時の隙間 投稿者: 時の影
 俺が、まだ学生だったころ。よく思うことがあった。「遠くへ行きたい」・・・・・・と。「遠く」って言っても、べつに何処というわけじゃない。
ただ遠くへ、遠くへ・・・・・・。

朝。起きて、顔あらって、学校行って、かえって、寝る。
次の日も、次の日もまた次の日も、毎日の繰り返し。天気と周りの景色と時計の針だけ・・・・・・変わって行くのに、刻々と。でも俺はただ、毎日の繰り返し・・・・。日記帳をつけようと思ったこともあった。けど、止まっている自分から、掻き綴られる文字はなく、空白のノートは空白のまま。あり地獄でもがいてるありのように、そこから這い出したくても這い出せないまま。動かない時、空白・・・・・。人込みの中、道路の真ん中、電車のホーム。何処に自分を置いても、流れるのは、自分の周りの景色だけなんだ、だから!
・・・・・・・ただ遠くへ行きたかった。ここから動けない、這い出せない自分からの脱出・・・・・逃げてる?・・そう、逃げたかったのかも知れない。この動かない「時間」から。動かせない「時間」から。
 何のために今、ここにいるのかわからなかった。ここにいる理由、そんな見つかりもしないようなものをいつも探してた。見つかるわけの無い時間を。止まった「時間」の中で。部屋の何処かにいつも転がっていて、どんなに探しても見つからない、見つからないような最後のパズルのピース、時間のかけら、自分の存在・・・・・。
 雨・・・・俺は傘もささずに座っていた。人のいない公園のベンチ。濡れったって構わない、時間から取り残されつかれきってた俺だから・・・・・・・・何も抵抗する気になれなかった。

雨が止んだ・・いや、誰かが傘をさしてくれてる。
・・・・ゆっくり顔を上げてみる・・・・・・・あいつがいた。
泣きそうな時。苦しかったとき。くじけそうな時。パズルのピースが零れ落ちそうな時・・・・・・・そう。いつだって、弱い俺のかけらを・・・・なくしてしまったピースを見つけてくれた人がいた、いたんだ。
 今やっと気づいた、大切な存在。遅すぎる確信・・・・・。
もっと話したいと思う、守りたいと思う、もっと触れていたいと思う、この気持ち。見つかりそうで、見つからなかったこの気持ち。愚かだった俺の時間の中で、一番身近で、近すぎて、霞んでしまっていて・・・そして、一番大切な存在。
逃げてばかりじゃ、何も始まらない、時間だって刻まれない。悩みなんて小さかった・・・・ただ、俺が弱かっただけだった。
 だから、勇気を出して、ほんの少しの勇気を出して、守るべき存在を見つけた幸せを抱いて・・・・・。

             『ありがとう。』

<う〜〜んなんか話、だいぶと飛んでしまったな^^;。やっぱ素人が書くとあかんわ・・・。でも、・・・まぁ温かい目で見てやってください、あはは。>