リレーSS第10話(チョコパマンの甘いワナ) 投稿者: 藤井勇気
もはや何話かも解らなくなってきましたが、とりあえず10話にさせていただきます。


澪の行方を追って、ついに学校までサボって商店街へと向かう、オレと長森。
「と……そこで皆さん、第9話までの話しを、簡単に説明しよう」
「…浩平。誰に向かって喋ってるんだよ?」
「うるさい!前回との間が開きすぎちまってるし、新人さんも参加できるように
 しようとする、このオレの心遣いが解らないのかっ!」
「言ってることが意味不明だよぉ〜」
「兎に角!まず始めに、オレとお前がいつものように匍匐(ほふく)前進しながら
 学校へ向かってたんだったな」
「全然違うよ!今朝は珍しく、ゆっくりと喋りながら歩いてたじゃない!」
「そうだっけ?」
「そうだよ!そして道端に落ちてた、澪ちゃんのスケッチブックを拾ったんだも ん」
「そうそう。で、そのスケッチブックを届けるため、休み時間に部活の
 先輩でもある、深山先輩から澪のクラスを聞いたわけだ」
「うん。すぐに澪ちゃんのクラスに行こうとしたんだけど……」
「巳間晴香とか言う変な女も同行するハメになっちまったんだよなぁ」
「(あの時の事を思い出している)やだっわたしったら………」
「次だ次。澪のクラスを見つけることは出来たんだが……」
「着替え中だったんだよねえ。浩平も無理に入ろうとするからいけないんだよ」
「馬鹿言うな!男のロマンがあれしきの事で……って!なっなんでもない!」
「えっ?浩平なんか言った?」
「いやっ!そ、そうそう、あの後出直して七瀬を連れてきたが、それも
 失敗に終わったんだよなっ(オロオロ)」
「な〜んか隠してない?」
「それよりほらっ!澪のスケッチブックの最後に書いてあった言葉!」
「『おすしなの』だったんだよね」
「ああ、今日の学食は特別メニューに寿司が出るからな。多分そのことだろうと
 思って、昼休みに食堂へ向かったんだ」
「凄い人だったよねえ、みんなお寿司目当てだったみたいだけど」
「まず眼に付いたのが、みさき先輩だった。さすが先輩、人間バキュームカー
 の異名は伊達じゃないな!」
「それ誉め言葉になってないよ……。その次に里村さんと鹿沼葉子先輩に
 会ったんだよね」
「茜も良いが、鹿沼先輩の大人の色気というか香りというか………」
「浩平……よだれ…」
「おっと、すまんすまん。しかし寿司にエビフライや、チョコレートは
 乗せないで欲しかったな……」
「わたしも、あれはちょっと……」
「その甲斐あってか(?)オレ達は、澪のいる場所を教えて貰った」
「名倉由依さんって言う、子といるって言ってたんだよね」
「そしてついに澪を見つけたかと思ったら……」
「いなかったんだよねえ」
「しかも名倉だとか言うヤローは、寿司のネタだけ先に食べるは、勝手に
 自分の世界にトリップするわ(怒)」
「まあまあ、でも2冊目のスケッチブックが見つかったから良いでしょう」
「ラーメンに寿司を入れてる奴までいやがったし……食いもんをなんだと
 思ってやがるんだ……」
「ほらあっ、そう言う話しじゃないでしょ」
「そうだった。また落ちてたのか置いといたか知らないが、次のスケッチブック
 にはまた謎のメッセージが!」
「『チョコパフェなの』が謎のメッセージなの?」
「これだから凡人は困るんだよ長森君。このメッセージに隠された、真の意味を
 お前は理解していない」
「チョコレートパフェが、食べたいんじゃないの?」
「なっなにぃ!?何故オレの考えてることが読める!?さては長森………
 エスパーだな?エスパーみずかかっ!」
「はあ……と言うわけで、わたし達は澪ちゃんを捜すためここ、パフェの
 おいしいレストランへ来たわけだね」
「ちなみに何故レストランなのかは、藤井の奴が澪のシナリオ1回しかやって
 ないので、どんな店だったのか忘れてるんだぞ」
「だから、どこ向かって喋ってるんだよ?」
「細かいことは気にするな。入るぞ長森」
「あ、うん」



「いらっしゃいませ〜♪」
ウエイトレスの営業スマイルが、オレと長森を迎える。
「ピ○キャロットへようこそ〜♪」
…と、言いたい衝動に駆られたが、さすがに追い出されるかと思い、止める。なに
考えてるんだろオレ……………。

「よし長森。手分けして澪を探すぞ!」
「うん、わかった」
それぞれ別の方角へ向かって、テーブルを見回す。
手分けすると言っても、ざっと室内を見た限りそれほど大きい訳じゃない。
テーブルが………十数台くらいか?昼頃なだけに、ちらほらと客の姿も見える。
制服姿でここにいるのも、あれなのだが、この際しょうがない。
オレはなに食わぬ顔をして、昼食を楽しむ客の顔を横目にしながら、通路を歩いた。

「こうへ〜い」
反対側で澪を探していた長森が、とてとてとオレの方に走り寄る。周りの
目もあって、呼ぶ声は遠慮がちだ。
「どうした?澪がいたのか?」
「うん…。それがいたにはいたんだけど………」
「どうせ、『おいしいの〜』とか書いて、パフェ食ってたんだろ」
「パフェはあってるんだけど……」
「ああ?」
「里村さんと南君がいたの………」



長森に連れられて、奥のテーブルへ行く。……確かに茜と南が座ってる。
テーブルには、巨大な器にヨーグルトやらアイスやらを入れたパフェらしき物が
ある。何故「らしき」なのかと言うと、その器にワッフルが大量に乗せられて
いるからだ……。まあ、茜だし……。

「フフ……ウフフ…フフフフフフフフフ…………」
向かいの席で、奇妙な笑いをしている南は、どこか眼が虚ろ…と言うより、陶酔して
いるようだ。茜と一緒にいられることが、そんなに嬉しいんだろうか?
なんか解るような、解らないような気もするが、とりあえずこいつは無視しよう。

「なあ、茜………」
「…奇遇ですね、浩平」
「お前さっき、学食にいなかったか?」
「…気のせいでしょう」
そうなのか?オレの気のせいなのか?茜に言われると、なんかそんな気がして
きたような………。
「そんな事より、上月さんを捜しているのでしょう?」
「ああ、学食にいなかったからな。あいつのスケッチブックに書いてあった
 メッセージを読んで、ここにいるかと踏んだんだが………」
「…上月さんは、ここにはいません」
「なんだって!?」
「上月さんは、「MOON.」と言うデパートの屋上に、いると思います」
MOON?聞いたことない名前のデパートだな………。
「今屋上で、「チョコパマン対キムチマン」のショーがやってますから……」
「なんだそりゃ?チョコパマン?」
「…はい。甘い物と有機野菜だけが友達と言っている、ちょっと変わった
 ヒーローです」
「あ〜わたし知ってるよ。虫歯の無い子供を見つけると、チョコレートパフェを
 無理矢理食べさせて、虫歯にしちゃうってアニメだよね〜」
それってヒーローなのか………?しかも妙に詳しいぞ長森………。
「キムチマンの方は………」
「あーもういい、もういい、デパートが解かりゃそれでいいから……」
「そうですか……」
なんか残念そうな顔してるぞ……話したかったのか茜………。
「多分、上月さんは、そのショーを見に来た子供全員に配られる、チョコパフェ
 が目的なんでしょう………」
「うわ〜澪ちゃん、そんなにパフェが好きだったんだね」
長森……そう言う問題じゃないと思うぞ……。まあ、確かに澪だったらやりかね
ないだろうな………。

(妄想中……)

「ヒャッホウ!みんなのアイドル、チョコパマン様だよ〜ん♪」
「ケッ、粋がってんじゃねえよ青二才が!。…おっと、オレの名は人呼んで
 キムチマン。キムピー♪って呼んでも、OKだぜ♪」
わき上がる拍手。絶叫にも似た声援。端から見れば、地獄絵図のような
この屋上に、いまふたりのスーパースターが、脚光を浴びる……。


ぐいぐい…
「ん〜?このチョコパマン様に、なにか用かい?」
『あのね』もじもじ…『握手してほしいの』もじもじ…
「フハハハハッお安いご用だよ、お嬢ちゃん。ほら♪」
『嬉しいの』うんうん…『ありがとうなの』わ〜い♪
「おいおい、オレには握手しねえのかよ?」
『辛いのは嫌いなの』む〜
「フハハハハッ所詮君は、辛さが取り柄のキムチ野郎さ。さあお嬢ちゃん、
 あっちで一緒にチョコパ食べまちょうね〜♪」
「……」わ〜い♪わ〜い♪
「ところで君は、どこの小学校なのかな〜?」
『失礼しちゃうの』カキカキ『高校生なの』ぷんぷん
「おっと、そいつぁ失礼、失礼。お詫びに、ヨーグルトパフェもご馳走するから♪」
『大好きなの』抱き☆

(妄想終了……)


「浩平。こうへ〜い!」
「おっ!すまん。つい妄想モードに………」
「はあ……とりあえず、言ってみるしかないね。そのデパートに」
「そうだな…。またすれ違いにでもなったら、嫌だしな。茜…教えてくれて、
 サンキュー」
茜に礼を言って、オレ達は駆け足で、店を出た。

だが、気づくべきだったのだこの時に……そう、オレ達と話している間、
ワッフルパフェ(勝手に命名)に一口も手をつけていなかったことに………。
あの甘党の茜が、獲物を眼にして我慢できるわけがないと…………。

「…気をつけてくださいね……『折原君』」
浩平達が出ていった後に、茜がぽつりと呟く。そしておもむろに顔に手をかけ……

ベリリッ!

皮を剥ぎ取った………。

「クックック……この天才住井様にかかれば、折原なんぞ、芋虫を握りつぶす
 よりへちょいぜ」
カツラを脱ぎ捨て、いけだものさん笑い(いけだものさん、ごめんなさい(^^;;)
をした住井は、スカートのポケットから、携帯電話を取り出した。
「……………」
二、三言、返事をした後、携帯を切る。
「クックック……これで、折原の泣き叫ぶ様が見れるというもの………。なあ、南」
「す、住井………」
「どうした?」
「その……頼むからもう一度だけ里村さんになって……『南さん好きよん♪
 キャン☆』って、言ってくれないかな……」
「み、南お前……そこまで…………(汗)」


さあ、浩平達の運命や如何に?そして住井の貞操は(笑)


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華穂「……藤井さん」
勇気「あい、なんでしょう?。説明的に言うと、僕が勝手に名付けた
   繭の母親の、椎名華穂さん」
華穂「本当に説明的ですね……。そんなことよりこのお話しって、主旨はなん
   なんですか?」
勇気「しゅしぃ?んなもんいちいち考えて、こんなもん書けっかーーーっっ!!」
華穂「はあ〜〜〜やっぱり……」
勇気「最近、シリアスなSSが多いから、たまには良いでしょ♪」
華穂「久しぶりに投稿したと思ったら、こんなSSですか……」
勇気「一応、シリアスも考えてますから、心配ないって」
華穂「はあ〜〜〜感想は、別に出すそうですから、今回はここで失礼するそうです」
勇気「メモ帳の使い方が解ったので、すぐに出せると思います。それではまた〜♪」