日常(第2部) 投稿者: 秀さん
はてさて浩平がまどろみから一転
大慌てで出掛ける準備をはじめた頃
留美は待ち合わせの約束をしている
公園へ着いていた・・・
「う〜んちょっと早く来すぎたかな」
留美は公園の時計を見上げながらつぶやく
留美にとっては浩平が帰ってきてからの
初デートである
前日の夜も胸が高鳴って中々眠れなかった・・・
今日の朝も居ても立っても居られずに
約束の時間の1時間程前には家を出たのである
今日の浩平とのデートを楽しみにしながら・・・
そうこう考えている内に時計は9時50分を指している
留美は落ちつき無く辺りを見渡している・・・
「う〜んそろそろ来てもいい頃なんだけどな〜」
5分後・・・
まだ浩平はやってこない・・・
「あぅ〜浩平遅い〜」
留美はいつ浩平が来るかとそわそわしている・・・
時計はもう10時を指そうとしている・・・
そこへ浩平が凄い勢いで走ってきた
「ぜ〜ぜ〜まっ間に合ったか〜ぜ〜ぜ〜」
浩平は息を切らし肩で息をしながら
留美の前に立っている・・・・
「ふ〜ぎりぎりセーフだな」
浩平は留美にそう言った・・・
「う〜んほんとは浩平がもっと早く来てなきゃいけないんだけど
今回は約束の時間までにぎりぎり来たから許してあげるわ」
留美は嬉しいのを隠して仕方なさそうに浩平に言う・・・
「ふ〜それは良かった、もし遅刻していたら七瀬にどんな目に合わされるか
怖かったよ」
「私があんたをどんな目に合わすって言うの?!!」
浩平の言葉に留美はきつく聞き返す
「えっいや〜遅刻したらぼこ殴りかな〜とか(^^;;;」
「するかぁ〜!!」
留美は鋭く浩平に返す・・・
「ははは・・・そうかしないか〜なら遅刻しても良かったかな〜(^^;」
「したら余計駄目でしょうが!!」
お互いを意識しあう前からの変わらない会話・・・
二人の会話はいつもこんなもんである・・・
「さて、こんな所で漫才なんかやっててもしょうがないし行くか」
「漫才ってのが気になるけど確かにそうね」
二人は、ようやく歩いて公園の外へ・・・

「ねぇ今日は何処に連れて行ってくれるのかな?」
留美がそれとなく聞いてくる
「何、七瀬が決めてたんじゃなかったのか?」
浩平は留美がデートコース
を考えているものだとばかり思っていたので
何処に行くかなどまったく考えていなかったのである
と言うか、デートコースなどまったくの思考外であった・・・
「え〜決めてないの〜普通そう言うのは男の子が決めるものでしょうに〜」
「う〜悪かった・・・俺はてっきり七瀬が考えているものだとばかり思っていたから・・・」
「はぁ〜」
留美は驚き浩平に講義の声をあげるが
浩平の言い訳に溜息をつくばかりである・・・
結局商店街に行こうとなり
二人は商店街へと足を向ける・・・

・・・商店街・・・
二人は商店街の中をぶらぶらと歩き回っている・・・
しかし学校の帰りなどでしょっちゅう寄っていたので
あまり新鮮ではない・・・
見慣れた店ばかりが軒を並べている・・・
そしてゲーセンや本屋などを回り
ファーストフードで1つのポテトを二人でつまみながら
昼食を取る・・・

その後しばらくファーストフード店でお喋りをした後
次に入ったのは楽器店であった・・・
「よしここで七瀬のテーマをさがしてやろ〜」
浩平はいきなりそんな事を言い出した・・・
「えっ何それ?」
と聞く留美を横目に浩平はCDを漁り出す・・・
そして持ってきたCDのジャケットは
デスメタルであった・・・
「やっぱこれが七瀬のテーマにぴったりだこれ以外に考えられん」
と浩平は言う・・・
「そっそんなもん聞けるかぁ〜!!」
留美は浩平を一発ぶん殴ってやりたいと言う
衝動を押さえ浩平を一喝する
「ぐはっそんなに怒るなよ〜冗談だよ、ほんとはこっちだって(^^:::」
と浩平は焦りながら隠し持っていた
もう1枚のCDのジャケットを出す・・・
それは、最近売り出し中で人気が出てきつつある
女性ボーカルが歌っているあるバンドのCDアルバムだった・・・
「ほれこの4曲目に入ってるやつが七瀬のテーマだ」
浩平はジャケットの裏にある曲のリストの中にある一つの曲名
を指す・・・
テンポの良いラブソングである・・・
ちょくちょくラジオや有線放送などで流れている曲・・・
「どうだ、いい感じだろう?」
実際店内の有線放送がその曲を流している・・・
「浩平・・・」
留美はその歌に聞き入っている・・・・
結局留美は曲が終わる頃にはそのCDアルバムを
購入して店を出たのである・・・

その後二人はさらに商店街をぶらぶら歩き
公園に行ってお喋りをして1日を過ごした・・・
「さて、今日はもう帰るとするか・・・・」
「うん、そうだね」
公園のベンチから浩平と留美は立ち上がり
歩き出す・・・
二人を見下ろすように夕日は真っ赤なその顔を覗かせている
二人はその夕日を背に家路の途についた・・・

・・・今二人を包むものそれは平凡な日常と幸せ・・・
・・・誰もが忘れ、そして気付かない内に憧れるであろう幸せの形・・・

・・・日常 終・・・

★★★★★★★★後書きかも(ぉぉ ★★★★★★★★
こんちゃ〜またもこりずに書いたでし〜( ̄∇ ̄;;;
いかがてしょうか〜(^^;

現在新しいSSを思考中ですが
これもまた留美だったりします(^^;

では〜♪

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