【85】 そして、詩子の物語
 投稿者: たかひろ(Tire)猫 <maskotcm@kyuushu.interq.or.jp> ( 男 ) 2000/4/2(日)19:05
またもや、思いつきで、ON書きさせていただきます。[^_^]/
皆さんの文章を読んでいると、私としても、何か書かねば、という意欲がわいてきます。

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 ……雨。
 冷たい雨は、苦い思い出を連れてくる。

 元は、空き地だった場所……。
 景色は変わっても、目をつぶれば鮮明によみがえる。

詩子 「あーあ。彼氏、欲しいなぁ〜」

 欲求不満というほどでもないが、
 青春に物足りなさを感じている乙女……。
 いや、乙女は七瀬の専売特許だ。
 青春に物足りなさを感じている、おとぼけ娘が一人。

詩子 「……?何か、今、バカにされたような視線が……」

 独り身には、雨は冷たい。
 しかも、むこうには、アツアツの二人がいるとなれば、なおさらだ。

詩子 「あ、犯罪者くん!」
浩平 「おお……。って、誰が犯罪者だ!」
詩子 「じゃあ、強姦魔くん!」
浩平 「誰がだ!」
詩子 「茜を襲ったのは、だ〜れかな〜?」

 くっ……。そういう言い方をするか?
 だいたい、あのときは、茜が抵抗しなかったから……。
 ……抵抗しても、無理やりやっちまった…、か…?

詩子 「や〜い。図星だ〜」
浩平 「…うるさい!お前も襲うぞ……」
茜  「…ひどいです」

 げっ!あ、茜……。

茜  「私だけでは、物足りないのですか?」
詩子 「あーーーっ!泣かしたーーーっ!」

 うるさい!うるさい!うるさい!
 人が見てるだろ!

茜  「…私、もてあそばれたんですね……」

 おーい。ちょっと待てよ……。

浩平 「いや、そうじゃなくて、だな」
詩子 「強姦魔のケダモノくんだもんねー」
浩平 「うるさい!本当に襲うぞ!」
茜  「………」

 うっ……。そんな目で見るなよ……。
 冷たい…。悲しい…。淋しい…。
 …え?…嫉妬???

詩子 「…そんなに、私を、襲いたい?」

 え…?
 茜と俺が同時に声を出す。

詩子 「…いいよ。今から、ホテル、行こ…」
茜  「ダメっ!」

 茜が俺に抱きつく。

浩平 「……。悪いけど…、俺には、茜が……」

 ちっ……。茜が、この場にいなかったら行くんだろうけどな…。
 …って、俺、何考えてんだ?

茜  「…浩平」

 いきなり唇がふさがれた。
 傘が道に転がる。
 道ゆく人は、見てみぬふりで、足早に通りすぎる。

茜  「……」

 茜は雨に濡れたまま、しがみついてくる。
 俺は雨から守るように、茜の背中に手を回す。

詩子 「……いつまでやってんのよ。恥ずかしい」

 歌子が、傘を差し出しながらなじるように言う。

浩平 「……悪い」
詩子 「はあ……。うらやましい……」
浩平 「……悪い」
茜  「私の部屋…、来ませんか?」
浩平 「……」

 茜は、ちらっと詩子の方を見ると、顔を赤らめながら、すりよってきた。

茜  「どうしても、続きがしたければ…、襲われてあげます」
浩平 「……」
詩子 「………」

 ……嫉妬で、自分が何を言っているか、分かってないな……。
 でも、俺は据え膳は食うぞ。据えてなくても食うぞ。

茜  「…浩平は、私のです。では…」
浩平 「…悪い。またな…」

 強引に手を引かれて、うきうきしながら歩いていく。
 はたからみて、みっともないほどのラブラブモード。

詩子 「……。悔しいなぁ……。彼氏、欲しいなぁ」

 雨は、独り身には、一層冷たい。

詩子 「そうだ。雨の日に、同じ場所で立っていると、彼氏ができるのよね」

 いや、それは、一概には言えない。

詩子 「じゃなければ、裏山で動物の死体を持って、『みゅーみゅー』泣くとか」

 それも違うと思う。

詩子 「好みの男の子に、ラーメンをこぼすのも効果ありよね」

 絶対に違うと思う。

詩子 「それから、曲がり角で体当たりするのよね」

 ………。

詩子 「で、家に上がりこんで、毎朝、起こして、一緒に遅刻するの」

 あのー。詩子さん……。それは、違うと思うんですけど……。

詩子 「よーっし!私も彼氏つくるぞーー」

 人気の無さそうな曲がり角までパタパタの走っていくと、
 憂いに満ちた表情でたたずんでみた。

 ………。

 5分後、同じ場所には、
 トラックによる水溜り攻撃によって、
 憂いではなく、不機嫌に満ち溢れた詩子の姿があった。

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みゅ♪
こんな、いい加減な文章で良いのだろうか?[;^^]