If・・・・氷上シュン(2) 投稿者: サクラ
川名みさき編

「ったく長森の奴、掃除掃除とうるさい奴だな」

俺は長森から逃げるため屋上に来ていた。すると、不意に後ろから声をかけられた

「君が悪いんじゃないのかい?」
「・・・・・・氷上か」
「なんだい、その露骨に嫌そうな顔は?」
「嫌そうじゃなくて、嫌なんだよ」
「照れなくていいのに、永遠の住人ちゃん」
「照れてないッ!!それに何だその呼び名はッ!!」
「可愛いのに」
「・・・いやそう言う事じゃなくて」
「じゃぁ、永遠の住人ちゃん」
「・・・どこからその呼び名が?」
「雰囲気かな」

どんな雰囲気だよ?

「君は今にも、永遠の世界に旅立とうとしているからね」
「うわッ!!消えかかっているッ!!」

・・・俺は消えるのか?


上月澪編

「いただきま〜す」

俺は食堂でカレーを食っていた。

ガチャン

ん?何か背中が熱いような・・・・

「・・・・あっちーーーーー!!」
「ああ、ごめんごめん。手がすべっちゃったよ」
「氷上!!お前は俺にうらみでもあるのか!?」
「うらみならあるよ」
「あるんかいッ!!」
「折原君は、僕の愛に答えてくれないからね」

・・・いや、それが普通じゃないのか?

「まぁとにかく、上着を脱いでよ。僕が洗って返すから」
「ああ」

ぽっ(はあと)

「・・・氷上、何で頬を赤く染めるんだ?」
「だって、折原君のカッターシャツ姿をはじめて見るから」
「・・・・・・」
「とってもいいよ折原君、ああ、僕はもう思い残す事はないよ」

・・・氷上、安心して‘さっさと’消えてくれ


椎名繭編

「くそッ!!寝坊した!!長森の奴、風邪なんかひきやがって」

俺は遅刻しそうなので、近道の林を走っていた
そこで俺はまた‘奴’に会ってしまった

「・・・やあ、折原君」
「氷上、ここで何をしているんだ?」

氷上はとても悲しそうな目をしている。何かあったんだろうか?

「家で飼っていた鳥が死んじゃったから、お墓を作っていたんだ」
「・・・そうか」
「・・・うう、こーへー、何で死んじゃったんだよー!!」
「ちょっと待てい!!こーへーって何だ!?」
「死んじゃた小鳥の名前だよ」
「・・・・・・小鳥に、俺の名前を付けるなよ」
「何で?」
「俺が死んだみたいで、聞こえが悪いだろ」
「・・・分かったよ」

良かった、分かってくれたみたいだな

「でも、今名前が付いてるペット達は、名前を変える事はできないけどね」
「・・・俺の名前のペットが、他にもいるのか?」
「えっとね、犬、猫、鳥、金魚、フェレット、ペンギン、それから・・・」
「そんなにも俺の名前を付けるなッ!!」

・・・こいつの家って一体?それにペンギンって?・・・・・・