聖なる夜の小さな幸せ(後編) 投稿者: 秀さん
駅前で瑞佳と別れ留美を追う
留美が浩平に思い出して欲しかった事
浩平は今更ながらに悔やむ・・・
『くそ〜どうしてあの時思い出してやれなかったんだ・・・』
『あの時思い出していてやればこんな事にならなかったのに・・・』
浩平は走る・・・
留美がいそうな場所を求めて・・・
まず行ったのはあの公園・・・
そこには留美はいなかった・・・
そして学校の前・・・
いる訳が無かった・・・
あの日二人で行ったあのラーメン屋・・・
そこにもいなかった・・・
商店街・・・
いない・・・
浩平は留美の家に公衆電話から電話をかけてみる・・・
ぷるる・・・ぷるる・・・ガチャ
「はい、七瀬です」
「あっ留美帰って・・・」
「只今出かけています、御用の方はピーと発信音の後にメッセージをいれてね」
「・・・・」
留守番電話だった・・・
浩平は取り合えずメッセージを入れると
電話を切りまた走り出す・・・
そしてもう1度あの公園に行ってみようと思った
『あそこにあいつは行くに違いない』
そう思って・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

公園・・・
留美はそこに来ていた・・・
留美を探しに来た浩平とすれ違いで・・・
浩平との思い出の場所・・・
あのクリスマスと言う日に付き合い出す事の全てのはじまりの場所
留美は浩平にここでの出来事を思い出して欲しかった・・・
いつまでも大切な思い出・・・
留美にとっては色あせない思い出だった・・・
多分浩平も同じじゃないかと思っていた・・・
でも違った・・・
浩平はこの場所の事を忘れていた・・・
留美にはそれが悲しかった・・・
何よりも・・・
留美は一人そう想っていた・・・
その時・・・
「るみぃぃぃぃぃ〜」
浩平だった・・・
留美は驚く
『どうしてこの場所がわかったの・・・』
「ハァハァハァ・・・留美、探したぞ」
浩平は息を乱しながら言った・・・
「まったくこんな寒い所で何してんだ・・・」
浩平は留美の横に座る・・・
そして・・・
「ほれ、クリスマスプレゼントだ受け取れ」
浩平は無造作にコートのポケットの中から取り出した物を渡す・・・
心なしか顔が赤い・・・
留美はそれを開けて見てみる・・・
「えっ浩平、これは」
中にはいっていた物それは指輪だった・・・
「なんだ、見て解らないのか指輪だ・・・」
浩平は留美の顔を見ようとはしないで言う
照れているのだ・・・
「うん、指輪だね・・・」
「おうっそうだ指輪だ、これから俺とお前がずっと一緒にいる為の指輪だ・・・」
「えっえっじゃぁこれってもしかして婚約指輪・・・」
「おうっそうだ給料3ヶ月分だ感謝しろよ」
浩平は顔を横に向けながら言う・・・
そして留美に顔を向けて・・・
「留美、俺と結婚してほしい俺にはお前が必要なんだ・・・」
そう言い放つ・・・
「浩平・・・嬉しいよ、でも私でいいの」
「いいの悪いのへったくれもない、さっきも言ったろう俺にはお前が必要なんだ・・・」
「ありがとう、浩平・・・こんな私で良かったらどうぞ貰ってください・・・」
留美は浩平の言葉に泣きながら返事した・・・
「あぁっきっと留美、お前を幸せにして見せるだからもう嫌だって言っても離さないからな」
「うんっずっと離さないで・・・浩平」
浩平の言葉に更に涙する留美・・・
「よしっあの時のように踊るか」
浩平は突如そんな事を言い出し留美に手を差し出す・・・
浩平なりの照れ隠し・・・
「うんっ」
留美は涙を拭って浩平の差し出した手を取る・・・
「でも、ちゃんとしたダンスホールがよかったな〜ここは音楽も流れてこないし・・・」
留美のちょっとした憎まれ口
そう言わないとまた嬉しさで涙が流れてくる・・・
「何言ってんだ音楽ならほらあるじゃないか」
浩平は言う・・・
風でゆれる木の音・・・噴水の流れる音・・・それらが音楽なんだと言いたいのだ・・・
「なにっ言ってんのよ今更格好つけてキザな事言っても遅いわよ」
「ぐはっせっかく人が口が腐るような事言って雰囲気を盛り上げようとしてるのになんだ
 その言いぐさは〜」
「いいの、無理しなくても、いつも通りの浩平を私は好きなんだから・・・」
留美は浩平の手を取り踊り始める・・・
クリスマス・・・色んな人が色んな幸せを受け取る聖なる日・・・
そして留美もこの日聖なる夜に小さくささやかな幸せを受け取った・・・
そして夜は深けていく・・・

・・・・・エピローグ・・・・・

浩平のプロポーズから半年後
留美は今白いウエディングドレスに袖を通している・・・・
留美は浩平に頼み込んで式を6月にしてもらった・・・
式の場所は教会でと言う事も・・・
浩平は
「俺は仏教徒だ、なんで教会でやらなくちゃいけないんだ〜」
と言って中々了承してくれなかったが
留美の根気に負けて、最後は渋々了承する事になった・・・
一生でたった1度だけの行事・・・
今浩平と留美は共にバージンロードを歩き
これからの新しい生活に希望を見出す事であろう・・・

・・・二人の未来に大いなる祝福があらん事を・・・

・・・終・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
こんちゃ〜(^∇^)
我ながらかなり恥ずかしい物を書いた気が・・・(汗)
げふげふ長くなりましたね(^^;
すいませんです(^^;

では〜(^^)

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