光(ギャグ)と影(シリアス) 投稿者: てやくの
中崎町・・・この町にはいくつかの呼び名がある。
それはどうでもいいが、この町には6つの高校がある。
折原浩平やその他諸々の通う『県立おね高校』
柚木詩子の曾祖父、初代柚木グループ会長、柚木代三郎曽根吉が創立した『私立柚の木高校』
某財閥と共に、一年前やってきた『私立理偉不学園』
某宗団が創りあげた『私立不阿留児高校』
本当のお嬢様しか通うことの許されないと言う『私立HIROSE(ハイローズ)女子高校』
風阿留児高校ができた頃に一緒にできた高校『手夜久野学園』

その中でも、巨大なバックボーンを持つ、手夜久野学園、私立HIROSE(ハイローズ)女子高校、私立不阿留児高校、この3校はいろいろの理由から対立し、表向きはどうあれ、この町に平穏という言葉は存在しなくなった・・・・・・

だが、そんな対立も全く知らない高校がある、それが、県立おね高校 、私立理偉不学園である、生徒はともかく、教師、校長さえも他の三校の対立を知らない。
そして、その二校のうちのひとつ、県立おね高校から一人の女性が、私立HIROSE(ハイローズ)女子高校に転校しようとしていた。


「これでお別れだな・・・・・七瀬。」
「さみしくなるね、七瀬さん。」
ここは夕方の浩平の教室、数人の生徒が七瀬を中心に集まっていた。
浩平と瑞佳が七瀬に別れの言葉を言う。
「そんな大げさよ、別に会えなくなるわけじゃないし、まして同じ町内じゃない。」
「それにしても驚いたな〜、七瀬さんに私立HIROSE(ハイローズ)女子高校から誘いがあるなんて。」
と、これは住井。
「なんてったて、『永遠に乙女心を追い求める少女 七瀬』だからな。」
「浩平、励ましになってないよ!」
「ううん、ありがとう、折原。」
「向こうでもがんばれよ!」
「ありがとう、それじゃ、もう行くわ。向こうからお迎えが来たみたいだし。」
窓からは、校門が見え、その前には黒い高級車が止まっている。
それを見て七瀬たちは教室を出、そこに向かっていった。

「じゃあね、みんな。」
七瀬は車に乗り、声をかける。
七瀬の目からは、屋上で日の丸の旗を振る中崎と七瀬の似顔絵の描かれた旗を振る南森が見えている。
「中崎君、南森君、折原、瑞佳・・・・・・みんな、ばいばい。」

「いっちまったな、七瀬。」
「うん、このクラスでは、七瀬さんは人気あったし、友達も多かったしね。」
「結局、広瀬は来なかったな、茜もだけど。」
「里村さんはともかく、広瀬さんは顔をあわせにくかったんじゃないかな・・・・。」
「そうかもな。」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
心地よくも悪くもない沈黙。
夕焼けにのびる二人の影。
「そろそろ帰ろっか、浩平。」
「そうだな、それにしても、明日からは張り合いのある奴がいなくなると思うと、へんなかんじだな。」
「そうだね。」
そう言って、瑞佳は校舎に振り返る、中崎と南森が屋上から落ちた瞬間だった、が瑞佳は無視してもう一度前を向き浩平と歩き出した。
そこに一台のライトバンが飛び込んでくる。
「きゃあ!」
「なんだ?!」
その車は浩平達の目の前で止まり、中から詩子、茜、そして広瀬が出てくる。
「折原君!七瀬さんは!?」
詩子は浩平につかみかかり、尋ねる。
「七瀬?」
「そう、七瀬さん!」
「七瀬なら、もういっちまったぞ、この前はなしただろう?」
「そんな、間に合わなかったなんて・・・・・。」
柚木は落胆したような表情を見せる。
「どうした?柚木。」
「仕方ないわ、里村さん。」
広瀬は茜の方を見ながら何かを指示するように言う
そして茜は懐から電話を取り出し・・・
「・・・・・・project.[SHIIKOSAMA]・・・・発動です。」
「は?」
これは浩平。


浩平はいま詩子の乗ってきた車の中、私立柚の木高校に向かっている。
車の中には、浩平、茜、広瀬、そして詩子が乗っている。
「つまり七瀬はHIROSE女子高校に向かったわけではないんだな?」
「そう、そのとうり、そしてその迎えを私がするはずだったのよ。」
「柚木が?」
「ううん、実際は広瀬さんよ。」
「折原君、HIROSE女子高校、分からない?HI・RO・SE(ヒ・ロ・セ)。」
と広瀬
「安直な。」
「わるかったわね。」
「なんか変だぞ。広瀬、なんでおまえはHIROSE女子高校に通わないんだ?しかもおまえと仲の悪かった七瀬はスカウトされるし。」
「それはいろんな高校から素養のある子を引き抜くために、広瀬家の人間はいくつかの学校に分散して通ってるのよ、七瀬さんにちょっかいをかけたのは、近頃の乙女に見られない忍耐力を見るため。それに・・・・・・。」
「広瀬さんは、七瀬さんに対して、特別な感情をもっているんです・・・・」
バスッ
広瀬のはなった正拳が茜の腹に刺さり・・・
茜のはなった膝蹴りは空を切る。
「痛いです広瀬さん。」
半泣き状態の茜。
「誰がそう言う趣味を持ってるって?」
「分かった、分かった、広瀬が特殊な奴で、他の高校からすれば迷惑な姉妹の一人だってことは。」
「人の話、聞いてないわね・・・・」
「じゃあ、急いでうちの学校に連絡しないと。」
「むだです。」
「なんで?!」
「七瀬さんがおね高校から離れた以上、おね高校は干渉しません。」
「じゃあ・・・・」
「だからわたし自ら迎えに来たのよ。」
「なんで?」
「広瀬さんが、七瀬さんへの愛を貫くためです。」
ゴスッ
広瀬のかかとが茜の頭に深々と突き刺さり・・・
それに反応して繰り出した茜の正拳は広瀬の掌によって止められている。
「痛いです広瀬さん。」
今度はほろほろと涙を流す茜。
「言ったでしょう、私はHIROSE高校の理事長の娘であって、スカウトマンだって。スカウトした以上は責任があるでしょ。」
浩平は指先を眉間に当て、少し考える。
「・・・じゃあ、七瀬はどこに行ったんだ?」
「私立風阿留児高校・・・。」
と詩子が口を挟む。
「どこだ?そこ。」
「近頃できた高校でね、ある宗教団体が運営してるのよ。」
「宗団?」
「FARGOっていってね。いろいろと黒いうわさの絶えない宗教団体よ。」
「そこに七瀬が。で、FARGOってのはどんな組織なんだ?」
「FARGOっていうのはね・・・・・・

          〜柚木詩子による説明〜

「不可視の力?」
「そう、不可視の力。」
「そんな超能力みたいな物が本当に存在するわけないだろ?」
「永遠の世界への逃避癖のあるあなたがそんなこと言えるのかしら?」
「グアッ、そんなことまで知ってんのか・・。」
「ひどい言われようね、折原君。」
と広瀬。
「浩平、この世には、黒魔術や、超能力だって存在するんです。」
「不可視の力だって、超能力だろ?」
「少し違うわ、神の如き力よ。」
今度は詩子。
「なんだそりゃ。」
「いちいち説明するのは面倒だから、超能力と思ってもらって構わないわ。」
「まあ、とりあえず、七瀬を早く風阿留児高校から連れ戻さないとやばいってことは分かった。しかしだ、何故俺まで手伝わなければならん。」
「折原君がそんな白状だとは思わなかった・・・幻滅っ。」
三人の軽蔑の視線が浩平に刺さる。
「ちょっと待て、おまえら、別に俺に七瀬を助ける筋合いがないというわけじゃないぞ、そんなことは警察の仕事だ、お前らや、まして俺にできることはなに一つない。」
「折原君、なにか勘違いしてるようね、警察になにかできるなら、もう既にやってるわ、人を人とも思わない実験を繰り返してるんだから。」
「じゃあ、なんで俺に手伝いを求める?」
「別に折原君が捨て駒として使えそうだとか、死んでも誰も悲しみそうにないから、と言う訳じゃないわよ、だからその振り上げた拳をおろして☆。」
「柚木・・・・てめえ・・・俺のことを何だと思ってるんだ?」
「外道で暇なやくざ的高校生。」
「死なす!!」
そう言って浩平は詩子の首に手をかける。
だが、詩子はにこやかに続ける。
「まあ、まあ、折原君に頼んだのは他に理由があるからよ。」
「何なんだ?その理由とやらは?」
「さっき話した不可視の力、その力は、ある一族の者達が持っていた物なの、その一族は数年前にほんの数人を残して死んでしまったけど、折原君、あなたには、その血が流れているの。」
そう言うこともあるかもな、と納得した浩平は更に詩子に尋ねる。
「ちょっと待て、さっきの話じゃ、誰でも得られる力なんじゃないのか?」
「それは間違い、力を得たところで、大抵は力に食われてしまうし、生き残った一族の人たちも、全てFARGOに捕まってしまっているわ。」
「だが、俺の生命はどうなる?七瀬を助け出せる保証だってない。」
「大丈夫、生命健康は保証するわ、それに、私たちの目的は、七瀬さんの救出ではないわ、FARGOの壊滅と、とらわれている人全員の救出よ。」
「俺にそんな力が・・・・・。」
「正確には力を持っているのではなく、因子を持っているだけよ。だから、あなたに不可視の力をふるうことはできないわ。」
「そうか。」
・・・・・少し沈黙
「詩子、そろそろ着きます。」
「あれ?まだ柚の木高校じゃないぞ。」
「あ!ああ、それは、もうすぐ茜の家に着くから。」
「なにをあわてる?柚木。」
「別にあわててないわよ。」
あからさまにあわてる詩子
「ほら、茜、着いたみたいよ。」
「はい。」
茜は外を確認すると、車を降りた。
「じゃあな、茜。」
「じゃ、里村さん。」
「では、また、浩平、がんばってください。」
「俺は協力するとは一言も!!」
だが茜はそんな声を無視して、すたすたと住宅街へ入っていく。
そして、車は走り出す。
「折原君、ここまで話したんだから、最後までつきあってもらうわよ、嫌って言うのは自由だけど、一晩であなたの家が地上から消滅したり、気が付いたらマグロ船に乗ってたなんてことがあるかもしれないから、気をつけてね。」
「柚木、脅迫なんぞしやがって・・・・・お前はやくざか・・・。」
「大丈夫よ、折原君がFARGOに潜入するときは広瀬さんも私もついて行くから。」
「お前らが?」
「そう、私たちが。」
「おまえらになんかできんのか?」
「あら、折原君よりは役に立つと思うけど?」
さっきから一言も発しなかった広瀬が浩平をからかう。
「とりあえず折原君、手伝ってもらうわよ!」
「だがなぁ。」
「ちゃんと報酬もあるわよ。」
「何だ?」
「主の100個分、5000万円とぉ、今までだれも見たことのないわ・た・し。」
「ほんとか!?」
浩平は詩子に勢いつけ尋ねる。
「嘘はつかないわ。」
「よっしゃぁ!!やってやらぁ!!」
「はあぁ、なんか、あほらし・・・・・。」
これは広瀬の溜息(笑)



ここはある暗い裏路地。
里村茜はそこを歩いている。
「あなたが里村茜さんね?連絡は受けてるわ、こっちよ。」
不意に後ろから声をかけられる、そしてふりむく。
そこには、パーマがかった紫の髪をした少女・・・・と言っても、その目は少女らしい幼さを感じさせないが。
「ではあなたが、あのFARGOを一時的に壊滅させたという・・・・天沢郁美さんですか?」
「いいえ、私は郁美のパートナー、巳間晴香よ。」
「じゃあ、あなたも不可視の力を扱える一人・・・・・・ですね?」
「ふふ、まあ、とりあえず中に入りましょう、里村さん。」
そして茜は暗い路地から更に暗い道へは行っていく。

茜がつれて行かれたのはある一軒家、表札には『天沢』とある。
そして通されたのは少し暗い雰囲気のある居間。
そこには二人の女性がいた、一人は茶色く長い髪に黄色のリボン、顔つきは一人前の女性といったところか、(何を基準に一人前かは知らないが。)そして特筆すべき特徴は、これでもかぁ!!というほどの幼児体型。
そしてもう一人は青い髪、赤ん坊を胸に抱いている少女。
青い髪の少女は顔つき自体は女子高生だが、雰囲気だけは晴香と同じく、もっと大人びた物がある。
「あなたが天沢郁美さんですね?」
茜は青い髪の少女の方を向いて尋ねる。
郁美は茜の目を見つめながら小さくうなずく。
「あなた方の協力には感謝します、そしてこれがFARGO壊滅のための計画です。」
そう言って茜は郁美に主のピンで留められた紙の束を渡す。
郁美はそれを受け取ると、読み始める。
他の二人も郁美の後ろに回って読み始める。
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
「なによこれ!!ふざけてるわ!」
と晴香が腕を振りながら茜に抗議する。
そして今度は郁美が口を開く。
「私たちはFARGO壊滅のために力を貸すのであって、こんな意味のないことをするつもりはないわ。」
「天沢さん・・・」
「郁美でいいわよ。」
「郁美さん、あなたは知らないかも知らないかもしれませんが、手夜久野学園はFARGOと裏つながっているんです。」
「だからといって、私たちがこんな事をする必要はないわ。」
「・・・・・はっきり言いましょう、これはあなた方の個人的な問題ではないんです、それにあなた方だけでは何もできません。」
「今のところ不可視の力を持つのは私と郁美、それから葉子さんだけのはず!!FARGOに対抗できるのは私たちだけなのよ!」
「・・・・・・・どのみち無理です。」
「そんな言葉だけでは私たちは納得しないわ。」
と、今度は郁美。
「・・・・・・仕方ありません。」
言葉を言い終えるか言い終えないかのうちに、茜は目を閉じ、意識を集中させる。
そして、次に彼女の目が開いた瞬間、彼女の目は・・・・・・金色に染まっていた。
『・・・・・・・・・!!』
三人が三人とも驚き、そして声も出ない。
「あなた・・・・・不可視の力を・・・。」
「これはあなた達と同じように手にした物ではありません。」
「じゃあ、あなたは葉子さんの!?」
「そういうことです。」
茜は少し微笑む。
「分かったわ、あなたに逆らったところでどうにもなりそうにないし、引き受けるわ。だから、必ずFARGOを潰して。」
「分かっています。だから、お願いしますね・・・・手夜久野学園『第十一回超大食い大会special』。」
「分かったわ。」
その声を聞き安心したのか、茜は部屋を出ていこうとする。
「送りましょうか?」
「いいえ、それと・・・・今年の大食い大会には前年度のチャンピョンが出場するそうです。覚悟をしておいてください。」
「分かったわ。」

続く・・・・かな?

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
てやくの「てやくの!!と」
妖弧雪見「雪ちゃんの!」
妖弧茜「・・・・はしがき、コンッ。」
てやくの「うわ!盛り下がった。」
妖弧雪見「そういえば、ONEが某誌の年間ランキングで一位に輝いてたわね。」
てやくの「わかりにくいタイミングで話題を振るでない、対応に困る。」
妖弧雪見「で?あんたはそれには応募したの?」
てやくの「まあな。」
妖弧雪見「それにしてもこのSS、あんたってシリアスとギャグのかき分けができないわけ?」
てやくの「できん!!」
妖弧雪見「そんな力一杯答えられても・・・・。映画部作品の方も終わってないし・・・」
てやくの「ああ、あれか、話がこんがらがってきたからもう止めようかと・・・。」
妖弧雪見「あんたねぇ、人をあれだけ壊しておいて『止める』だぁ?!」
てやくの「琴音ちゃ〜ん、先輩〜×2、あゆ〜、真琴〜(惚けている)」
妖弧雪見「あんたね〜、罪を知って死になさい、天誅!!グレン・ケネ・ヒル・ハルフォード!超原子崩壊励起(ジオダ・スプリート!!」

ドゴオオオオオオオ!!

「続けて食らいなさい!!ジャス・ワッ・ダ・ダクトー・ウーダット・グッ・ゴー・ギミ・ヤー・ラー!悉く砕けよ狂瀾の時空!歪時空爆裂(ダムド・ネオシン)!!」

バシュウウウウウ!!

「来たれ風の精霊、巻きて巻きて針となれ、なりて来よ来よ風の針、寄りて鋼の刃とならん、風斬首斧(ヴィンヴォーデルスイクサ)!!」

ヒシュウ!!

「これで死ね!!カイサード・アルサード・キ・スク・ハンセ・グロス・シルク・灰塵と化せ!!冥界の賢者!!七つの鍵もて!!開け地獄の門!!七鍵守護神(ハーロ・イーン)!!」

ヴォアアアアアアアア!!!

そこに残っているのは・・・・・黒こげのなにか・・・・・
妖弧雪見「ハァ、ハァ、ハァ、さすがに・今回は・効いた・みたいね・・・・・。」
妖狐茜「これはあくまで、てやくのの能力のなさのせいなので中傷はいくらでもうけます故、妖弧雪見をひどい目にあわしてくださっても構いません。」
妖弧雪見「なんで私だけなのよ!!あんた調子に乗ってんじゃないわよ!!」
妖狐茜「虚無の・・・裁きを!!」
妖弧雪見「なにすんのよーーー!! 」

ドゴオオオオ!!

てやくの「フフフ・・・彼女は私の忠実な部下なのだよ・・・。」
妖弧雪見「そ・・・そんな・・。」
妖狐茜「あなたも死になさい・・・・彭祖よ私の意に従いその力、私に宿せ!!享楽!!・・・・・永夢籟!!」

シュオオオオオオ!!

てやくの「ぐおおおおおお!!」

そこに残っているのは・・屍×2。
妖狐茜「ではみなさん・・・・・さようなら。」