これもまた一つの日常3 投稿者: 藤井勇気
7月△日くもり

今日、学校でこくばんに変なことをかかれた。
みあはさいとう君がやったといっていたが、さいとう君はやってないといった。
どっちなのかよくわからない?





「繭っ、今日も頑張ろうね」
みあと学校の校門であう。
「ねーねー、今日数学のテストがあるんだよねー。嫌になっちゃうよねー?」
「うん…」
いつものようにみあとおしゃべりをしながら、教室へむかった。

「おはよーっ」
みあが元気よくドアを開ける。そしていつもどうりに返事が………
「あれ?どうしたのみんな……」
……返ってはこなかった。

「なんか元気無いね〜……」
みあが、ちかくにいたクラスメートに話しかける。でも、口をきかない。
「ちょっと、どうしたっていうのっ」
みあが教室にいるみんなをぐるりと見回し……そのしせんがこくばんの前でとまった。

「……なに…あれ?」
こくばんに、なにかかいてある。なんてかいてあるかは、よくわからない。
「ちょっとぉっ、なによあれっ!」
もう一度、みあがぐるりとみんなを見回す。でも、みんな下をむいてたり、
べつの方向をみたりして、わたしたちに顔をあわせようとはしない。
「あんな事書かれて、なんで誰も消さないのっ!」
今度はべつの子に話しかける。でも、答えない。
「一体誰が………まさかっ!?」
みあが、一番うしろのせきにすわっていたさいとう君のところに、あるいてゆく。

「ちょっと!あれあんたが書いたんでしょうっ!」
「はあ?なんでオレなんだよ」
「あんたしかいないでしょっあんな事書く奴はっ!たしかこの前の時にも、
 黒板に変なこと書いたのは、あんただったはずよっ!」
「だったら……、証拠はあるのか?」
「そんな物無くても、絶対あんたに決まってるわよっ!」
「それだけで犯人扱いされたんじゃ、堪ったもんじゃねえよな……。なあ、みんな?」
「…………………」
みんなだれも答えない……。
「くっ……うう…………」
「みあっ!?」
みあがとつぜん、教室をとびだしていってしまった。
「へっ、白川の奴逃げちまいやがったぜ。情けねえ……」
さいとう君が……、わらいながらいう…。
「……」
「おっ、なんだ椎名?怖い顔しやがって。…お前もやる気か?」

「ばかっ!!」

おもいきりそうさけんで、わたしも教室をとびだした。みあをおって………。



「…みあ」
みあは、かいだんのおどりばに、しゃがみこんでいた。
「……ひっく…ぐすっ…」
……みあが泣いてた。はじめてみあが泣いてるのを見た。
「みあ」
「…ごめんね、繭。わたしなにも出来なかった……。いつも…繭の事守って
 あげるねって思ってるのに…さっきの時、わたしなにも出来なかった……。
 ごめんね……ごめんね…」
いつも元気いっぱいで、どんなときでもわらっていたみあが、泣いてる……。
なんだか…むねのあたりがいたくなった…。でも………

「ありがと、みあ…」
「えっ?」
いって、みあの頭をなでる。前にみずかおねえちゃんやおかあさんが
してくれたように……。
みあがきょとんした顔で、わたしを見つめる。
「…なんで…ありがとうなんて言うの?おかしいよ繭……」
「みあはどうして泣いてるの?」
「どうしてって……絶対斉藤が犯人だと思うのに、それが証明出来ない事の
 悔し涙と……繭の為になにもしてやれなかった事の、涙だよ………」
「だから、ありがと……」
「えっ?だからなん……」
「みあが……わたしのために泣いてくれたから…」
「繭……」
「みあは泣くよりも、わらってくれた方がわたしは好きだよ……。
 だけどうれしかった……わたしのために泣いてくれたのが…。
 ほんとにうれしかったよ♪だから…ありがと……」
「う……まゆ……ぐす…うわああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーんっ」

みあはそれからしばらく泣いた…。
そのあいだ、わたしはずっとみあの頭をなでてあげた……。
前に浩平がしてくれたように………。



「ありがとう、繭。もう…大丈夫だから…」
「…うん」
「えへっ…やっぱり繭って強いよね……」
「ほえ?」
「な、なんでもないよ。…もう大丈夫だから、教室もどろ」
「うんっ」
「今度は大丈夫っ。斉藤の奴がなに言っても、その前にぶっ飛ばしてやるからっ」
「うっうん……」

そのあと、教室にはいったけど、こくばんのらくがきはきれいに消されてあった……。


7月□日くもりだったけどはれ

今日は、みゅーのおねえちゃんにせいふくを返すため、家をさがした。
とちゅうで道にまよったけど、同じせいふくを着たおねえちゃんと、
ちがうせいふくを着たおねえちゃんたちに、てつだってもらって
みゅーのおねえちゃんにあえた。





「繭、本当にひとりで大丈夫?」
「うん…」
「なにかあったら、すぐに電話してね。電話番号と住所書いた紙、ポケットに
 ちゃんと入れておくのよ」
「うん」
「じゃあ、気を付けてね…」
「うんっ、いってきます♪」
おかあさんにあいさつをして、わたしは大きな紙ぶくろをかかえて出発した。

これからみゅーのおねえちゃんにあいにいく。
家のばしょはクリスマスに、いちどだけいったからわかるとおもう。
いままで着てたせいふくは、みゅーのおねえちゃんのものらしい。だから
返しにいく。
おかあさんが、みずかおねえちゃんにわたしておけばいいといったけど、
わたしが自分で返すことにした。
…おねえちゃんにあって、ちゃんとお礼をいいたいから……。

前に、お姉ちゃんにつれられてきた道を思い出す。
たしか、こっちだと思った……。
しんごうをわたって、右の道にすすむ。そのまままっすぐいって、また右にまがる。
紙ぶくろがおもかったけど、気にしない。
こーいって…あーいって…あとは、ここの道をぬければ……、みゅーのおねえ
ちゃんの家へ……………


「みゅっ?」

しらないこうえんにでた………。
「みゅっ?みゅっ?」
どこだろここ……?見たことないところだ…。
しらないところ。みたことないところ。道…まちがえたのかな?
どうしよう……。そうだ!おかあさんにでんわしてみよう。おかあさんなら
わかるかもしれない。
スカートのポケットから、でんわばんごうのかいてあるメモをだす…………

「……」
ポケットに穴があいてた………。

ど、どうしよう………。
「う…うぐぅ………」
うぐっ、泣いちゃ……だめなのに…。
……なでなで。
「…みゅ?」
だれ…?だれかが頭をなでてくれてる…。
『ないちゃだめなの』
白い紙いっぱいに…泣いちゃだめってかいてある。
それをもったまま、女の子がわらってる…。
…なでなで。
また…なでてくれる。

「あーっかっわいーっ♪」
「みゅーっ!?」
いきなり横から、髪の長いおねえちゃんがだきしめてきた。
「可愛い〜♪可愛い〜♪ねえ、この子もしかして澪ちゃんの妹?」
「……」…ふるふる。
「そうだよね〜、やっぱり違うよね。でも……可愛いーっ♪」
「みゅーー…………」
いきが…できない……みゅ〜〜…………。

「またですか……詩子…」
「あっ茜」
ぱっと、だきしめていたうでがはなれる。みゅ〜……たすかった…。
「そちらの方は……確か…」
みつあみのきれいなおねえちゃんが、顔をちかづけてくる…。
「…確か、椎名繭さんでしたね?」
「う、うん……」
びっくりした。なんで名前しってるんだろ?
「茜、この子の事知ってるの?」
「…はい。前に同じクラスでしたから…」
「同じクラス?この子が!」
「覚えてませんか?わたしのこと……」
みつあみのおねえちゃんが、わたしの顔をのぞきこむ。
緑色の大きなひとみが、とってもきれい……。
そうだ…前にも見たことがある。浩平の学校にいってた時に、見たことがある……。
一度もしゃべったことないけど、すごくきれいなおねえちゃんだったって
思ってた………。
「思い出してくれましたか?」
「うん…」
おねえちゃんがにっこりとわらう。やっぱりきれいだと思った。
「あー、なによ茜ばっかりこの子の事知ってて、あたしは蚊帳の外って訳なの。
 それってひどいんじゃない?ねえ、澪ちゃん?」
「……」…おろおろ。
「詩子…。上月さんが困ってます…」
「じゃあ、あたし達にも解るように説明してよ」
「…解りました」

それから、みつあみのおねえちゃんが、他のおねえちゃんたちにわたしが
浩平の学校にいっていたときのことを、話しだした。


「…わたしも詳しいことは解りませんが」
「ふーん……そんなことがあったんだ」
「……」…うんうん。
よくわからないけど、みんなうなづいてる。
「えーと、それじゃ…繭ちゃんで良いかな?」
「うん…」
「さっき澪ちゃんが泣きそうな顔してたって教えてくれたけど、なにかあったの?」
「あっ…」
すっかりわすれてた……。みゅーのおねえちゃんに、せいふくを返さなきゃいけないんだ。
…でも、もう道がわからない。
「…繭ちゃん」
うぐー…せっかくみゅーのおねえちゃんに、あえると思ったのに…。
「…なにか困ったことでもあるんですか?良かったら話して下さい」
「うん…」

おねえちゃんたちに、みゅーのおねえちゃんのせいふくを返しにいくことを
はなした。そして、道にまよったこともはなした……。

「…なるほど。…解りました、一緒に探してあげます」
「ほんと…?」
「…はい。嘘はつきません」
「みゅーっ♪ありがとっ」
あんまりうれしくて、みつあみのおねえちゃんにだきついた。
「あーっ、また茜ばっかずるいー。いいもん、あたしには澪ちゃんがいるから。
 ほ〜ら澪ちゃん、抱きついてきて良いよ〜♪」
「……」…おろおろ。
「詩子…。上月さんが嫌がってます…」

そのあと、おねえちゃんたちもてつだってくれて、みゅーのおねえちゃんたちの
家にいくことができた。
みつあみのおねえちゃんは、前にみずかおねえちゃんと、みゅーのおねえちゃん
といっしょに帰ったことがあるみたいで、さがし始めてからすぐに見つかった。

みゅーのおねえちゃんはびっくりしてたけど、わらって頭をなでてくれた。
今日は、ともだちがたくさんたくさんできた。みゅー♪


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 勇気「どうも〜藤井勇気です♪」
 みあ「白川みあ(仮名)で〜す」
ガシャン!
 勇気「今回は、クラスメートに嫌がらせを受けて、それを止めることが
    出来なかったみあの、自分や他人に対する怒りや悲しみ、
    そして繭を助けることが出来なかったと言う罪悪感などを
    書いてみました。下手な文章ですけど、そう言う部分が
    少しでも解ってくれれば幸いです♪」
 みあ「藤井にしてはまともだよね」
ガシャン!
 勇気「このシリーズだけは自分なりに満足できるような出来にしたいと、
    思っているからね♪」 
 みあ「下手の横好きがよく言うわね」
ガシャン!
 勇気「さっきから奇妙な音が聞こえるんだが…?」
 みあ「自分の身体見てみて」
ガシャン!
 勇気「ん?はいぃぃぃぃ?いつの間にやら、身動きが取れなくなってる!?」
 みあ「あんたが話してるスキに、この手錠で手足を固定してあげたのよ」
 勇気「むぅっ!ぬかったわ……」(気付よ)
 みあ「このSSの前半では、よ〜くもわたしを泣かしてくれちゃったり
    したわねえ〜〜……」(釘バットを手に持つ)
 勇気「嫌あぁぁぁぁぁっ!堪忍やあぁぁぁぁぁっ!!ほんの…ほんの…
    出来心だったんやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!」
 みあ「またそうやって、人様のギャグを使う…。ケツバット決定ね」(ニヤリ)
 勇気「嫌あぁぁぁぁぁっ!釘バットでケツバットの刑は
    嫌あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!」(暴れる)
 みあ「しかも澪さんのなでなでするところは、前にあんたが書いた
    SSのネタと同じじゃない!二度も同じ事をして、良いと思ってるの!」
 勇気「後生やあぁぁぁっ!他に思いうかばんかったんやあぁぁぁぁぁぁっ!」
 みあ「死ぬ前に言っておきたいこととかあるんだったら、
    今の内に言う事ね」
 勇気「じ、じゃあ……感想を…………」
 みあ「この状況でそれかいっ!」
 勇気「まだ全員の感想は出来上がってないので(最近新しい方も増えて
    一日のSS投稿数が多いです)今現在書けた方の分だけ
    感想させていただきます」


いけだものさん
>俺と茜の学園祭(その6)
ナイスタイミング詩子♪もしかして狙ってたんじゃないのか?(^o^)
抹茶生クリーム、美味しそうです♪学園祭が楽しみですね〜♪
七瀬…君はもう、乙女とは呼べないよ…、まてつやさんの言うとおり猿だよ(僕が
原因ですけど)
 
だよだよ星人さん
>10 YEARS AFTER
繭と浩平のドライブと言うのが良いのですが、なによりその背景描写の
説明に感心しました♪
だよもん教でもそうでしたが、そう言うところの説明が上手いですよね♪
ほんと人様のSS読むと勉強になります♪

enilさん
>新たな身体 本編
浩平の新しい身体って一体なんなんでしょうね?もしかして猫とか(^^;;


 勇気「短いですけど、まだ感想はここまでしか書いてません」
 みあ「じゃあ行くわよ!ケツバット100万回の刑!!」
 勇気「嫌あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!」