空白 〜澪〜 投稿者: シン
ズダンッ
結構凄い音がした。驚いてそっちを見ると知らない人が壁を叩いていた。
・・・・・・
知らない人?
誰だっけ?
確か、知っていた筈なのに、でも何で思い出せないんだろう

『さっきの人、誰なの?』
深山部長は知ってるみたいだった、だから聞いてみたんだけど
「え?さっきの人って、誰のこと?」
部長も忘れたみたいだった。

あの人にもう1度会えばわかるかもしれない、そう思ったけど、
その人とはそれ以降、全然会うことが出来なかった、
そして、会えなくても、思い出せなくても、そのときは近づいて来ていた。

「上月さん、服買って来たんだからたまには着て練習した方がいいんじゃない
 折角買ってきたんだし、…あれ?でも、誰と一緒に行ったんだっけ?」
…それは私の方が聞きたいけど、
『わからないの、でも、大事な人だったはずなの。』
自分でも変だとは思う、記憶は無い筈なのに心が叫んでいるような感覚
憶えていないはずなのに、憶えてない、つまり知っていたという事は憶えてる
要するに、「知っていた、でも忘れた」と言う事は分かる、そんな曖昧な感じ。
普通は忘れたら気にならないのに、忘れた事すら忘れるのに、
忘れたという事は分かっているけど、何を忘れたかが分からない。

あの人は、今日も学校に来てないみたいだ。
会えば、会えれば何かわかるかもしれないのに……………

…今日も来てないみたい、もう学校には来ないのかなぁ、そんな事を考えながら
今日もある場所へと向かう。
ここ数日、何故か気になる場所、多分、あの人に関係がある場所、
でも今日は感慨にひたりに来たわけじゃない、用があっただけだった、食事をするという。

ガシャン
………
「あっちぃ〜〜〜」
ラーメンをこぼしたのは私じゃないけど、ラーメンをかぶったのはあの人じゃないけど、
その光景は、いつか見たものだった。その光景は、“あの人”を思い出させるのには、
充分すぎるほどだった。

その時に全てを思い出した。
・私一人のコーチになってくれたあの人を。
・一緒に服を買いに行ったあの人を。
・暗い校舎の中で、一緒に古いスケッチブックを取りに行ってくれた人のことを。
・「最初に会った時の事、覚えてるか?」と言った人を、
  あの時、あの人は悲しそうな顔をしていた。
・ここの、この場所で私がラーメンをかけてしまった人を。

そして、最初に出会った時、冗談まじりに、でも、凄く優しく声をかけてくれた、
  声の無い私に、“話し方”を教えてくれた、“折原 浩平”という人のことを……。

次の瞬間には、私は駆け出していた、
古い、約束のスケッチブックを教室の机に入れておいたままという事も忘れて。

しかし、誰に聞いても、答えは決まって「知らない」か、「忘れた」のどちらかだった。
しばらく歩く回った後で、歩き疲れ、
スケッチブックが無いことにも気付いて教室に戻った時、スケッチブックは無く、
ただメモに書かれた文字が一言
「約束守れなくてごめんな。」
まちがいなく、浩平さんだった、姿は見えなかった、もちろん、声も聞こえなかった、
だけど、私にははっきりと伝わった、浩平さんの心が、そして、同時に予感もあった、
浩平さんがこのままどこかに行ってしまいそうな、いやな予感が。
誰からも忘れられるなんて普通じゃない、だからこそ、会いたかった、
どこかへ行くにしても、それがどこであっても、連れて行って欲しかった。

でも………………

そして、私が浩平さんに会える日は奇しくも、
 私の上演日と、そして、浩平さんの消える日とが重なる日になった。

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いや、終わりましたね
『シン、誕生日プレゼントにしては遅すぎるし下手すぎるの
 ついでにちゃんと姿は見えてた筈なの』
グフッ(少量の吐血)、痛い所を、そういうのは茜にまかせなさい。
『理由位は聞いてあげるの』
下手なのは私の実力不足です、すいません、
うろ覚えで書いてるからゲームとの矛盾点がちらほら…m(__)m
で、遅れたのは、パソコンがぶっ壊れた。
「ちがうよ、シンが壊したんだよ」←(みさき先輩)
グハァッ(大量の吐血)、m(__)m、反省はしてます。
『…まあいいの、下手とは言えシリアスなSSだったから許すの』
「でも、私のはまだだよ」
悪い、みさき先輩、実はまだ澪しかクリアしてない新米さんだから、
クリアしたら書くと言うことで勘弁〜〜〜〜
ところで澪は浩平の事をなんて呼ぶんだ?
『内緒なの』
つい気に入ったから「神楽有閑」さんの真似をしてしまったが
神楽有閑さん、ほんとにすいません、著作権無視です。

あれ、ところでみさき先輩は?
『泣きながら帰ったの、シン、今度からは後ろに気を付けるの』
そ、そうする。

>いけだものさん、雨の日
  そんなに読みにくくなかったですよ、2人の冗談の言い合いが笑えました。

>から丸さん、幻想猫の魔法:第三話
  前半ギャグで後半シリアスなところがいかにもONEって感じがしますね、
  って関係無いか(一人ツッコミ)
  さて、ここからどんな物語が発展していくのだろうかっ、
  住井は“無事に”自分の家に帰る事ができるのかっ?(笑)ってとこですか。

>変身動物ポン太さん、雨が上がった後で…
  ほのぼの系の暖かくなるようなSS,いいなぁ私も書きたいです。
  実力が無いから無理ですけど(泣)
  というわけで、お師匠様と呼ばせてください(笑)
  それは冗談だけどほんとに書きたいなぁ

>高砂蓬介さん、茜色の姉妹 第一章 「発生 ―occurrence―」
  にしても紅って名前はあんちょ…うっ、げほっ、げほっ
  なんでも無いです、でも、展開はスリリングですね、
  茜と一緒に、読んでる自分までおちょくられてる感じがします
  あ、いい意味で、ですよ。

『シン、感想だけだと飽きるの、他の感想はまたの機会にして
 今回はお別れなの。』
ちょっとまったー、
神楽有閑さんのつなぎとめる想いとは一味違った思い出し方でした。
『こっちの方が無理があるの、それもいろんなとこで。』
はぁ、まだ10個くらい読んでないし、また読むかな。ではでは〜〜