はじめましてっ! 投稿者: 奈伊朗

どーも始めまして。奈伊朗というモノでございます。
前々から、私もなんか書いてみたいなー。なんて思ってて、三つくらいネタを
考えたんすが、一番最後に考えたのが何となく纏まったんで、ぼちぼち書こ〜か
なってとこで、ホームページ改編。
SSボードの危機か?
急がなくっちゃ。でも、書き込み方がよくわかんないよ〜。
と、ゆーワケで。書き込み練習にきましたぁ。失敗したら御免なさい。
因みに↓コレは、二番目に考えたヤツの番外でーす。

************************************

これは学園内超常現象調査組織「Occult Noesis Expertus」の極秘調査ファイ
ルに基づくものである。
なお、彼らの調査内容は極めていい加減である!
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
『不思議特捜隊ONE』番外編(激突、封印されし二つの闇) 大須 奈伊朗
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
------これまでのお話------
似た境遇に在り。お互いを理解し。だからこそ、決して折り合う事はない・・・。
生き方の根本的な齟齬を悟った二人。
澪とB太郎が、今まさに袂を分かとうとしたその時。氷点下のギャグとともに
現れた、一人の女生徒。
アンバランスみさきの、目的は如何に・・・・・・・・・。
澪は、B太郎君を守れるか? (ネタバレの方から続いてます)

「壁のない世界は、永遠の世界だよ。Bちゃんは、私と一緒に永遠の世界に行く
んだよ。詩子ちゃんが壊れちゃって、ちょうど退屈してたんだ。だから今度は、
Bちゃんと遊ぶんだ。男の子なのがポイント高いなっ。お姉さんがいろんな遊び
を教えてあげるからね」
それを聞いて、思わず顔を赤らめ、俯くB太郎。
―――いっ・・・いろんな遊び・・・・・・ですか。《画像》
「Bちゃん、意外とエッチだね。でもなるべく期待に添えるよう善処するよ」
パコッ、パコッ、パコッ。澪のスケッチブック攻撃が、B太郎の脳天に炸裂す
る。
「すまない澪君。思わず想像してしまった・・・これは男のサガなんだっ!」
手話で言い訳しながら、逃げ回るB太郎。
「お遊びはこの辺にして、そろそろ永遠の世界に行こうよ。Bちゃん、わたしの
目を見てごらん」
『ダメッ。その人の目を見ちゃ駄目ですのっ』
だが、時既に遅く。澪の記憶からB太郎が、どんどん薄れていく・・・・・・。
澪は、躊躇しながらも頭のリボンに手を掛け、震える指でそれを髪から解いた。
・・・・・・澪の瞳に、冷酷な火が灯る。
獲物を嬲る猫のような眼差しで、みさきを見据え、澪は口を開いた。
「みさき先輩。やはりあなたが、謎の生徒連続失踪事件の犯人だったんですね」
如何にも澪らしい声だか、口調は高圧的だった。澪らしくもあり、別人の様で
もある言葉。
みさきがゆっくりと澪に振り返ると、その視線から開放されたB太郎は、糸の
切れた人形のように、その場に崩れ落ちた。床に這い蹲いながらも、必死に手話
で澪に話しかける。
「澪君、キミは本当に澪君なのかい? 君は喋れるのかい?」
みさきに視線を向けたまま、澪が答える。
「わたしは、普通の人には無い“力”をもって産まれてきたの。それは小さな子
どもの手に余る、危険な力だった。大人達は或る人に頼んで、言葉を喋る能力と
共に、その力を封印した。その時一緒に、上月澪本来の心も閉じ込められてしま
った。それが、わたし。あなたの知っている澪は、その隙間を埋めるために生ま
れてきた仮初めの人格に過ぎない・・・」
「それじゃあ、僕の知っている上月澪は、もう死んだのかい!?」
それを聞いて、澪の表情が元に戻る。そしてスケッチブックに、キュッキュッ
と文字を書き、B太郎に見せた。
『B太郎君アニメの見過ぎっ! わたしはちゃんと生きてるの。非常事態なんで、
ちょっと交替しただけですの』
そういって微笑む澪の意思とは無関係に、その口が言葉を紡ぐ。
「あんた鬱陶しい。暫く眠ってなさい」
澪の表情から微笑みが消えた。スケッチブックが床に落ち、サインペンが転が
る。
「澪君はさっき、連続生徒失踪事件っていってたけど、何のことだい? そんな
話し、僕は聴いたことないよ」
「知らないのも当然ね。生徒が消えたと主張してるのは依頼者だけで、それ以外
の人は皆、そんな生徒は最初からいなかったといっている。実際どんな資料を調
べても、そんな人物の記録はなし。それだけなら精神科医の仕事ね・・・。でも、
それが複数いたら。そして、お互い面識の無いそれらの依頼者の証言に、少なか
らず共通点があるとしたら。それは・・・不思議というものでしょう。――不思議
とあらば、わたし達“ONE”の出番だわ」
「ONE・・・。この学校に、超常的な現象や事件の調査解決を有料で請け負う、
生徒会未公認のサークルがあるという話しは、僕も聴いた事がある。澪君は、そ
のメンバーだったのか?」
「そして・・・その共通点のひとつが。――みさき先輩、あなたです!」
そういって澪は、鋭利な視線を川名みさきに送る。
「わ―――い。やっと、わたしのところに話題が来たよー。嬉しいよー。澪ちゃ
ん、話しが長いんだもん。わたし、とっても寂しかったんだからね」
「さて、みさき先輩。大人しく観念するもよし。抵抗して、わたしを楽しませて
くれるのもよし。お好きになさい」
だが、みさきは全く臆する様子もない。
「澪ちゃんの中に“力”が眠っているのは、何と無く気が付いてたよ。ONEが
最近、わたしの周りを嗅ぎ回ってるのも知ってた・・・。でも澪ちゃんが、ONE
のメンバーだったのには驚いたよ」
澪と対峙するみさきの隙を突いて、脱兎の如く逃げ去るB太郎。だがみさきは
それを、気にも留めない。
みさきの興味は既に、完全に澪に移っていた。
「澪ちゃん、わたしを捕まえるつもりなのかな? ムリだよ。だって格が違うか
らね」
そう言いながら、澪に向かって歩きだす。
澪は、みさきを指差し言った。
「みさき先輩。――あなたはもう、其処から一歩も動けない」
みさきの歩みが、ピタリと止まる。一瞬小さく息をのみ、そしてそれをゆっく
りと吐き出しながらみさきは言った。
「言霊使いか・・・。意外とやるもんだねー」
相手の言葉からその霊波を読み取り、それと同調する言葉を発し相手を操る、
それが澪の能力“言霊”である。人は、自分の意思で呼吸をとめる事は出来ても、
心臓はとめられない。澪の言霊は、そんな相手の意識下にまで及ぶ絶対暗示であ
り、そこが催眠術と決定的に異なる。
「そんな呑気な事言ってる場合じゃないですよ。だって――先輩はもう、指先ひ
とつ動かせない」
みさきの身体が硬直する。
「澪ちゃん。わたしみたいなタイプはね、怒らせると意外と恐いんだよ」
「その減らず口も此処までです。――先輩はもう、喋れない」
それを聞いて、みさきの口元が微かに歪んだ。そして、クスクスと喉の奥から
押し殺した声を洩らしながら、再びゆっくりと歩きだす。
「あれぇ。おかしいな、何とも無いよ・・・澪ちゃん」
その顔に、驚愕の色が浮かべ、みさきに歩調を合わせるように後退る澪。
「其処から一歩も動けないのは、澪ちゃんじゃないのかな?」
その言葉と同時に、澪の足が止まる。そしてその顔から血の気が引いていった。
「呪詛返し? そんなバカな・・・・・・」
澪の言葉は、僅かに震えていた。
「そして澪ちゃんは、指先ひとつ動かせない」
澪の身体が硬直する。澪は、慌ててみさきに新たな言霊を投げ掛けた。
「――あなたの全身が、燃えあ・・・・・・」
だが澪の放った言霊は、途中でみさきの言葉に遮られる。
「そして、もう喋れない」
みさきは、顔面蒼白で口をパクパク動かしている澪に歩み寄ると、その直前で
止まり、澪の身体に腕を廻し抱き寄せた。
長身のみさきと小柄な澪には、頭一つ分の身長差がある。みさきは自分の胸に
埋まった澪の頭に、上から囁きかけた。
「つーかまえたっ」
澪の身体が小刻みに震えだした。冷たい汗が、全身から噴きだす。みさきの声
より、自分の心拍音の方が大きく聞こえた。
「わたしも澪ちゃんと同じなんだ。“力”をもって産まれてきたんで、視力と一
緒に封印された。大人って酷いよね・・・。でも月日が経つうちに、段々いろんな
ものが見えるようになって、また力が使えるようになったんだよ。今じゃ、わた
しに見えないのは光だけ。それ以外は何でも見えるんだ、だからわたしには澪ち
ゃんの心も見えるんだよ。だって・・・あなたの心は闇だもの。澪ちゃんの真似し
て、言霊を返す事くらい簡単なんだ。澪ちゃんとわたしの力を封印したのは、多
分同じ人だよ。もうこの世にはいないけどね。澪ちゃんも知ってるでしょ、そい
つがもう何年も前に、仕事中の事故で死んじゃったのは。ウフフ・・・そうだよ、
澪ちゃんの考えているとおりだよ・・・。そいつを殺したのは、わたしなんだ。そ
の時の光景を見せてあげるよ。澪ちゃんの一番憎い奴が、グチャグチャに潰れち
ゃうところ・・・わたしの見た最後の光」
暫くの静寂の後、澪の身体がガタガタ震えだし、やがてみさきの腕の中でビク
ビクと痙攣した。胃の中の物が逆流し、澪の顔とみさきの胸の間から溢れ出す。
吐瀉物は、二人の間を流れ落ちビチャビチャと床に広がった。
「澪ちゃん。タイ焼きはどうして、タイ焼きなんだと思う? タイ焼きは、誰が
どう見てもタイ焼きだけど、それはタイ焼きが自分をタイ焼きだと思い込み、自
分はタイ焼きだと自己主張し、そしてよりタイ焼きでありたいと望んでいるから
なんだ。本質がタイ焼きだからじゃない。だから澪ちゃんが今吐いた物みたいに、
形が残らないくらいグチャグチャに潰しちゃえば、それがタイ焼きだったのか今
川焼きだったのか見分けがつかないんだよ」
澪が、喉の奥で下品な音をたてる度に、汚物が二人と床を汚していく。
「人間の体も、潰して血と肉と骨の混ざった汚物にしちゃえば、みんな同じ。
――優しい人は、自分をそう思いたくて、他人にそう見られたくて、外見だけ装
ってるんだ。そうやってお互い、強い人や賢い人を演じ合って、それで納得し合
って。その実、中身は皆アンコが詰まってるだけなんだ。――つまんないよね、
そんなのくだらないよ。だからわたしが壊すんだ。この学校、この街、この国、
世界中の人間をグチャグチャに潰してやる」
みさきに抱きしめられた澪の身体が、滑稽なほど震え歯の根も合わない。その
癖、自分の意志では指一本動かせず、それが澪の恐怖を更に増幅する。全身の
血が、下腹部に集まっていくような気がした。
真夏の炎天下から、急に冷凍倉庫に入ったような悪寒の中で、股間だけが不自
然に温かい。
「無理? そんな事、出来っこ無いって? アハハ、いいんだよ。わたしの尊敬
する先輩が言ってたんだ。結果なんか問題じゃない、何処まで出来るかがおもし
ろいんだ。ってね・・・。――命と引き換えにしてまで、わたしの力を封印しよう
とした奴は、結局犬死にだった。封印するどころかわたしの力に、完璧な闇とい
う属性を与えただけだった。だからわたしは、この力で仕返しするんだ。一人で
も多くの人間を道連れにして・・・、わたしも犬死にしてやる。――あいつは、わ
たしの幸せの為に“力”を封印するんだって言った。でも、わたしはちっとも幸
せなんかじゃないよ。――幸せになんか、なってやるもんかっ!」
澪の腹がゴロゴロと音をたて、腸を直接揉みくちゃにされたような激痛が下腹
部を襲う。下半身が段々重くなっていく感覚を覚えた。
生命の危機に曝されながらも何故か澪の心は、もうじき自分が仕出かすであろ
う最悪の醜態に焦燥した。
「澪ちゃんは、喋れないもう一人の澪を、取るに足らない自分の出涸らしだと思
ってる。だからその澪が、皆に認められ、愛されてるのが我慢ならないんだ。で
も、それは違うよ。二人の澪は光と影、喋れない澪が耀いて見えるのは、本来人
間に必ずあるネガティブな部分。即ち、あなたが欠落している張り子の人格だか
らだよ。そしてそれは、あなたも同じ。所詮あなたは影であり、闇じゃない。だ
から、わたしとは各が違うんだ。――否定したって駄目だよ。あなたは、とっく
にそれを認めている。だって、わたしの胸で歯をガチガチ鳴らして、仔猫みたい
にガタガタ震えてるじゃないか。ボロボロ涙を流して、心の中でもう一人の澪ち
ゃんに。助けてっ! 助けてっ! って、泣き叫んでるじゃないか。下着をぐっ
しょり濡らして、足元に水溜まりを作っちゃったじゃないか。――そうだよ、そ
の調子だよ。怒り。憎しみ。殺意。なんて心地良いんだろう・・・。――それが闇
なんだ。あなたが本当の上月澪になるには、その闇でもう一人の澪を喰えば良い
んだ。――わたしが手伝ってあげるよ。闇に染まって、わたしの仲間になるのも
よし。拒否して詩子ちゃんみたいに、グチャグチャに壊れちゃうのもよし。お好
きになさい」
みさきは、両手で澪の頭を挟み上向かせると、何も映さない冷たい瞳で澪の顔
を覗き込んだ。
その時澪は、みさきの瞳は何も映さないのではなく、闇を映している・・・。否、
瞳の中に底無しの闇があるのだということに気が付いた。
「特別に澪ちゃんには、わたしの取って置きを見せてあげるよ。光を失って以来、
わたしがずっと見続けてきた永遠。――永遠の闇をね」
心がドロドロに溶かされて、みさきの瞳に流れ込んでいく。全身が脱力するの
を止められない。まるで瞳から魂を吸い取られているかのように、澪の瞳孔が広
がっていく。
括約筋が弛緩すると同時に、澪のスカートの中から粘着質のくぐもった破裂音
が響いた。

************************************

わあぁぁぁっ! みさき先輩が、完全にロストしてるっ。
悪のアンバランスみさきに圧倒され、出てきていきなり大ピンチのオマヌケな
ドッペル澪。
澪を救うのは、いったい誰だっ!

・・・実は、誰も澪を助けない。だって、この話しはこれで終わりなんだもんっ。
もう駄目だ! 澪。
あきらめるんだ!! 澪。
(おわり)

群衆A 「何じゃ、こりゃあーっ! たんに澪をビビらせて、イジメてるだけじ
ゃないかぁーっ!」
群衆B 「初投稿で、いきなりウンゲロ話しを書くんじゃないっ!」

たいへん、申し訳ございません。(特に、食事中の方)
目立ちたい一心で、安易な方向に話しが流れてしまいました。


僭越ながら、感想でございます。


『真夏の恋人』
『永遠を見つめて』 WILYOU 様

『真夏の恋人』は、途中から無理なく予想外の展開になるのが、巧妙ですねー。
『永遠を見つめて』は、そのパロディーになってるんですね。おもしろかったで
すぅ。


『同棲−1−』 スライム 様

浩平、長森家に居候! 今後の展開に期待しちゃいます。
実は、私が今考えている話しにも瑞佳の家族が登場する予定なのですが、長森
家ってどんな家族構成になってるんでしょうか?
私の方は、猫を8匹も飼っているんだから、大きな家の大家族。
話しの都合上、瑞佳は三人姉妹の末っ子・・・と、ゆーことになりそうですぅ。


『二人のしいこ −1−』 KOH 様

詩子には、幼い頃生き別れになった、双子の姉がいた? 或いは、単なる他人
の空似? それとも、矢っ張りドッペル詩子?
処で、詩子さん。あんまり学校サボって、ドッペる(落第する)詩子にならない
ように。←大きなお世話だぞ


『涙を越えて NO.4』 火消しの風 様

登場人物の、会話のテンポがよくてお見事ですぅ。
おもしろかったです。
それにしても、瑞佳は良い娘だなぁ。


それではこの辺で。