懺悔 〜茜〜  投稿者:雀バル雀


「C−57、確認しました」
「よし、これから第三段階を始める」

「…………」


うぃぃぃぃん…







旅は続く

長い旅


正直気分が重いです。

けど

真実に近づくために…



また

闇が来る。





 『懺悔』  〜茜〜




「ふふふ…こんにちは、茜」

「………」

「おや?挨拶もできないのですか?」

「………」

「まあ、いいです。…さて、今日も過去の自分に謝罪していただきます」

「………」

「まただんまりですか…。反省していないようですね」

「………」

「そんな恐い顔なさらないでください。悪いのはあなたなのですから」

「………」

「望んだのもあなた自身。…でしょう?茜」

「………」

「これは過去からの復讐。罪深き自分に課せられた罰…」

「…嫌です」

「目を閉じても無駄。耳を押さえても無駄…『否定』することなんてできません」

「…嫌です!お願い、やめてっ」

「ふふっ…恐いの?」

「!!」

「そうやって過去から逃げ続けてきたのですね。だから…」

ぶんぶん

「嫌っ」

「あなたは過去から復讐を受けるのです」

「……!」

「それはあなたの心の中にあるもの…」


じゃんじゃかじゃ〜ん♪


「………!この曲…」

「ふふふ…思い出しました?」


ぶんぶん

「し、知りませんっ!お願い、止めてくださいっ!」


もしも〜生まれ変わっても〜 また私にうまれたい〜♪


「嫌ですっ!嫌ぁぁぁ」

「どうしたのですか?あなたの好きな曲ですよ」

ぶんぶんぶん

「知りませんっ!ポ○ビなんて私………えっ?」

「ふふふ…ポケット○スケッツ、アルバムも持っていたじゃありませんか?」

「…し、知りませんっ」

「うそつき」

「嫌ぁ」

「うそつき」

ぶんぶん

「嘘じゃ…ありません」

「…どうして否定するんですか?○ケビの賞味期限はまだ過ぎてませんよ」(ニヤリ)

ぶんぶん

「お願い…もうやめて…」

「でも、あなたは認めたくない…過去の自分を…過ちを」

「………」

「そして、過去の『里村茜』が傷つくの。あなたの身代わりとなって…」

「…嫌…です」

「さっき言いましたよね、『否定しても無駄』と。事実は事実、決して消えることはないのですよ」

「…そんな…」



『…お願いします』



「!」

「ふふ…思い出しました?」

「…こ、この光景!?………嫌…嫌ですっ、止めてっ!」



『…ポ○ットビスケッツ署名運動にご協力お願いします』



「嫌ぁぁぁぁ!」

「…否定したいはずですよね、こんな過去…」

「違います!やめてくださいっ!」

「いいじゃないですか?わざわざ隣町まで行って頑張ったんですから、応援してあげたらどうです?」(ニヤリ)

「嫌っ」

「恥ずかしくありませんでした?」

「……かった」

「聞こえません」

「恥ずかしいから…だからお願い、もうやめてください!」

「…嫌です」

「え?」

「ふふ…こう言われたら結構堪えますよね?」(ニヤリ)

「………」

「さて、少しは反省する気になりましたか?」

「………」

「またそんな目を…」

「………」

「でもまだ足りないのですよ」

「………」

「…あの日から周囲があなたを見る目…おかしくありませんでした?」

「!」

「見られていたのですよ…広瀬さんに」

「…嘘…」

「ほんとうです。下手に偽装工作をしたことで、余計に恥をかきましたね」

「…そんな…」

「ふふ…ほんと、恥ずかしい人ですね」

「…あ、あれは…その…詩子が無理に誘うから…つい…」

「そうやってすぐ人のせいにする」

「ち、違いますっ!」

「うそつき」

「嘘じゃありませんっ!」

「嘘です。だって詩子は○ラビのほうが好きですから。あれは茜、あなたに付き合ってあげただけ…」

「そ、そんなっ」

「それに…ね」(ニヤリ)

「え?」



『うぇ〜ん…どうしてーっ!』
『帰ってきてーっ!●ideー!』



「…こ、これは…」

「さあ、今度はどんな言い訳をするの?」

「…あ、ああ…」

「ねえ?茜」



『hi●e−っ!どうして…どうして私を一人ぼっちにするんですかーっ!』



ぶんぶんぶん

「いやあああああああああああああ!」

「…学校サボってまで駆けつけるほど好きだったんですね」

「嫌っ、もう嫌ですっ」

「シングルもアルバムも全部持ってますしね」

「嫌ぁ、これ以上は…」

「そんなに好きなら、生前から応援してあげればよかったのに…」

「ぐあっ」

「葬儀の帰りに買ったのが初めてだった…ねえ、ほんとうに●ideのファンだったのですか?」

「わ、私は…」

「また詩子の付き合い?」

「違います、私はずっとXの…」

「うそつき」

「嘘じゃありませんっ!」

「…確かにあなたはXのファンだった。でも…」



『ねえ、茜…聞いた?hi●eが自殺したって』
『…誰?』




「メンバーの名前くらい覚えておいてください」

「…そ、それは…」

「ほんとはY○shikiとT●shiしか知らないくせに…」

「あ、ああ…」

「…ほんと、恥ずかしい人」

「違う…わ、私…」

「なにが違うんですか?」

「………」

「ふふ…それだけじゃありませんよ」

「え?」


それが〜一番大事〜♪


「やめてぇぇぇ!」

「あなたが大事○ANブラザーズバンドのCDを持ってたことも」

「違う。違いますっ!あれは弟が…」

「すぐそうやって誰かのせいにする」

ぶんぶん

「違います。違います」

「うそつき」

「うそじゃありません!…うそじゃあ…」

「ふふ…反省した?」

「誰が反省なんかっ!」

「あらあら。案外しぶといですね」

「………」

「では、これは?」

「え?」


日本の未来は〜♪


「いぇい いぇい いぇい…は!…い、今のナシっ!」

「…好きなんですね?」(にやり)

「違いますっ!違いますっ!」

「いいじゃないですか。部屋で密かに踊ってるの、ちゃんと知ってますよ」

「違いますっ!」

「なにが違うの?」

「ちがっ……あ、あれは…そ、そう、忘年会の余興の練習…」

「………」

「いや…そんな目で見ないで…」

「うそつき」

「やめてぇ…」

「ほんと…あなたはどうしようもない人ですね」

「ちがぅ…」

「ここに1冊の日記があります」

ぴくっ

「そ…それは…」

「どうしまして?読まれてなにか困ることあるんですか?」

「か、返してください」

「『2/16…。今日は幼馴染の司くんとの初デート。もう私のハートはDOKI・DOKI』」

「いやぁぁぁぁ」

「『彼のアクアマリンの瞳に吸いこまれそう。司…My Lover』…司くんって日本人じゃないんですか?」

「嫌です!かえしてぇ〜」

「『今日、あの人はパリに旅立ちます』…あれ?“永遠の世界”じゃなかったの?」

「嫌です!うっ…ううう…」

「あらあら、泣かないでください。『嘘彼氏』ぐらい、みんなやってますから」

「うがぁ」

「ほんと…恥ずかしい人」

「………」

「まだまだこれからですよ。…過去への謝罪はまだまだ続くのですから」

「…嫌です…」

「そう…それこそ『懺悔』」

「………」









うぃぃぃぃぃん…

はあ はあ はあ

「………」


「第三段階終了しました。お疲れ様です」


「………」


「だいぶ精神を酷使しましたね。訓練は厳しいでしょうが、これも目的のためです。頑張ってください」


「………」



記憶はないのに
何故か心が痛い…

頬をつたった涙の跡だけが
「心の傷」を教えてくれる…




正直気分が重いです。

けど

真実に近づくために…。



旅は続く

長い旅。


〈了〉


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「こんばんは〜。おひさしぶりの雀バル雀です」
「アシスタントの『長森EDで窓から外を眺めている青髪のポニーテール少女』でーす☆はぁ…」
「そうがっかりすんなよ、ポニ子。しっかし、オブライトが死ぬとはなぁ。これでU戦士がまた一人」
「ポニ子じゃないもん!…あんた…新年1発目がこれ?」
「うう…ネタがなかったんだよぉ」
「しかもつまんねー。手抜き。クズ」
「うう…ほんとのことを言わないでぇ…」
「だいたい、なんで里村さんなのよ?」
「いやぁ…まずは「里村茜バッシングSS」第一弾ということで」
「なんでまた?」
「だって茜人気あるじゃん。ひがみです。苛めです(きっぱり)」
「あんたねぇ…」
「うう、でも私の学説『茜の幼馴染、実は嘘彼氏』を証明したかったんだよ」(笑)
「嘘彼女はあんたぐらいしかやらんっ」
「うう…みんなやってるよぉ…」(そうだよね?)
「はぁ…。それでは今回はこれまで。またね〜」
「さよなら☆」


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