みさお  投稿者:シン


おにいちゃんが来たときに告げた言葉…

それは………

今日は…ちちおや参観日…

だから……おにいちゃんは見てなきゃダメだよ…

「う…おにいちゃん」

一生懸命に笑顔を作ったけど…笑えてるかな…

すごく苦しいから…笑えてないんじゃないかな…

「ちがうぞ、おとうさんだぞ」

…ばれてる…んだね…かくしきれなかったんだ……

でも、そう知ってて見守ってくれてる…

「うん…そだね…」

「じゃあ、見ててやるからな」

ありがとう、おにいちゃん

コロコロコロコロ…………

手の中で、キャラメルのおまけが踊る…

コロコロコロコロ…………

「……」

……

その音以外…沈黙が支配している……

とても静かだけど…

とても、暖かい時間…

とても、ゆっくりした時間が流れ……

「うー…」

その時間が…終わりを告げようとしている……

「みさおっ?」

「しゃ、しゃべっちゃだめだよぉ…おとうさんは
 …じっとみてるんだよ」

それでも…その時間を、引きとめていたくて…

「あ、ああ…そうだな」

………

「うー…はぅっ…」

わたしが死んでも…この暖かい時間を続けていてほしくて……

「はっ…あぅぅっ…」

でも…それでも……

「はーっ…あぅっ……」

………限界は…来る…

「はぁうっ…くるしいっ…くるしいよ、おにいちゃんっ…」

その言葉で…暖かくて…ゆっくりした時間は、終わりを告げる…

おにいちゃんが必死になってかけてくるのがわかった…

「みさお、だいじょうぶだぞ。お兄ちゃんがそばにいるからな」

はげましのことば…いくらか気が休まって…甘えたくなるような…

やさしい…こえ

「いたいよ、おにいちゃんっ…いたいよぉっ…」

でも、ここで甘えたら……

「だいじょうぶだぞ。ほら、こうしていれば、痛みはひいていくから」

めいわくかけちゃうから……

おにいちゃん…気に病んじゃうから…

「はぁっ…あぅっ…お、おにいちゃん…」

だから…言わなきゃ……

「どうした? お兄ちゃんはここにいるぞ」

どうしても…今伝えなきゃいけないから…

「うんっ…ありがとう、おにいちゃん…」

…よかった…言えて…

本当に…かんしゃしてるよ…おにいちゃん



かんおけがある……

人もいっぱい…

おにいちゃんは

…………いた

つめたい目…でも…わたしにはわかるよ…ないてるんだね…

おにいちゃん…

泣かないで…っていうのは…むりなおねがい?

でも…せめて……おにいちゃんのかなしみを…

やわらげてあげたいよ……

わたしが…おにいちゃんにもらった…

あの…あったかくて、ゆっくりとしたじかんのように……



「泣いてるの…?」

おにいちゃん

いつもないてる…あのひからずっと…

「いつになったら、あそべるのかな」

また、まえみたいにあそびたいよ…おにいちゃん

「…きみは何を待ってるの」

「キミが泣きやむの。いっしょにあそびたいから」

いっしょに、いたいから…ないてるおにいちゃんとじゃなくて、

まえみたいにわらってるおにいちゃんと……

「ぼくは泣きやまない。ずっと泣き続けて、生きるんだ」

「どうして…?」

なんでそんなかなしいこというの?

「悲しいことがあったんだ…」

だいじょうぶだよ…わたしがいるから…

「ずっと続くと思ってたんだ。楽しい日々が」

まだつづくよ…おわってなんかないよ

「でも、永遠なんてなかったんだ」

じゃあ、わたしがずっとそばにいる、

おにいちゃんを、かなしみや、ふこうや、いろんなつらいことからまもるよ

だから…

「永遠はあるよ」

「ずっとわたしがいっしょに居てあげるよ、これからは」

ううん…ちょっとじかんおいちゃったけど、これからも、だよ

いままではおにいちゃんがわたしのそばにいてくれてたけど

これからはわたしがおにいちゃんのそばにいてあげるよ

……そばにいてあげれるよ



そして、ちょんとおにいちゃんのくちに、わたしのくちをあてた



えいえんのめいやく?

うん…そうなのかな…

わたしは…おにいちゃんをまもりたいとおもっただけ…

このせかいにある…すべてのつらいことから…

そして…おにいちゃんと、いっしょにいたいだけ…

いつまでも…いつまでも…



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後書きを書きましょうか…

☆設定☆

『わけわかんないの』
これですか?これはみさおさんをモデルにしたお話なんですよ
『それくらいわかるの』
ではどこがわからないのでしょうか?
『葬式以降なの』
みさおさんのお葬式の時も、視点はみさおさんです、これはわかりますよね
『当然なの』
みさおさんの幽霊、と思うのが手っ取り早いですね。本当はもう少し違うのですけどね
『じゃあ、永遠の少女編なの』
どう言う質問でしょうか?
『彼女は何なの?』
彼女は、正確には浩平君が生み出した少女です。外見は瑞佳さん、中身はみさおさんという
あやふやな存在、でも中身がみさおさんである以上、彼女はみさおさんではないでしょうか
どちらでもなくなるという説もありますけどね
『後半で漢字が無くなるのはなんでなの?』
それは、みさおさんの設定上です
1.病院編…実際の彼女(おにいちゃん が平仮名なのはゲームを元にしたからです)
2.葬式編…というほど長くないですが、幽霊化してます、相変わらず漢字は少しです
3.永遠の少女編…上記の通りですね。本来のみさおさんは少しなら漢字を使えますが
         浩平君から見ると使えないのと同じ様なものだったんです。
とまあ、こんなところでしょうか
『なんか分かり難いけど、これ以上説明できない様だから我慢するの』
口下手ですいませんね。口下手ついでにもう一つ説明を、
みさおさんも死ぬ直前まで…いえ、死んでからもでしょうか
暖かくて、ゆっくりした時間が、永遠に続くように願っていたという事です。

☆後書き☆

これは…少しまずいですね……
「どうしたの?」
みさきさんですか…実は、多々テキスト引用をしてしまいまして…
「それくらい平気じゃないかな」
そう言ってもらえると助かります
?(漢字一文字)「シンは自分に甘い」
う…すみません

☆次回予告☆

すいません、無いんです。
七瀬「さらっと言うなぁーーーーーっ」

☆お終い☆

お終いです。読んで頂き、ありがとうございましたm(__)m