好き好き郁未先生!3 投稿者: だよだよ星人

晴香「あらっ郁未じゃないの」
郁未「うふふっお邪魔しまーす」
店主「おおっ郁未ちゃんじゃないか.久しぶりだね」
郁未「こんにちはおじさん」
晴香「何?そこで教えてんの?」
郁未「そうなのよ」

駅前の中華料理屋「月一」.
驚いたことに店の晴香姉さんが郁未先生と知り合いだった.
(この人もなかなかの美人だがちょっと性格が荒っぽい)

住井「こんにちは晴香さん」
晴香「あっ住井ちゃん.いらっしゃい.今日はたくさん連れてきてくれたのね」
住井「すいません…多くなっちゃいました」
晴香「いいのよ.うちはありがたいから…だけど」

晴香姉さんは郁未と俺たちを交互に見る.

晴香「郁未があんたたちを教えてるとはね〜」
郁未「うふふ…みんな可愛いのよ」
男子「おおおおおおおっ」
晴香「(笑)すごい人気ねえ郁未…さっ二階あけといたから上がってもらって」
浩平「お〜い.みんな二階に上がってくれってさ」

ガヤガヤ…みんな上がっていく…だが若干名ぐずぐずしているものたちがいた.
そう…郁未先生が上がる時…階段下に…殺到した.

住井(おおっ)南(うわあっ)南森(…黒だ)中崎(すげ…)

コンコンコンコンッ!

住井「わっ」南「ぐあっ」南森「痛っ」中崎「いたたたっ」

おたまで叩かれた.

晴香「あんたたちって…」上を見ながら笑う「ほんっとうに下半身だけよね…」
住井「そっそんなことは」南「僕たちは純粋に」南森「好奇心で」中崎「たぶん」
浩平「…いいから上がるぞ」
住井「そうだ折原」
浩平「うん」
住井「髭に相談したら、大きいのを預かった」一万円をひらひらさせる
浩平「ナイスだ住井.料理はいつものコースだろうな」
住井「もちろんだ.中華サラダ、餃子、鳥のから揚げ、肉みそ炒め、チャーハン各大皿3つずつだ」
浩平「完璧だ住井.一人三千円ぐらいですむだろう」

そう…あの人さえいなければ.人間掃除機.歩くダストシュートの先輩.
深山さんだけが頼みの綱だな.

「深山さん深山さん…」
「…大丈夫…みさきは腹三分ぐらいにあたしが押さえとくから」
「う〜.酷いよ雪ちゃん」
「うるさい.あんたは私がしっかり見張ってるからね」
「う〜」

これでまあ安心だな.

席は適当だったが、髭がちゃっかり郁未先生の横を押さえていた.
まあ最初はどうでもいい.とりあえずスタートした時は、

柚茜A中髭郁長川深
南澪浩森B七繭住C ↓入口

となっていた.
だが1時間もすると

南茜繭七髭中郁深C
森柚澪長川住浩AB ↓入口

とまあこうなったわけだ.
郁未先生の前は熾烈な争いとなっていた.

住井「一番住井…コップを空にしま〜す」
浩平「二番折原…コップを空にしま〜す」
中崎「三番中崎…コップを空にしま〜す」
住井「四番住井…コップを空にしま〜す」
浩平「五番折原…コップを空にしま〜す」
中崎「六番中崎…コップを空にしま〜す」
住井「七番住井…コップを…ヒック…」
折原「八番…」中崎「九番…」
…………住井「ええっと何番だっけ…とにかく…空に…ウエップ」
郁未「うふふ…若いわねえ…みんな.私負けちゃいそう」

ゴクゴクッ…飲んだ頬がポォ〜ッと赤くなって色っぽい.

郁未「ちょっと酔っちゃったかしら…うふふ」
住・浩・中「うっ…せっ…先生…(ゴクリ)」なぜか正座して股間を押さえている.
郁未「でもいけないんだぁっみんな…み・せ・い・ね・ん・なのに〜」
住井「いやあああ.これは烏龍茶です.烏龍茶」
浩平「そうそう」
中崎「炭酸入りです」
郁未「じゃあもっと飲め〜っ」
住・浩・中「ぐわあああっ」

最初から郁未先生どころではない者もいた.

南「里村さん.これ食べる?これは?おいしいよね」
茜「…………」
南「そっそうだっ里村さん何か欲しいものある?」
茜「…………」
詩子「(ボソボソ)…ワッフルよワッフル」
南「あっそっそうなのかい?ええっとワッフルワッフルと…すいませ〜んワッフルありますかあ?」
茜・詩「……」
南森「南…おまえって奴は…(涙)」

名前をもらえていない連中は深山さんを囲んでいる.

A「せっ先輩みたいに綺麗な人がいたなんて…驚きです」
B「ふっ…今ごろ何言ってるんだ.三年の深山さんと言えば超有名.知らないなんてもぐりだぞ」
C「そうだ.将来の大女優.深山雪子.ああ…名前も美しい」
深山「まあ…君たち口が上手ね.うふふ…嬉しいわお姉さん」
A・B・C「えへへへへ〜っ」
深山「そうだわ.みんなの名前と電話番号メモしとくわね」
A・B・C「どうぞどうぞっ」
深山(…次の劇に手伝いにきてもらわなきゃね…うふふ)

しかし…その隙に深山さんから離れた…彼女は…

みさき「おいしいねぇ.ここの料理」パクパクパクッ
髭「んあ〜っそうだな.ヒック.わしは飲む方がいいが」
みさき「じゃあ私は食べるから、先生は飲んでてね」
髭「んあ〜っいいぞ.どんどん食べろ…ヒック」
みさき「わ〜いっ嬉しいよぉ」パクパクパクパクパクパクッ

みんながいやがる髭の真正面でこころおきなく食べていた.

「チャーハンもう3皿お替りだよぉ」

もちろん大皿である.

七瀬「はぁ〜っもう食べられないわ〜っ」みさきさんを横目で見ながら「あのおかわり誰が食べるの?」
繭「みゅっ」
長森「繭ちゃん.お腹一杯になったね」
繭「みゅ〜っ♪」
七瀬「長森さん食べてる?あんまり食べてないみたいだけど」
長森「私食べるの遅いもん.だからそんなに食べられないよ〜」

それを聞いてため息をつく七瀬.

七瀬「はあ…そうか…私ったらやっぱりまだまだ修行が足りないわね」
長・繭「?」
七瀬「乙女たるものゆっくり少ししか食べないものなのよね」
長森「ええっ?」
繭「みゅみゅ?」
七瀬「もっともっと長森さんを見習わないと」
長森「そっ…それはちょっと違うと…」
七瀬「明日からは師匠と呼ばせてもらうわ…よろしくねっ!師匠」
長森「…そっそれはどうも…」

バコバコバコッ

浩平「イタイイタイッ…なんだ澪か」
澪「…」ボ〜ッ
浩平「なんだ酔ってるのか」
澪「…」ぷるぷるぷる
浩平「顔が赤いぞ」
澪「…」ほっぺを押さえている.
浩平「だめだぞ子供が飲んじゃっ」
澪「…」う〜っ
浩平「またおまえ寝ちゃうんだろ」
澪「…」ぷるぷるぷる
浩平「でも…また柚木に送ってもらえばいいか」
澪「…」ぷるぷるぷる
浩平「何だ嫌なのか」
カキカキ…『ほにゃらほにゃら』
浩平「読めないな…お〜い.茜」

茜がやっとその重い腰を上げた.ちなみに彼女が席を立ったのは今が初めてである.

茜「…呼びましたか?浩平」
浩平「なんて書いてあるんだ?」
茜「…『おんぶ』って書いてあります」
浩平「…」
茜「…」
浩平「誰がおんぶするんだ?」
茜「浩平じゃないんですか?」
澪「…」こくこくっ
浩平「…それはちょっと」
澪「…」ぷるぷる
茜「私もおんぶしてほしいです」
浩平「(汗)…茜」
茜「でも今日は澪ちゃんに譲ってあげます」
浩平「俺は…」
茜「許しません」
浩平「ううう…」

澪はもう壁にもたれて寝ている.

詩子「あ〜っ澪ちゃんこんなところにいたあっ」
浩平「もう一人酔っ払いがきたか」
詩子「何よぉっ…あっ茜までこんなところにいるし」
茜「…」
詩子「澪ちゃん…また落書きしちゃおうかなあっ」
茜「可哀相です」
詩子「あ〜っじゃあ茜に落書きしちゃうぞ〜っ」
茜「…嫌です」

郁未先生の前はみんな撃沈していた.郁未さん…酒が強すぎる.

住井「さて…そろそろ締めるか…ウップ」
浩平「そうだな」
住井「最後は先生の挨拶だが…その前に」
浩平「そろそろ金を集めるか…あっ丁度いいところに…晴香さん.勘定いくらになりそうですか」
晴香「うん、頃合いかと思って持ってきたわよ」電卓で計算する「ええっと…これぐらいね」
住井「…」
浩平「…」
晴香「どうしたの?最初のコースに…ビールは20本…ジュース5本…」
住・浩「うんうん」
晴香「追加のチャーハンが3皿(大皿だよぉ)にラーメンが4杯(おいしかったよぉ)」
住・浩「…う」

追加の皿は…酔いつぶれた髭の前に誇らしげに積み重ねられていた.もちろん髭が食ったわけではない.
しょうがないのでぐでんぐでんの髭に頼み込んでもう少しだけ出してもらい、深山さんに怒られた先輩が
みんなの1.5倍払うということになった.

みさき「うぇ〜ん.雪ちゃんがぶったよぉ」
深山「うるさいっ」

あれこれ計算していた俺たちの後ろから声がした.

郁未「出すわよ.私」
住井「先生…」
浩平「だめですよ.そんなの」
郁未「馬鹿ね.無理しないの.それに私が払うのはあの子たちの分よ」

澪と繭の分だった.二人とも寝ている.澪は詩子にもたれて.繭は七瀬の膝枕.

郁未「あの子たち、ちゃんと私にお酒つぎに来てくれたのよ.可愛いわ」
浩平「すいません」
郁未「まあ少しだけ気持ちってことでね」

なんとかお金も集めて勘定もすませた.

住井「さてと…じゃあ挨拶を…」
浩平「郁未先生から」
郁未「はい…」


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本当なら俺も郁未先生や住井たちと一緒にカラオケに行きたかった.
だけど俺は澪を背負って帰らなければならなかった.
気がつくと茜と詩子.長森も一緒だった.繭は…七瀬が背負っている.

長森「大丈夫?七瀬さん」
七瀬「え?…うんっ大丈夫よ.軽いからねこの子」
浩平「そうだぞ長森.これぐらい七瀬にとっては軽いもんだ.ついでに澪も背負えるんじゃないか?」
七瀬「あんたね〜」
浩平「今日は食いすぎたからダイエット代わりだろ?」
七瀬「うぬぬ…」痛いところをつかれたらしい.
浩平「まっしょうがない…七瀬のダイエットに付合ってやるか」
七瀬「…くう〜っ言わせておけば…」蹴りを入れてきた.
浩平「ぐわあっ」
長森「あっ危ないよ〜っ七瀬さん…押さえて押さえて」

郁未先生…今日は住井たちに譲ったが、明日からまた勝負ってことだ.
俺は新たな闘志を燃やしていた.

浩平「頑張るぞ〜っ」
茜「…こりませんね」

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なんか普通の飲み会の話になっちゃいましたね.不可視の力も何にもなし…
とりあえずいったん終わります.また機会があれば郁未先生大活躍の話を書いてみたいです.
今度こそ不可視の力でどったんばったんするぞ〜っ(こらこら)