聖なる夜の小さな幸せ(前編) 投稿者: 秀さん
・・・いつも笑っていた君はどうしたのだろう・・・
・・・泣いてばかりいる君を見ているのはつらい・・・
・・・どうしたのって聞くと・・・
・・・君はなんでも無いと言って悲しそうに空をみあげるばかり・・・
・・・何がそんなに悲しいのか俺にはわからない・・・
・・・でも1つだけ出来る事としたら・・・
・・・守りたい・・・
・・・君を・・・

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「う〜なんだぁ〜この夢は〜」
浩平は目覚めるなりつぶやく・・・
なんとも奇妙な夢だった・・・
何故かは判らないが留美が泣いている夢・・・
「う〜ん俺、あいつに何か悪い事したっけな〜」
浩平は考える仕草をするが思いつかないようだ・・・
「まぁいいか、それより早く用意しないと・・・」
ベットから抜け出しクローゼットの中から
服を漁る・・・
漁り出してきた服を着て
玄関へ・・・
そして靴を履き玄関の扉を開ける・・・
「う〜さみぃな〜」
浩平は外から流れてくる風を受けぼやく・・・
戸締りをして駅前に向かって歩き出す
歩きながら浩平は時計を見る・・・
「今日はゆっくりと歩いていけるな・・・」
浩平は吹きつける北風を受けつつ駅前へ・・・

・・・・・・駅前・・・・・・

駅前は子供を引き連れた親やおそらく誰かを待っていると思われる
女の子が多く見かけられる・・・
今日はクリスマス・・・
1年にたった一回しかない特別なイベントだ・・・
だから今日はこんなに人が多いんだ・・・
浩平はそんな事に変に感心しながら辺りを見まわす・・・
「浩平」
呼ばれた方向へと浩平は視線を向ける・・・
そこには留美がいた・・・
「よぉ留美待ったか?」
「大丈夫、私も今来たばかりだから」
「それにしても珍しいじゃない、あんたが遅刻しないで来るなんて」
「なにぉ〜それじゃぁ俺が毎回遅刻してるみたいに聞こえるじゃないか」
「あら、そうじゃないの、毎回遅刻して謝ってるのはどこのどいつかな?」
「うぐっ確かに・・・しかしだなぁ〜その言いようはちと酷いぞ」
「全然酷くないよ、いつも待たされる方が酷いと思うけどな〜」
「ぐはっもういい・・・行くぞ留美」
浩平は留美に言い負かされるのが悔しくて話しを遮って歩き出した・・・
留美もそれに続く・・・
今日は映画を見に行く事にしていたので
二人は切符を買い電車で隣町に行く・・・
浩平は電車の中で1つの決心をしていた・・・
『今日こそはこれを渡すぞ・・・』
コートのポケットの中に手を突っ込み
中にある物の感触を確かめてる・・・
浩平と留美が付き合い出して早5年が過ぎようとしていた・・・
5年・・・長いようで短い年月・・・
その間に色々な事が二人にはあった・・・
別れ話が出た事もあった・・・
しかし何とかそれを乗り越え今に至る・・・
今の浩平には留美は必要不可欠な存在なのだ・・・
それは留美にも同じ事が言えるだろう
しかし今二人の関係はまだ曖昧なまま・・・
浩平は今日それを確たるものにしたいと考えている・・・
『それに今日はクリスマスだ留美に最高のクリスマスプレゼントになるに違いない』
そう思い、浩平はコートのポケットの中の物を握り締めた・・・

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映画を見終わり浩平と留美は映画館を出て来た・・・
「あの映画、面白かったね」
「あぁ〜そうだな〜特に最後のシーンが良かったな」
二人は映画の事を話しながら歩いて駅へ・・・
そして電車に乗り地元へと帰ってきた・・・
「ねぇ浩平今日は何の日か覚えてる?」
「えっ今日か、今日はクリスマスだな」
駅を出た所で留美が問い掛けてきた質問に答える浩平・・・
「うんっクリスマスだよ、でも他になにか思い出さない?」
「えっ他にか?・・・う〜んなんかあったっけ?」
「浩平、思い出せないの?」
「う〜んやっぱクリスマスって事しか思い浮かばん」
留美は何かを思い出して欲しかったようだが、浩平は思い出せなかったようだ・・・
「それよりだな留美、美味いレストランを予約してあるんだそこに行こうぜ」
浩平は留美にそう言って歩き出そうとするが留美は動かなかった・・・
「留美、どうしたんだ?」
「いい・・・行かない・・・私、帰る・・・」
留美はそう言うと浩平から離れて行った・・・・
「おっおいっ留美待てよ」
浩平は呼び掛けるが留美は止まりもせず、振り向きもせず歩いて行った・・・
こうなると困るのは浩平だった・・・
その場でもう少し思い出そうとするが、思い出せない・・・
そうこうしている内に留美の姿を見失ってしまった・・・
浩平は仕方なく家に帰り、電話でも掛けて謝ろうと思い歩き出そうとする
その時・・・
「あれっ浩平?」
呼び掛けてくる声・・・
聞きなれた声だった・・・
浩平は振り向く
その声の主は瑞佳だった・・・
「よぉ長森何してんだこんな所で?」
「それはこっちの台詞だよ〜七瀬さんと一緒じゃなかったの?」
瑞佳は不思議そうに浩平に聞く・・・
「あぁ〜今は一緒じゃないよ・・・」
「あれ〜おかしいな〜今日七瀬さんとあった時、凄く楽しそうに
 浩平とデートだって言ってたんだよ」
「なんでも今日は浩平と私にはもっとクリスマス以上に特別な日なんだって」
「特別な日?」
「うんっそうだよ」
「そうか・・・あいつそんな事を・・・」
浩平は瑞佳から聞いた自分と留美の特別な事をもう1度考えてみる・・・
そしてやっとの事で思い出した・・・
「長森、俺ちょっと用事を思い出したんだ・・・またな・・・」
浩平は瑞佳にそう言うと走り出す・・・


・・・続く・・・

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こんちは〜(^^)
今回またも留美SSになっちゃいました(^^;
今回は題名を付けるのに非常に苦心しました(^^;
題名を付ける時にはちと藤井勇気さんにご協力(一緒に考えて頂きました)
して頂きました(^^)
勇気さんありがとうです〜(^^)

>日常への感想を書いてくださった方へ・・・
 毎度感想を書いて頂きありがとうございます〜(^^)
 またもレスが返せなくてすいませんですm(__)m
 

では〜(^^)ノ

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