・・・留美の視点・・・ 投稿者: 秀さん
ふ〜もう、どれくらいこのドレスをきて私は、待っているのだろう
春、あいつに呼ばれこのドレスを着てあの公園に行きあいつを待ち始めた…
  出会いと別れの季節と言うけれど、私には、別れの季節
夏、この年の夏は、とても暑くて立っているだけで汗がでてくるでも私は、それでも
  ドレスを着てあいつを待つ、太陽がもっとも自己主張する季節…
秋、紅葉樹の葉が、色とりどりの色をつける中を私は、まだ、ドレスを着て
  待ち続けている…夏から冬へと移り変わる間にある憂鬱な季節…
冬、周りの景色が寒々としている中、私は、今日もドレスを着てあいつを待つ
  吹いて来る風が冷たく私の心も冷たくなって来る…寂しい季節…
ほんとあいつは、馬鹿だから一体いつまで私を待たせるのだろう…
ふ〜そんなあいつを待つ私も馬鹿なんだけど…
周りの皆は、もう、自分達の将来を考え始めているのに私は、あの時
から何も変わらない…あいつに呼ばれドレスを着てあの公園に行った時から…
あいつと私の出会いは、最悪だった…なにせ正面衝突があいつとの出会いだったんだから
そこでいきなり口喧嘩…あの時は、あいつと会う事は、無いって思ってた…
でも、一緒のクラスだった…あの時は、私は、あいつの事、嫌な奴だと思ってた…
だって何かと、嫌がらせしてくるし、顔を合わす度、口喧嘩してたから…
でもあいつの認識が変わったのは、クラスの女の子の人気投票の時あいつは、
色々協力してくれた…私は、あいつ、ほんとは、いい奴なんだと思った…
そしていい奴から、好きな人になるまでは、そう時間は、かからなかった…
私がある女子生徒達から嫌がらせをされた時あいつは、力になってくれた…
私がその女子生徒達に怒って、怒鳴りそうになった時、あいつが変わりに怒鳴ってくれた…
もし、あの時私が、怒鳴っていれば、私の夢…乙女になる事…は、叶わなかっただろう…
また前の学校の時の様に男勝りの性格と思われていただろう…
でもあの時、あいつが私の変わりに怒鳴ってくれて私は、助けられた…
その時から私は、あいつの事、好きになった…
その好きと言う思いが叶ったのは、クリスマスだった…
あいつと初めてキスした場所…そこがこの公園…
はぁ〜なんで私、あいつを待ち続けてるの…

ずっとあいつが、側にいてくれると思ってた…でもそれは、違ってた…
あいつは、忽然と私の前からいなくなった…
私にドレスを着て、あの公園で待っているよう言って…
私は、今も待ち続けている…あいつからもらったドレスを着て…
あいつを待ち続けて気がつけば、もう2度目の春になってた…
時の流れは、残酷で…容赦なく流れている…
でも私の時は、止まったまま…あいつの側にいた一番輝いていた時の私…
あいつの事が、好きで、好きで、仕方のない私のまま、時は、止まってる…
あいつは、いない…それなのに私は、まだあいつへの思いを引きずっている…
だから…私の時は…止まっている…でもそろそろ、その思いも断ち切らなきゃ…
もうあいつはいないんだ…いつまでもあいつへの思い引きずっていていても
なにも起こらないんだ…忘れよう…あいつの事を…忘れて、また新しい事を探そう…
…今まで離れていた現実に帰ろう…
私は、そう思い、新しい一歩を踏みだそうとする…そんな時…
私の前に凄い勢いで階段を駆け上がってきた自転車が止まる…
その自転車に乗っている人を見て私は、驚く…
あいつだった…今まで散々待っても来なかった…あいつだった…
あいつは、息を切らせながら
「ぜー、ぜー…間に合った…」
そう言ってあいつは、また言葉を発する…
「お待たせ、お姫様」
私は、何も言わす、あいつを見つめる…
でも、一つ、実感出来た事それは、あいつが私の前にいる事…
あいつが、私の前にいる…ずっと、ずっと待ち続けていたあいつが今、私の前にいる…
「さぁ、乗れ」
とあいつは、言う…
私は、嬉しいのに…
「格好悪い」って言う…
「仕方、ないだろ現実とは、そんなもんだ」
あいつは、言う…色々言って私は、あいつの乗る自転車に乗る…
あいつと私、新しい時間の始まり…
凍り付いて止まっていた私の時がまた再び音をあげ動き出す…
それは、喪服を着て私を乗せて自転車をこいでる、あいつが来た事で…
私は、自転車をこいでるあいつにつかまりながら、春の息吹を感じさせる風を受ける…
周りの人からみれば、変な2人だろう…
だってあいつは、喪服、私は、煤けたドレスをきて自転車を走らせているのだから…
でも、私は、構わない…そんな事気にするよりも、あいつが側にいる…
あいつの温かさを感じている…私は、あいつが好きなんだって感じてるから…
過ぎ行く季節から、新しい季節の始まりを肌で感じている…
これからは、もう私は、何があっても平気だ。
だって、あいつが側に、いてくれるから……
ほんとにこんなに長く待たせる馬鹿を、待つ私も馬鹿だけど、待っていて良かったと思う
待っていたから言える言葉がある…待っていたから感じる物がある…
この馬鹿に一言、言ってやら無いと私の気が済まないけど
取敢えず今は、この言葉を言おう…
…おかえりなさい…
…雲がゆっくり流れる空の下を、二人を乗せた自転車は、
春を感じさせる街中を、走り抜けていく…

 
留美の視点 終

 

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こんにちは〜
今回は、留美で書いてみました〜
いかがだったでしょうか?
長いのは、相変わらずですが〜
今まで、書いて来た作品と似ていますでしょうか?
ご意見、ご感想お待ちしてます〜
では〜

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