いつか見た夕日・・・(中編) 投稿者: 秀さん
「うんっあのねもしかしたら目が見えるようになるかもしれないんだよ」
「えっそれってどう言う事?」
「今日ね病院で手術をすれば、もしかしたら目が見えるようになるかも知れないって」
「えっその話しは本当なの?」
「うんっでもまだ精密検査を受けていないからまだはっきりとはしないけどね」
「そうか〜それはいい話しだね」
「うんっ凄く嬉しいよ」
「ああ・・・おめでとう・・・みさき先輩」
・・・・・・・・・・・・・・
二人は電話で喋り続ける・・・
浩平は思わぬ朗報に喜ぶと共にちょっとした寂しさに襲われていた・・・
これからもずっとみさきを支え続けるつもりでいた浩平
しかしみさきの目が見えるようになったら
もう浩平の支えはいらなくなるかもしれない・・・
もしその事でみさきが自分の元から離れて行くかもしれない・・・
そういった寂しさ、みさきが離れて行くかもしれない恐怖を
浩平は感じるのであった・・・
「・・・・浩平くん・・・」
「ね〜浩平くんてば〜」
「あっなにみさき先輩」
みさきの声で考え事から我にかえる浩平・・・
「ねぇ〜ちゃんと私の話し聞いてた浩平くん?」
「あっあ〜聞いてたさちゃんとね・・・」
「ほんとに〜?」
「あっあ〜ちゃんと聞いてたよ」
「まっいいよじゃあもう夜も遅いし切るね」
「うんっおやすみ、みさき先輩」
「うんおやすみ浩平くん」
浩平は受話器を置くとみさきの目が見えるようになったら
どうなるのかと考えつつ
眠りについた・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

浩平がそんな事を思い出している内に気が付けば
二人は公園へと出ていた・・・
「ふぅ〜風が気持ちいいね〜」
「あ〜そうだな」
「どうしたの元気ないよ・・・浩平くん」
「えっ・・いや別に・・・なんでもないよちょっと考え事してただけだよ」
「考え事?」
「そうっ考え事、もしみさき先輩の目が見えるようになったら一番に何が見たいのかなって・・・」
浩平は少し前の事を思い出していたなんて言えなくて
別の事を話す・・・
しかしこの事は確かに考えていた事でもあった・・・
「そうだね、私が最初に見たいものは・・・」
「見たいものは?」
「浩平くんの顔かな」
「えっ俺の顔?」
「そう浩平くの顔だよ」
「じゃあ次に見たいものは?」
「えっと次に見たいのは夕日・・・そう学校の屋上から見たあの夕日かな」
「夕日か〜」
「そうっ子供の時にねこっそり入った学校の屋上から見たあの夕日が忘れられないよ」
「そうか〜じゃあ目が見えるようになったら見に行こうな先輩」
「うんっでもね目が見える事が恐いって感じるときもあるんだよ」
みさきはそう言うと表情を曇らせた・・・
「えっどうしてさ、目が見えたなら色々と世界が広がるぜそれなのにどうして恐いって思うんだい?」
浩平は不思議そうに聞く・・・
「それは・・・いつも側にいてくれた浩平くんが、目が見えるようになったらいなくなるんじゃないかって・・・
そう思うと凄く恐いって感じるの・・・」
「先輩・・・それは俺も一緒だよ、もし先輩の目が見えるようになったら俺は先輩にとって不用の存在になるんじゃないかって・・・俺もそう思うと恐いんだ・・・」
「浩平くん・・・」
「ははは・・・大丈夫だよ俺にとって先輩は目が見えようが見えなかろうが大事な人だから
けっして離しはしないよ・・・だから心配するなよ先輩」
「うんっそれは私も浩平くんと一緒だよ、だからもうこの事は考えるのはよそうね」
「ああ〜そうだな」
その後二人はただ公園のベンチでお喋りをして1日を過ごした・・・

・・・・・・数日後・・・・・・

今浩平はある大学病院の前に立っている・・・
今日はみさきが精密検査を受ける日・・・
みさきはすでに両親と共に中で検査を受けている最中だろう・・・
中に入り浩平はみさきから聞いた場所に行く・・・
そこにはみさきの両親がみさきが出てくるのを待っていた・・・
浩平はみさきの両親とはすでに面識があったので
一言二言会話を交わし両親が座るベンチに腰をかける・・・
長い時間浩平と両親はただみさきを待つ・・・
そしてみさきが出てきた・・・
検査の結果は1週間後と言う事らしい・・・
浩平とみさきはその日は何も無く別れた・・・

・・・そして一周間後・・・・

「いよいよだね」
「あ〜検査の結果が良いいいんだけどな〜」
「大丈夫だよきっと私はそんな気がするよ」
結果が出る前日の夜の電話でのやりとり・・・
浩平は心配になっているが
当の本人であるみさきは気楽に構えているようであった・・・
そして夜は深け朝を迎える・・・

二人は今から検査の結果を聞くために病院に来ている・・・
「浩平くん、どきどきするよぉ〜」
「大丈夫だって落ちつきなよ、先輩」
みさきは結果を聞くのが恐いのかそれとも楽しみなのか
落ちつきがない・・・
それをたしなめる浩平・・・
そこへ・・・
「川名みさきさ〜ん」
看護婦がみさきを呼びに来た・・・
「はぁ〜い」
みさきは返事をして看護婦に付き添われて
診察室に姿を消した・・・
浩平は検査の結果が良い方に出る事を祈るばかりであった・・

・・・続く・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
こんにちは〜♪
前回二部と言ったのに
書いてみると思った以上に長くなりましたので
なんと3部構成になっちゃいました〜( ̄∇ ̄;;;
次は後編と言う事になるので
なんとしても次で終了させますのでよろしくです(^^;
しかも前回の投稿から随分と間が開いてしまいました〜(^^;
すいませんです(^^;
今回はどうも台詞が多くなっちゃいました(^^;

こんな私の駄文に感想を書いて下さった方
ほんとうにありがとうございました〜m(__)m

では〜♪

http://www2.plala.or.jp/omo/