思い深く永く 投稿者: 時の影
     ぐいぐい
   「・・・・・・・・・・。」
     ぐいぐい
   「・・・・・・・・(うぅ)・・・・・」
     ぐいぐい
   「・・・(誰だよ!俺は待ち合わせしてんの)」
     ぐいーーーーーー
   「(早く来すぎて寝てんだよ、起こさないでくれ)」
『すみません、少し遅れました』
   「(そう。俺は遅れたんだよ。   ・・・・・・。)」
     ぐいぐい
   「(・・・・・ん?)」

起きた。
・・・・・自分の腕が見える。
俺は自分の腕枕で寝ていた。
     1:08
待ち合わせの時間は・・・・過ぎてる。

『おきましたか。』
   「・・・あぁ、・・おはよ。」
顔を上げて振り向く
   「早く来たもんで、つい寝・・!!・・・て!・・・・て・・・。」
『・・・・・・・。』
   
   「・・・・  ・・・・・・・・。」

『・・・・・・・。』

   「・・・・ぇ・・お・・・ぉ・・・・・。」

『・・・・おかしい・・・・ですか。』

   「・・・・ぇ・・・・え?・・・いや!・・ぁ・・・変くぁないけど・・・」
まずい、言葉がおかしい
『・・・・・・・・』
   「・・・・・・・・・・・どした?」

彼女は顔を赤くしてうつむいている

『・・・・あんまり・・見ないで下さい。』
俺は彼女の顔に見入っていた

   「あ・・・あぁ、・・・わりぃ。」

 彼女に無かった・・・・・いや、あることはあるけどその・・・・・・
目、・・・ちゃんと二つある
鼻、・・・ちゃんと付いてる
口、・・・動いてる

顔、・・・当然ある

でもって、あのさらさらの腰まで、あっ、た、長い・・・・髪・・・・が・・・・

無い。

いや、あるけど・・・短くなっていた。
   「おまえ、髪切ったのか!?」
『はい。』
   「なんで!?」
『なんとなく・・・・です。』
   「そ・・・・そっか。」
『はい。』

『もう・・・・・必要が、・・・・無くなりました。』



 そう。必要、無くなりました。
もう、雨に濡れて待つ必要も、無くなりました。
靴も、制服も、汚れなくて良くなりました。

私はあなたが好きでした。

初めは、確かに私は、幼なじみの あの人 を、重ねてました。
重ねて・・・・ました。

あなたは、でも、違う人・・・でした。
やっぱり・・・・・・・違ってました。

帰ってきて、くれました。約束・・・・・・。

守ってくれて。


人は皆、違った世界を自分の中に持って、
どこかで、どこかで繋がりあって、それで
同じ世界に、居られる、と。

どちらかの、糸が、繋がりがとぎれて・・・・・

 あの人 は、自ら・・・・一つ・・・・一つ・・・
繋がりを、・・・・ちぎってしまった・・・。

 そして居なくなった。
繋がりの無くなった人達は皆 あの人 を忘れた。

だから、私は、覚えてるから、繋がってるから、還ってきてくれると
思ってた・・・・・。
でも、あの人は、自らの、記憶も・・・・・・・ちぎって・・・置いていって・・・・・
私に・・・預けたまま・・・・。

髪は、切ってはいけないと思った。
 あの人 を待つために、その時に、居なくなった瞬間に
とどまるために。

 あの人 が私を思ってくれていたのか、今となっては解らない。
でも、しがみついてた、私は。・・・・ あの人 の記憶に。
髪に絡めて、しがみついてたのかもしれない。


     彼が、ほどいてくれるまで・・・・・・。


 私は、また、繰り返してる。
今度は彼の記憶に、寄り添うように、縋るように・・・・。

でも、違う。今度は、約束・・・・・・お互いの、約束を、持って、
今絡んでるのは、繋がった記憶。
私と彼との繋がった・・・・・・


彼は、居なくなった。

そう。繋がったままの、記憶で。彼は自らの記憶を
私と過ごした記憶を離さなかった。
ずっと・・・・・・。

ずっと・・・・・まって・・・・・・て、よかった。

また、この世界で会うことが出来た。
繋がりのある世界で。
必ず逢えると・・・・・・信じてました。


『必ず逢えると、信じてました』
   「え?・・・何を・・・・」
『そして、本当に、逢えました』
   「おい・・・・・」
『これからも、ずっと一緒です』
   「あ・・・あぁ・・・・」
『だからです。』
   「?」


『だからもう・・・・・・必要、・・・・無くなったんです。』




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いやはや、久々のSS(汗)短時間で書いたんで、構成もへったくれも
無いです。あしからず。ふと浮かんだって奴ですね。(なんじゃそりゃ!)
ま、あくまで「SS」ですから。(笑)
ところで俺がさぼってる間にどんどん貯まってしまってますな。""A^^;
時々偵察に来つつ「おぅ、大盛況」とか思いつつ。

「感想専用掲示板ほしぃ〜〜!」と思ってた所です。


ちなみに俺の第一作を知ってる方。あれは茜SSじゃないです。(汗)
じゃ、そういうことでまた〜〜〜。