【113】 永遠の世界の秘密 |
感想、ありがとうございます。 現在、某鍵の某ゆーいち君とともに、 雪の降る街で、精神をズタズタに引き裂かれているので、 なかなか、SSが書けなくて苦しんでいます。 あと、ちょっと気を抜くと、すぐに18禁SSになってしまうので、 このあたりは、気をつけるよう努力するように善処する所存です。 ----------------------------------- 朝、起きたら、俺は瑞佳だった。 ………。 起こしてくれたのは、浩平の姿をした瑞佳だった。 「まだ着替えていないよね。よかった〜」 状況が飲み込めないまま、鏡を見せられた。 よくある話だが、中身が入れ替わったらしい。 「目を開けたらダメだよ。着替えは私がやるからね」 それは、まあしかたないが、 この状況を客観的に見ると、 男子高生が女子高生で着せ替えしているように見えると思う……。 うらやましいぞ…。 「はい。おわり。学校行くよ」 通学路の曲がり角で、いつものように七瀬とぶつかる……。 「みゅーっ」 七瀬……の姿をした、繭らしい……。 俺は起きあがらせると、学校へと急ぐ。 「よお……。その走り方から判断すると、浩平だな?」 繭、の姿をした……誰だ? 「おいおい。俺が誰だかわからないか?」 「氷上…か?」 「住井だ!」 いきなり殴られた……。 会話だけで分かるわけがない。 ちょっと待て。 ということは、住井……、繭の体を隅々まで……。 「七瀬や長森や里村だったら、もっと堪能できただろうなぁ」 ううう……。なんだか、うらやましい。 「長森の体を堪能した感想は?」 「……何も見てない」 凍りつくような目でにらむなよ。 本当に、見てないんだってば。 ……って、信じていないだろうな……。 どうせ、トイレにでも行けば、嫌でも見ることになるだろうし……。 「しゃべれるの。うれしいの。でも、何も見えないの。悲しいの」 ……なのなの娘か……。 みさき先輩の中に入ったな……。 『見えるのは良いけど、話せないよ』 たどたどしい文字……。みさき先輩は、澪の体か……。 俺たちは体育館に集められ、体育教師の姿をした校長の話を聞いた。 昨日、この校舎内にいた人が異変に巻き込まれていて、 原因などは、どうやら、何も分からないらしい。 「はぁ……。乙女どころか、むさくるしい男になるなんて……」 ため息をついているのは、住井の中にいる七瀬か。 トイレから出てきたところをみると……、幻滅したな……。 まあ、そうやって大人になっていくんだ……。 (そんなわけないだろ) うきうきとした表情でトイレに行くやつらは……。 まあ、そういう目的なんだろうな……。 俺は……下手なことをして、 長森に半殺しにされるのは嫌だし…。 我慢しよう………。 他の知り合いは………。 「…失敗です」 茜の中にいるのは、……茜? 「ちょっと来い、茜」 俺は茜をズルズルと中庭まで引きずってきた。 「…浩平……???」 「ああ。茜、お前、何をした?」 うつむいて、一分、二分、三分………、二十分…。 「おい!」 「…失敗しました」 「何を!」 「幼馴染の、あの人を呼び戻すのに……」 ええと、ということは? 「あの人は、誰かの中に戻ってきました」 「ほほう」 「そして、その誰かは体から追い出されました」 「……そりゃ、まずいんじゃないか?」 「追い出された誰かは、別の誰かの中に入りました……」 そういうことか……。 んじゃ、まてよ? 誰かが、余っていることになるはず……。 「このままだと、追い出されて浮遊している人が消えてしまいます」 「なんだって?じゃあ、急がなきゃ」 「…戻せるよう、努力します」 「早くしてくれ」 茜は、地面に妖しげな模様を描くと、 ピンクの傘を開いて、中央に立った。 「………ゥ…W…c………ツ……」 妖しげな呪文を唱えると、校舎内から、叫び声。 「戻った!」 「キャー。あたしの体!」 「なんだったんだ?」 フッと、長森の意識が流れ込んできた……。 それと同時に、俺に対する優しい、甘い想いを感じた。 長森……、お前、俺のこと……。 「うわっ!」 俺の意識は長森から引き剥がされた。 そして、そのまま、空中へ……。 「えいえんは、あるよ……」 え?おい。ちょっと待て。 俺の意識は、少しずつ薄らいでいく。 おい!こら! 「浩平……。別の誰かが永遠の世界に行くまで、待っていてください」 茜!お前か!お前が、永遠の世界に飛ばしていたのか! 「運が良ければ、すぐ戻ってこれます」 それって、誰か、呼び出す人がいないと、 戻って来れないという意味じゃないのか? 俺を待っていてくれる人って、いるのか? うわぁ……、意識が、意識が消える……。 「えいえんは、あるよ……」 ---------------------------------- しまった……。 ぼんやりしている間に、 妖しげな物を書いてしまった。 プロットも無しに、 思い付きで書いていると、 たいてい、こうなります。 |