浩平がもし、不可視の力を持ったら・・・・ 投稿者: てやくの
その日、俺はみさき先輩に頼まれて、長森を従えて図書室にきていた。
「ねえ、浩平、点字の本なんてどこにもないよ。」
部屋が暗いのもあってか、長森は見つけるのに手間取っているようだ。
「奥にないか?なかったら多分お前の目の前だ。」
「奥に・・・って、あった!!これだね、浩平。」
そう言うと長森はにこにこしながら、本をこっちに見せる。
「おかしいな。そこはさっき俺が探したはずなのに?」
「浩平は注意力が足りないんだもん、しかたないよ。」
「お前、なぐさめてんのか、それともけなしてんのか?」
「う〜んどうかな〜」
「くぅ〜、いやな奴。」
「本当のことを言っただけだもん、私は悪くないもん。」
「俺だってホントのことを言っているぞ。」
「へ?なにを?」
「長森はいやな奴。」
「浩平!!」
そんな感じで図書室を出る、さすがに地下十階にあるだけあって、廊下がかび臭い。この廊下にはちょっとした、ミステリーゾーンで、毎年一年がここにきて騒ぐのは、一種の期間行事だ。
「長森、先行くぞ〜」
「まってよ〜、浩平〜。」
そんな長森を無視して、地上に続く、合計12000段の階段を上り始める。
この図書室は今まで、地上にあったのだが、近頃、こんな地下深くになったのだ。
長森が付いてくる足音を後ろに聞きながら、階段を上り始める。
階段に足をかけた瞬間、何か変な感覚に襲われた、そう、いつか感じたことのある永遠の世界の感覚。
『えいえんはあるよ・・・・』
何かに吸い込まれそうになる、だがそれはある声によって止められる。
「みさき〜そこね、そこにいるんでしょう!!」
深山先輩だ・・・・一度消えかけた意識が戻ってくる。
だが、次の瞬間!!



ゴン!!



みさき先輩だけでなく、深山先輩とまで頭突きをしあうことになるとは、今度こそ完全に意識が消えた。



何もない世界、覚えてる、あの世界、そこにはあの子が立っていた。
「ひさしぶりだね、おにいちゃん。」
あのとき、そう、あのとき俺を永遠の世界に連れ込んだあの子、子供の瑞佳、簡単に言うと、ちびみずかだ。
「また俺をあの世界に連れ込むつもりか?」
「ううん、そんなつもりはないよ、ふふ、どこかのだれかににてうたぐりぶかいね。」
「じゃあ、何で俺はこんな世界にいるんだ?」
「それは、おにいちゃんにしっておいてほしいことがあったの。」
「知っておいてほしいこと?」
俺は最初、どうでもいいこととして聞いていたが、そのことばに耳を貸した。
「そう、わたしはおにいちゃんのもつ、えいえんのせかいのかんりしゃ、だからおにいちゃんが、えいえんのせかいを、ひつようとしなくなったから、このせかいをけしていたの。」
「それで、何を知っておいてほしいんだ?」
「おにいちゃんのなかに、もうひとつのいしきがあること。」
「もう一つの意識って、お前のことじゃないのか?」
「わたしは、おにいちゃんのいしき、こころのかけら、わたしはべついしきっていうものじゃないの。」
「じゃあ、その別意識がどうしたんだ?」
「ふふ、あまりかんがえこまないんだね、せいかくには、そんざいした、おにいちゃんのなかにひそんでいたの。」
「それで?」
「そのいしきによって、おにいちゃんのなかにある、ちからがねむっている、ということ」
「力?」
「うん、そのちからは、このよでは“不可視の力”と、よばれているもので・・・・・・」
ちびみずかが全てを言い終わる前に、俺の意識は急速にさめていった。




そこはベッドの上だった、保健室だろうか、少し薬くさい。
「浩平!!目が覚めたんだね!!よかった〜」
「んあ?長森?」
「驚いたよ、浩平あの先輩とぶつかったら急に倒れて、ずっと目覚めなかったんだから、よかった〜。」
あのとき、助けてくれたのは雪見だったな、学校では照れくさいとかいって、先輩、後輩の関係しか許してくれないんだよなぁ
俺は何が起きたのかしばらく分からなかったが、おでこにたんこぶのできた雪見を見つめながら眠りについた・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・To be continued・・・・・・

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はじめまして、てやくのです、かなり駄目駄目な自分ですが、感想などくれるとうれしいです。


【感想でし〜】
Pileworld 〜時の狭間で〜 第六章・加龍魔さん  
なんだか今までの流れから大きな濁流に呑み込まれていきそうな浩平ですね。

ハプニング文化祭 NO.1・火消しの風さん   
「・・・全部探せば見つかるね。」・おいおい(笑)
「インスタントラーメン屋、新しい予感がするぜ。」・私もそう思います