなったよ」
繭「ほえ?えらい?」
長森「ちゃんと我慢できるようになったもん。初めて会った時よりずっと大人になったって感じだよ」
繭「はえ〜〜」
おねえちゃんはやさしい。それに、おかあさんみたいにあたたかい。今の学校に来ているのも、あのひととおねえちゃんがいたからだと思う。
長森「ねえ、七瀬さんもそう思うよね?」
ーー隣の席の七瀬は、食後の読書にふける深窓のお嬢様(?)をやっていた。
七瀬「え?ええ、そうね。でも、毎日ハンバーガーなのは変わらないみたいだけど」
長森「ん〜、でも好きなんだからしょうがないよ」
繭「うん、ハンバーガー好き」
七瀬「まあ、無茶な量買わなくなったっていうのは成長してる証拠かもしれないわね・・・ってぎゃあ〜〜〜〜っ!」
繭「みゅ〜♪」(七瀬の髪引っ張っている=お約束)
長森「ああっ、繭、だめだよ。そんなことしちゃ・・・。大丈夫?七瀬さん」
七瀬「・・・ぐすん。これだけは慣れないわ」
長森「繭、七瀬さんのこと好きなんだと思うよ」
繭「みゅー・・・」
七瀬「髪の毛が好きなんでしょ。はあ・・・私の方がよっぽど我慢強くなったと思う・・・」
学校に来れば、いつもおねえちゃんやみゅーが話をしてくれたりあそんだりしてくれる。でも、あのひとは学校にもいなくなった。おねえちゃんたちにきいたら、そんなひと知らないっていわれた。どうしてそんなこというのか分からないけど、とても悲しかった。悲しくなるから、あのひとのことはもういわないようにした。

ーーそして、新学期が始まった。
おかあさんにいわれて、ずっと行ってなかった前の学校に行くことになった。おねえちゃんにいうと、その方がいいよっていわれた。ちょっと不安だけど行ってみることにする。
しってるひとはだれもいなかった。ひとりぼっちだった。

ーーある日のこと。
おなじクラスにみゅーを見つけた。
繭「みゅ〜♪」(知らない人の髪に飛びつく)
女生徒「きゃっ!な、何すんのよ、気持ち悪い!」
ばしっ!(ビンタ)

ーーまたある日のこと
きゅうしょくのぎゅうにゅうをふくのうえにこぼした。
繭「みゅ?・・・(ぱくぱく)」(気にせず食べ続ける)
男子生徒A「うわっ、こいつ牛乳こぼしてやんの。親が見たら泣くねぇ」
男子生徒B「どうせ親もみゅーみゅー言うだけだろ?」
男子生徒A「親子して、みゅーみゅーって?ハハハ」
繭「!!・・・みゅーーっ!!」(怒ってる)
ーー繭、男子生徒にぶつかっていくが、簡単に弾き飛ばされる。
繭「・・・っ!みゅー・・・」(しりもち)
おかあさんのことをわるくいわれた。おかあさんのことをわらわれた。
ーー女子生徒の一部から非難の声も上がる。しかし、繭はついに・・・
繭「・・・う・・・うぐっ・・・ひぐっ・・・」
どうしておかあさんがわるくいわれてるの?どうしておかあさんがわらわれてるの?
繭「・・・うわあぁぁ〜〜〜〜〜〜ん!!」
とてもかなしかった。だから、泣いた。

繭「・・・いってきます」
母「繭、無理しなくていいの・・・おかあさんがちょっと急ぎすぎたのかもしれないから。ね、繭」
ゆうべ、またおかあさんのひざのうえで泣いた。おかあさんはやさしくてあたたかかった。でも、おかあさんの方がなんか悲しそうにみえた。
繭「だいじょーぶ・・・」
母「嫌なら嫌って言っていいんだからね、繭」

ーー登校中の繭
やっぱりいきたくない。家でおかあさんといる方がいい。みんなのいる、まえの学校の方がいい。ひとりぼっちはやだ。
ーー繭、立ち止まり違う方向へ歩きはじめる。
繭「・・・・・・」
あそこなら、あのひとがいるかもしれない。

第3話(最終回)へ続く

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なんか、とんでもないことをしでかしてしまったような気がする。
読んでくれた人をこんなに嫌な気分にさせるSSも他にないだろうな。
さっさと最終話も載せて逃げることにします。