折原 帰宅! 投稿者: 千乃幸
「帰り道を見ていた気がするよ…」
オレはまたこんなところに来ていた…


『折原 帰宅!』


「…という訳で、後は頼んだぞ!長森!!」
「こらぁぁぁぁぁ〜!!逃げるなぁぁぁ!!」

七瀬が凶悪な面持ちで睨んでくる
もとい、襲い掛かってくる
まぁ、それはいつものことだし似合っているから…と、そんな事を言っている場合
ではなかった
今まさに危機が迫っているのだ!

事の発端はこうだ…
茜シナリオを進めていたオレだったが、何故かクリスマスを七瀬と過ごし、
一緒にキムチラーメンを食べた (※ …そんな選択肢はありません)
いや〜、そりゃあもう豪快な食べっぷりだった (※ …できません)

で、そのことを世間話として住井に話しただけだった
確かに、『大盛り三杯食べた』とか、『それでも余裕だった』とか、
『「なめないでよね、あたし、七瀬なのよ!」と笑って言った』とか…
そういったこと(一部嘘)を強調して伝え、極めつけに朝、机の上に
『韓国直送!キムチラーメン』という近所の薬局で売っていたカップ
ラーメンを置いておいた
ただそれぐらいだ
襲われる原因など、まったく分からない
ちなみに住井はすでに事切れている (※ …合掌です)

休み時間は何とか逃げ切ったが、放課後となるとそうはいかない

「住井…お前の犠牲は無駄にしない!!」
「あんたが悪いんじゃない!」
「な、何でだ!!?」
「あんたが住井君を使ってあんな噂を広めようとするから」
「あぁ…、広めようとしたような気がしないでもないな…」
「そんな言い方じゃ分からないもん」

七瀬とオレの間に長森が入って和ませようとする
が、今の七瀬には何を言っても無駄だ
何せ某蟲様よろしく目が真紅の警戒色を放っている

だから

「…という訳で、後は頼んだぞ!長森!!」
「こらぁぁぁぁぁ〜!!逃げるなぁぁぁ!!」

…となるわけである

オレは全力で出口に向かった
が、出口付近といえば…

「…ここは通しません」

…茜
まずいな、クリスマスイベントをすっぽかされたことを根に持っているのか?
瞳が金色に輝きつつある
ここは…

「山葉堂のワッフル五箱でどうだ!?」
「…たいやきと紅茶もつきますか?」
「もちろんだ!」
「…ここは死守します」

商談成立

「…さきに山葉堂で待っていてください」
「…分かった」

財布の中身を考えつつオレは少し間をおいて返事した
…当分は住井のパンを奪うことになりそうだ

茜とすれ違う
その時

ゴウ!!!

オレの頬をかすめて何かが飛んでいった

「…すみません、一つは掠らせるのが精一杯でした」

振り返るとどこから取り出したのか、ピンクの傘を斜に構える茜と

「ふっふっふ…、新年の夕暮れにロケットパンチを連射する…、乙女にしかなせない技よ!」

両腕をこちらに突き出している七瀬がいた

「…微妙に間隔をずらして打つとは…、やりますね」
「やはり、あなたには小手先の技は通用しないようね…」
「…全力で行きます」
「手加減しないわよ!!」

何やらここだけ世界が違う気がするのはオレの気のせいだろうか?
それより、他の生徒は??
…と、そんなことを考えている暇はない!
この隙に逃げないと!!

「茜!任せたぞ!!」

そう言ってオレは廊下に躍り出た
しかしそこに…

「来たな…」

不敵に笑う中崎
そして

「沢口…」
「俺は南だ!!」
「南? …誰だ?それ??」
「くそぅ、お前なんか!いくぜ、中崎!!」
「おう、やるぜ!沢口!!」
「…」

もうどうでも良くなった沢口君だった

「くう!毎朝鍛えた脚力と、澪で鍛えた腕力を見せてやるぜ!!」

…自慢になってない
それは別にいいとして、オレは両手を広げて二人に突進した
そう…

「ぶちかましラリアット!!」

勝負は一瞬だった
策を練る中崎と指示を待つ沢口
その隙を突いたオレの先制攻撃は見事にヒットし

「いつか制服ゲットだぜぇぇぇ〜!!」
「俺は南だぁぁぁぁ〜!!」

二人は星になった

「ふっ…、また下らぬものを斬ってしまった…」

まぁ、これはお約束のセリフである

「くうっ!いらん時間をくってしまった」

オレは再び走り出した
階段を降り、一気に下駄箱まで走りぬける
…と、そこに居たのは

「また話がしたくなったのかい?」

シュンだった
しかも何故かウェディングドレスを装備済みである (※ …嫌です)

「…!!」

この瞬間、オレは覚悟完了していた

「見様見真似!『▽沢□電パンチ』!!」

あなた作品が違います (※ ネタも古いです)

「くっ!いいパンチしてるぜ…」

あなたもキャラが違います

何はともあれシュンは崩れ落ちた

その頃、屋上では…

「浩平君遅いな…」

みさき先輩が夕日を背に待っていた

さらに食堂では

『遅いの』

右手にスケブ、左手にラーメンを持った澪が居た


シュンとの激闘の五分後…、オレはなんとか学校から脱出していた
なお、校門で誰かが待ち構えている気がしたので裏山越えのコースを
走っている
俗に言う『二度ある事は三度ある』というものを考慮したのである
…が、俺の考えが甘かった

「みゅ〜」

こいつのことを忘れていた (※ …茜シナリオには関係ないです)
そして…

ざくっ!!

オレの足元に何かが刺さる

「!!!」

ピンクの傘…ということは

「…浩平、覚悟してください」

右の木の影から茜が姿を現した

「ちょ…、待て!ワッフルは…」
「…七瀬さんが山葉堂で食べ放題という条件を提示してくださいました」
「…」

何てことだ…

「観念なさい!!」

後ろから聞こえた声に、オレは振り向いた

「七瀬…」
「年貢の納め時よ…」
「そうだもん、逃げるなんてあんまりだもん!!」
「…長森まで」

左の木の影から長森が現れた
これには正直驚いた
長森がオレの敵にまわることなんて考えていなかったから

「何でお前まで…」
「猫を飼うのもお金がいるんだよ…」
「まさか、アルバイト?」
「うん、そうだよ」

なんてこった…
理由がなんであれ、これで四人に囲まれたことになる

「くっ!ABCD包囲網か…」
「ABCDってどういうことよ!?」

オレの呟きに七瀬が反応する

「A…、B…、C…、D…じゃないか」

と茜、七瀬、椎名、長森を指差すオレ

「どういうことよ…?」
「『Aかね』だろ?『Cな』、『D(a)よもん』…ということ」
「なんで私がBなわけ?」
「『Boke担当の七瀬』…やっぱりBだな」
「くわっ!」

七瀬は精神的ダメージをくらった

「…あとな、どうも納得がいかないんだが」
「何よ…」
「どこからそんな大金手に入れた?」

椎名にはご褒美として髪をつかませればいいとして、茜と長森に対する報酬は
一介の高校生には到底用意できない額だ
まさか、援○?

「あぁ、スポンサーの中崎君の好意よ」
「…へ?」
「だから、中崎君が出してくれるの」
「なぁ、七瀬?」
「何?命乞いなら聞かないわよ?」
「いや…、そうじゃなくって…」
「なら何よ?」
「中崎なら当分来ないぞ?」
「なんで?」
「さっきオレが星にしておいた」
「…は?」
「だから、中崎は星になったんだって」
「嘘…」
「嘘なものか、沢口と一緒に二重星になったぞ?」
「沢口君まで!?」

七瀬の顔から血の気が引く
そして…

「…そうですか、ワッフルはなしですか」
「え?アルバイト代が出ないの?」

茜と長森がつぶやく
と…

「…ならしょうがないです。この話は無かったことに…」
「ごめんね、七瀬さん」

二人の気配が消えた
…意外にキャッシュな性格なんだな、二人とも

「…くっ!!」

悔しそうな七瀬
これで敵は二人だ
オレは…

> 椎名に抱いて逃げる
   七瀬に特攻

現れた選択肢…
もちろんオレは前者を選んだ

「椎名ぁ〜!!」
「みゅぅぅ〜!!」

映画のワンシーンのように走る寄る二人
このまま抱き合ってEDに突入するような感じさえある
が、椎名はオレの脇を擦り抜け…

「ぎゃぁぁあぁぁぁあぁ!!」

七瀬の髪にしがみついた

「よし!ナイスだ椎名!!」

そう言い残すと、オレは公園へ向けてダッシュし、階段を駆け降りた
ふと、公園を出るところで振り返ったが、七瀬が迫ってくるような
プレッシャーを感じない
どうやら、うまく撒いたようだ

その後、念のため用心しながら慎重にかつ迅速に家に向かったものの、
結局その後は何も無かった
…?
…何も…無い?
ということは…

『えいえんはあるよ』

茜   … シナリオ変更により絆断絶
七瀬 … ある意味絆は出来たが、無理だろう
瑞佳 … 狙っていない
みさき先輩 … 狙っていない
澪   … 狙っていない
椎名 … 狙っていない

当然の結果だった

『ここにあるよ』

- Bad End −

教訓  年末のシナリオ変更は止めましょう

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さ〜て、終わった (^^/
誰がなんと言おうと、終わったんだ!!
…やっぱりギャグは苦手です… (--;;
つーか、途中で息切れが… (^^;;;;

…う〜ん、空しい
本来ならここで皆さんさんに感想を書くところなんだろうが…
ど〜も、駄目ですねぇ… (--)
もうすぐ読めなくなると分かっていたので、皆さんの作品…特に連続も
のを読まないようにしていたんです。
で、単発モノにだけ感想を書くと不公平じゃないか…と考えて、感想を
書かないことにしたんです。
本当です。

でも…『アルテミス』…
読んでしまいました。 (^^;
途中からですが… (--)
だって、サクサクッと読めてしまったんだもん!
どうやったら、大勢のキャラをうまく使って、かつ自分でアレンジした
設定を加えられるんでしょ??
あ〜、気になる!!読めなくなるだけに気になる!!

つ〜か…
繭!! やっぱりテリヤキなら何でもいいのかっ!? > コウさん
その話大好きです > みずあめ > 雀バル雀さん
なるほど、そう見ますか… (^^; > 感想だけでも〜 > ひささん

ってとこか… (--;;;;;

え〜と、いけだものさんをはじめ、中部地方の作家さんにはは今度会う
からOK…
偽善者さんには献上物を送っておいたし…
猫ちゃんは…大丈夫だ… (謎)

結局、すべての作家さんに『感想書けなくてごめんなさい』と言うべき
なんですが… (--;;;;;;;

あと、最後にひささんも考えて下さった『忘れ物と約束』の隠されたメッ
セージですが、『−』に続く言葉だけを並べると、あ〜ら不思議!『雪の
ように白く』の歌詩(繭バージョン)になるぢゃないですか!!?
…それだけです (--;;;

「…知らない人は分かりません」

返す言葉もございません… ( --) > つっこみ茜ちゃん

でわ〜 ((^^/~~