新たなる趣味 投稿者: サクラ
・・・はぁ、何でこんな所でこんな格好して踊っているのかしら?


それはさかのぼること 一週間前

「オッス七瀬、確か今度の日曜誕生日だったよな」
「え?覚えててくれたの?」
「まぁ、一応な」
「一応って何よ!?」
「・・・ま、まぁそれはとにかく、今度の日曜は一緒に踊りに行くか?」
「え?・・・あの公園で?」
「いや、本格的な場所だ」
「ほ、本当!?・・・嬉しい」
「衣装はこっちで用意してやる。とびっきりの乙女にしてやるから楽しみにしてろよ」


これが事の始まりだった。
その日から一週間、折原はいそがしそうだった。
私のスリーサイズを聞いてきたので何かと思えば、衣装を作っているとのことだった。

・・・私は不安だった。
あの折原の衣装がまともでないのは、分かりきっていた事だから。
でも、私のためにやってくれているから断れなかった。

そして、その予感が確信に変わったのは、ほんの一時間前だった。


「・・・ねぇ折原。ダンス会場ってまさかここ?」
「そうだ」

折原に教えられた場所は・・・コスプレダンスパーティ会場だった。

「住井から情報を貰ってな、ここならおもいっきり踊れると思って」
「・・・私帰るわ」
「ま、待て。なぜ帰る?」
「せっかくの誕生日に、何でこんな所で踊らなきゃいきないのよッ!!(怒)」
「・・・『こんな所』は、言いすぎだと思うぞ」
「・・・・・・ゴメン」
「まぁ、とにかく着替えて踊ろう。その後にいくらでも文句を聞いてやるって」
「・・・はぁ、分かったわ」

こうなったら、とことん踊りまくってやる!!


・・・と、こんな成り行きで、こんな状況になっているのよ。
ちなみに私の衣装は、魔法少女の格好よ。
何でも、折原が言うには、

「魔法少女プリティーサ●ーだ。髪型と声でそれしかないと思った」

って言ってたけど・・・

最初は恥ずかしかったけど、まわりの人達が『かわいい』『そっくり』って言うし、『ちょっとインタビューをいいですか?』なんてのも来たから、悪い気はしないけど。

それより折原の衣装はと言うと・・・学校の制服だ(汗)

「ねぇ折原、ちょっと聞きたい事があるんだけど」
「俺は今、魔法少女プリティールミーと踊っていていそがしいんだ」
「かってに命名するなッ!!・・・何で折原は制服なの?」
「何ッ!?俺が何のコスプレをしているのか分からないのか!?」
「・・・分からない」
「仕方がない。教えてやろう。PCゲーム『ONE〜輝く季節へ〜』の主人公、折原浩平だッ!!」
「アホかッ!!」

ゴスッ!!

「ぐふっ!!・・・もしかしたらお前はプリサ●より、ONEの七瀬の方が似合ってるかも」
「似合ってるんじゃなくて、私は本物よッ!!」


数時間後、コスプレダンスパーティーは終わった。

「・・・で七瀬、感想は?」
「・・・結構面白かったかも」
「そうか、それは良かった」
「・・・コスプレっておもしろかったわ。インタビューもされたし、また来たい・・・かな」


毎年8月8日のコスプレダンスパーティー会場には、とても目立つカップルが来ているそうだ。
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お久しぶりです。14回目の投稿のサクラです。
「一ヶ月ぶりですね。アシスタントの葵です」

「・・・一ヶ月何してたの?」
・・・・・・暑くて死んでた。
「・・・三流作家」(ボソッ)
ぐはッ!!(吐血)

それではすべての皆さんにありがとう。

P.S.七瀬留美よ、お誕生日おめでとう。これからも、応援するよ(何を?)。