【85】 そして、詩子の物語 |
またもや、思いつきで、ON書きさせていただきます。[^_^]/ 皆さんの文章を読んでいると、私としても、何か書かねば、という意欲がわいてきます。 ---------------------------------------- ……雨。 冷たい雨は、苦い思い出を連れてくる。 元は、空き地だった場所……。 景色は変わっても、目をつぶれば鮮明によみがえる。 詩子 「あーあ。彼氏、欲しいなぁ〜」 欲求不満というほどでもないが、 青春に物足りなさを感じている乙女……。 いや、乙女は七瀬の専売特許だ。 青春に物足りなさを感じている、おとぼけ娘が一人。 詩子 「……?何か、今、バカにされたような視線が……」 独り身には、雨は冷たい。 しかも、むこうには、アツアツの二人がいるとなれば、なおさらだ。 詩子 「あ、犯罪者くん!」 浩平 「おお……。って、誰が犯罪者だ!」 詩子 「じゃあ、強姦魔くん!」 浩平 「誰がだ!」 詩子 「茜を襲ったのは、だ〜れかな〜?」 くっ……。そういう言い方をするか? だいたい、あのときは、茜が抵抗しなかったから……。 ……抵抗しても、無理やりやっちまった…、か…? 詩子 「や〜い。図星だ〜」 浩平 「…うるさい!お前も襲うぞ……」 茜 「…ひどいです」 げっ!あ、茜……。 茜 「私だけでは、物足りないのですか?」 詩子 「あーーーっ!泣かしたーーーっ!」 うるさい!うるさい!うるさい! 人が見てるだろ! 茜 「…私、もてあそばれたんですね……」 おーい。ちょっと待てよ……。 浩平 「いや、そうじゃなくて、だな」 詩子 「強姦魔のケダモノくんだもんねー」 浩平 「うるさい!本当に襲うぞ!」 茜 「………」 うっ……。そんな目で見るなよ……。 冷たい…。悲しい…。淋しい…。 …え?…嫉妬??? 詩子 「…そんなに、私を、襲いたい?」 え…? 茜と俺が同時に声を出す。 詩子 「…いいよ。今から、ホテル、行こ…」 茜 「ダメっ!」 茜が俺に抱きつく。 浩平 「……。悪いけど…、俺には、茜が……」 ちっ……。茜が、この場にいなかったら行くんだろうけどな…。 …って、俺、何考えてんだ? 茜 「…浩平」 いきなり唇がふさがれた。 傘が道に転がる。 道ゆく人は、見てみぬふりで、足早に通りすぎる。 茜 「……」 茜は雨に濡れたまま、しがみついてくる。 俺は雨から守るように、茜の背中に手を回す。 詩子 「……いつまでやってんのよ。恥ずかしい」 歌子が、傘を差し出しながらなじるように言う。 浩平 「……悪い」 詩子 「はあ……。うらやましい……」 浩平 「……悪い」 茜 「私の部屋…、来ませんか?」 浩平 「……」 茜は、ちらっと詩子の方を見ると、顔を赤らめながら、すりよってきた。 茜 「どうしても、続きがしたければ…、襲われてあげます」 浩平 「……」 詩子 「………」 ……嫉妬で、自分が何を言っているか、分かってないな……。 でも、俺は据え膳は食うぞ。据えてなくても食うぞ。 茜 「…浩平は、私のです。では…」 浩平 「…悪い。またな…」 強引に手を引かれて、うきうきしながら歩いていく。 はたからみて、みっともないほどのラブラブモード。 詩子 「……。悔しいなぁ……。彼氏、欲しいなぁ」 雨は、独り身には、一層冷たい。 詩子 「そうだ。雨の日に、同じ場所で立っていると、彼氏ができるのよね」 いや、それは、一概には言えない。 詩子 「じゃなければ、裏山で動物の死体を持って、『みゅーみゅー』泣くとか」 それも違うと思う。 詩子 「好みの男の子に、ラーメンをこぼすのも効果ありよね」 絶対に違うと思う。 詩子 「それから、曲がり角で体当たりするのよね」 ………。 詩子 「で、家に上がりこんで、毎朝、起こして、一緒に遅刻するの」 あのー。詩子さん……。それは、違うと思うんですけど……。 詩子 「よーっし!私も彼氏つくるぞーー」 人気の無さそうな曲がり角までパタパタの走っていくと、 憂いに満ちた表情でたたずんでみた。 ………。 5分後、同じ場所には、 トラックによる水溜り攻撃によって、 憂いではなく、不機嫌に満ち溢れた詩子の姿があった。 --------------------------------------- みゅ♪ こんな、いい加減な文章で良いのだろうか?[;^^] |