懺悔  〜郁未〜  投稿者:雀バル雀

「A−12、確認しました」
「よし、これから第三段階を始める」

「…………」


うぃぃぃぃん…







旅は続く

長い旅


正直気分が重い

けど

真実に近づくために…



また

闇が来る





 『懺悔』



「ふふふ…こんにちは、郁未」

「………」

「挨拶もできないの?」

「…『こんにちは』…。これでいい?」

「ふふふ…」

「………」

「さーて、今日も過去の自分に謝罪してもらうわよ」

「………」

「まだ反省してないみたいね」

「…なんで私が反省しなきゃなんないのよっ」

「過去からの復讐よ」

「やめて!もう…いや…」

「目を閉じても無駄。耳を押さえても無駄。…『否定』することなんて、できやしない」


ぶんぶん

「嫌っ!」

「それはあなたの心の中にあるもの…」


じゃんじゃかじゃ〜ん♪


「………!な、なにこの曲…」


「ふふふ…思い出した?」


ぶんぶん

「し、知らないわよっ!お願い、止めてっ!」


まぜまぜよ〜♪ ミックスジュース〜♪


「い、いや〜〜〜〜〜〜っ!」


「思い出したみたいね」


ぶんぶんぶん

「知らない、知らないよ〜っ!グレチ○なんて私………えっ?」

「ふふふ…グレートチキン○ワーズ、アルバムも持ってたじゃないの」

「ち、違うのっ!…あ、あれは……」

「結構騒がれてたもんね。TVや雑誌とかで」

「…………」

「マスコミにいいように踊らされて…恥ずかしくなかった?」

「…かった」

「ん?良く聞えないわ」

「…恥ずかしいわよぉ!」

「ふふふ…少しは反省したみたいね」

「だ、誰が反省なんて…」

「あきれた…中古レコード屋に売り飛ばしたからって、あなたが○レチキのファンだったという事実は消えないのよ」

「そ、そんなこと…」


まいっか〜♪


「え?…こ、この曲は…」

「ふふ…思い出した?」

「嫌…やめてっ!」


だよね〜♪ だよね〜♪


ぶんぶん

「嫌ぁぁぁ!お願い、止めて〜〜っ!!」


「どうして?あなたこの曲好きだったじゃないの」


ぶんぶん

「違う違う違うっ!」

「なにが『違う』の、ねえ?」(ニヤリ)

「む、昔のことよっ!全部昔のことっ!」

「…でもそれは『事実』」

「くっ」

「あなたがEASTエンド+YUR○のファンだったという過去も、消せないのよ」

「………」

「反省した?」

「い、いいじゃないのっ!捜せば、結構躍らされた人、全国に大勢いるわよっ!」

「あらあら…開き直っちゃって」

「一時的とはいえ、あ、あれだけ売れたんだからっ!…私だけじゃないわよぉ」

「ふふふ…でも、ここまではしないわよねぇ…普通は」(ニヤリ)

「え?…な、なにこの光景」

「なにをしてるの?」

「………」

「あなたは、自分の部屋で…なにをしてるの?」(ニヤリ)

「…音楽を聴いているのよ……」

「ヘッドホンでね。…で、なにを聴いているの?」

「い、いいじゃないの!そんなこと」

「ふふふ…」


だよね〜♪ だよね〜♪


「え?」

「これ、誰の歌声?」

「………」

「ちゃんと思い出してごらんなさい。曲を聴きながら、歌ってるじゃないの」(ニヤリ)

「…そ、そんな…だ、だからなんだって言うのよ。みんなやってることじゃない!」

「ふふ…そうね」

「そうよっ!それのどこが悪いのよ」

「別に悪くはないわよ。……問題はそのあとよ」

「え?」

「あの日から、近所の人の視線、おかしくなかった?」(ニヤリ)

「…べ、別に…そんなこと…ない…」

「隣の福地さん、挨拶した時吹き出さなかった?ねえ」

「そ、それは……」

「聞かれてたのよ、全部ね」

「う、嘘っ!そんな…窓だってちゃんと…」

「防音されてるわけじゃないもの。あれだけ大声で歌ってたらねぇ」

「………」

「おかげで隣のゆかりちゃんまで、この歌覚えちゃったらしいわよ」

「………」

「楽しかったでしょ?」

「…あ、あれは…その…気の迷いよ」

「そう?あんな一生懸命だったじゃない。…おかげでカラオケで90点も取れたじゃないの」

「そ、それは…違う」

「なにが『違う』の?」

「あ、あれは……みんなが『歌え』って言うから、つい…」

「ふふ…」

「本当よっ!場を盛り上げよう、と思って。だから…」

「あれはね、冗談なのよ」

「…え?」

「聞かせてあげようか?あの時のみんなの気持ち」

「………」


『うわー、マジで歌ってるよコイツ』
『しかもフリまで再現してるし』
『90点…郁未、よっぽど練習したんだ。ハズカシー』


ぶんぶん

「い、嫌ぁぁぁ!」


「ふふ…反省した?」

こくり

「……反省した…」

「嘘おっしゃい」

「嘘じゃないわよっ!」

「嘘よ。…あなたはちっとも反省なんかしてない。だから同じ過ちを繰り返すの」


だんご だんご だんご三兄弟〜♪


ぶんぶん

「嫌ぁぁぁぁ〜!」

「ふふ…恥ずかしい」

「嫌ぁ、あれは…その…」

「しかも市営図書館でリクエストして借りたそうじゃない」

「嫌ぁ〜!せっかく忘れかけてたのにぃ」

「しかも、『IKUMI’s Best』ってテープに撮って」(ニヤリ)


ぶんぶん

「お願いっ、もうやめてっ!」

「生ゴミに混ぜて捨てたからって、『事実』は消せないわ」

「うっ、ううう…」

「…でも、それは失敗だった」

「ぎくっ」

「カラスに漁られて破れたポリ袋からカセットが」

「うわああああ」

「…ね、あのゴミ捨て場いつまで迂回して通るつもり?」

「………」

「ほんと、恥ずかしい女…」

「………」

「ねえ、郁未。あなたはどうしてこんなに恥ずかしいの?」

「……違う」

「違わないわよ」

「違うっ!」

「ふふ…深夜ラジオに『加瀬大周大好きッ子』のペンネームで投稿してたじゃない」

「ぎ、ぎくっ!」

「しかも、や○かつウィンクの曲にリクエスト」


ぶんぶん

「お願い、これ以上はもう」


「…ドリアンに相談しようか本気で悩んでたじゃないの」

「ぐはあっ!」

「『1つ屋根の下』見て泣いたんだよね?」

「…うぐっ…」

「しかも再放送でまた…」

「ううっ、もうやめてぇ」

「『東京ラブストーリー』ってのもあったわよね」(ニヤリ)

「…え?…な、なんのことよ」

「リカのマネ…流行ったもんねぇ」

「そ、それは…」

「『○●くん、セックスしようよ☆』って誘って大笑いされたし」

「い,嫌ぁ!せっかく忘れてたのにぃ」

「…ふふ…本当に影響されやすいのね」

「………」

「でも、一番恥ずかしいのは」


ぶんぶん

「嫌ぁ、もう言わないでぇ。十分反省したからぁ」

「『裸の大将』見て、号泣したこと」(ニヤリ)

「うがああ!」


野に咲く〜♪ 花のように〜♪


「いやぁぁ!音楽ストーーップ!!」

「…そんなふうに生きて行けたら素晴らしいわよねぇ。トンネル抜ければ夏の海よ」(ニヤリ)


ぶんぶん

「ひぃぃぃ!もういやぁぁぁ!」

「野に咲く花のけなげな心、分った?…そのワリには歪んだ生き方よねぇ」


ごろごろごろ

「お願い…もう、ひっく…うぇぇぇん…」


「あらあら、転がって号泣とは、さすがに反省したみたいねぇ」

「…うっ…ううう……」

「清さ〜ん」

「うがあ!」

「ふふふ…しばらくはこの路線で責められるわね」(にやり)

「………」

「まだまだこれからよ。…過去への謝罪はまだまだ続くんだから」

「………」

「そう…それこそ『懺悔』」

「………」








うぃぃぃぃぃん…

はあ はあ はあ

「………」


「第三段階終了しました。お疲れ様です」


「………」


「だいぶ精神を酷使しましたね。訓練は厳しいでしょうが、これも目的のためです。頑張ってください」


「………」



記憶はないのに
何故か心が痛い…

頬をつたった涙の跡だけが
「心の傷」を教えてくれる…




正直気分が重い

けど

真実に近づくために…



旅は続く

長い旅


〈了〉

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『タクSSコーナー』


多くの戦士たちが己の文才を賭けて闘う、そこはいわばSS作家の聖地。
熱き想いを胸に秘め、今日も漢達は書きつづける


そう…命、続く限り!(笑)


これは、その闘いを克明に綴った記録である。


『さっか道』


第五話・『星になった少年』


「おーい!蓬介ー!」

「な、なんすか雀バル先輩」

ばきぃ!

「い、いってぇ!…な、なにするんですかっ!」

「雀バル『先生』だろうがぁ!年下の分際でナメたクチきいてんじゃねぇぞ、オラっ!」」(*これはあくまでフィクションです)

「すんません。勘弁してください」

「ったく、バカチンがぁ。先輩の命令だ…あのリトルエンジェルズをナンパしてこーい」

「うぇぇぇ!ぼ、ボクがっすか!?」

ばきぃ!

「うぎゃああああ!!」

「お前以外に誰がおるんじゃあ!」(*あくまでフィクションです)

「は、はい」

   ・
   ・

「へーい、彼女ー!僕と一緒にお茶しなーい」


「えー。みゆきちゃん、このおにいさんナンパしてるのかな?」
「きっとそうだよ、ゆかりちゃん。…どうする?」
「しらない人について行ったらゆうかいされちゃうよ」
「そうだね。きっといたずらされて、およめにいけなくなっちゃうよ」


「失礼な、お兄さんの目をよく見てごらん」


キラリ☆

「わー!すんだ目だよ」
「かっこいい(うっとり)」


「あはは!さあ、これでお兄さんが悪い人じゃないってわかっただろう」


「うん!」
「『びけいにわるいひとはいない』って、いくみおねえちゃんも言ってたし」


「うぬうん。じゃあ一緒に遊園地に行こうね」


「うん♪」
「わーい!」

   ・
   ・

「センセー。連れてきましたよ」

「おうおう、お前にしてはやるじゃねぇか。…やあ!マイラバーず♪『SS界のドン・ファン』こと雀バル雀…」


「きゃあああああああああああ!!!!」
「へ、へんしつしゃだよー!」


「お、おい。待ってくれ〜〜」


「いやぁ!おとうさんたすけてー!おかされるよー」
「『ぶさいくはてきよ』っていくみおねえちゃんが言ってたもん」


とたとたとた…


「…………」

「…あちゃー…逃げちゃいましたねぇ…あはは」

「…なにがおかしいんだ?オラ」

「へ?」

ばきぃぃぃ!

「うぎゃあああああああ!!!」

「てめぇのせいでプチマドモアゼルたちが逃げちまったじゃねぇか!このクズがぁ!」

「ぼ、僕のせいっすかぁ!」

「私のせいだっつーのかぁ?…女の恨みは日本海溝よりも深いぜぇ…」

「ひっ、ひぃぃぃぃ!」

「ホント、役にたたねぇ付け人だよ。…おしおきに久しぶりのこの技を」(*フィクション〈以下略〉)

「わっ、わああ!!先生やめてーー!!」

「うるせー!食らえ『SS流星拳』!!」


ばきぃ! どごぉ! べきぃ!

「ふぎゃあああああ!!」

どさっ

「ケッ。ざまぁねーな。新米のクセに調子にのってるからよ(嘘だよー!冗談だからねー)」

「ううう…母さん、蓬介は挫けそうです…うう…」

「蓬介よぉ。私が憎いかぁ?…なにもお前が憎くてやってんじゃねーんだよ。私も先輩方に鍛えられてこうしてビッグになったんだよ」(*嘘です)

「…は、はぁ…(ビッグ?誰が?)」

ばきぃ!

「てめぇ!今、心の奥で笑ってただろっ!」

「い、いいえ!そんなこと…」

「なんて根性のひんまがった野郎だ!修正してやるっ!」

「ひぃぃぃ!ごめんなさい」

「うるせー!謝って済むんなら私もあいつと別れずに済んだんだよぉ!(涙目)」

ばきぃ! どごぉ!

「うぎゃああああ!!」

「ぎゃはは!これもお前のために心を鬼にしてやってることだぞ(フン、有能な後輩は潰さなきゃな。しょせんこの世は焼肉強食よぉ)」

ぎちぎちぎち

「や、やめて〜!」

「おらおらおら〜。さーて、これでとどめ……」


「なにやってんのよぉ!このバカ雀!」


どがしぃ!


「あだだだだだ!な、なにすんだポニ子!」

「ポニ子じゃないもん!『長森EDで窓から外を眺めている青髪のポニーテール美少女』って何回言えば分るのよぉ。……高砂さん、大丈夫?」

「ポ、ポニ子さん。…ええ、どうにか」

「ひどいケガじゃないの。…コラ雀バル。イジメなんてサイテーよ!」

「イジメとは人聞きが悪い。…これは中畑が駒田の『面倒を見てあげた』という由緒正しき……」

「それがイジメっていうんじゃボケェ!」

ばきぃ!

「うぎゃああああ!!」


「さ、高砂さん。歩ける?掴まって」

「は、はい」

むにゅ

「おお(ポ、ポニ子さんのムネの感触が…)」


「て、てめぇ!ポニ子の乳は私だけのもの……って、わあああ!」

ばきぃ!

「なんで『あんたの“もの”』なのよ!…しばらく死んでなさい。バーカ」


(その日の晩…高砂さん宅)

「うう、まだ傷が痛む……あの時ポニ子さんが来てくれなかったら、今ごろ僕は…」

「…………」

「…はあ…あのムネの感触、よかったなぁ。……そうだ!あの感触を忘れないうちに!」

がさごそ

〜夢想の世界〜

『あん!蓬介クンにこんなことされたらあたし…あは〜ん』
『ふふ…こんなに濡れて…感じてるんだね、ポニ子』
『ああ〜ん。ポニ子じゃない…あっ…もん…はあはあ』


「はあ はあ ごはん三杯はいけそうだ」(*もちろんフィクションですよー)


がちゃ!…ぎいいいい!〈扉が開く音〉


「あわわわ!か、かーさん。部屋に入る時はノックしてって…………えええええ!!!」


「○%*〜−!」


「…グ、グレイ君!?な、なんで!あれはSSの中の架空のキャラのはずじゃ……は!」


(テレパシー)
『我々の正体を告発するとは…見過ごすわけにはイカナイ』


「うわああああああああああ!!!」


(数日後…雀バルのアパート)

<感想です〉

>変身動物ポン太さん 『何の秋?』

本が人類の英知の60%?
ウチのおかん曰く「本なんて読んでてもロクな人間にはなれない」(笑…実は図書司書)
実際…私もロクな人間になれんかったし(大笑)

ま、話は横道にそれちゃったけど
「おかし作り」ってことは…茜かな?
何つくっておげるんだろ?(^^)

『う・わ・ぎ』四話

うわっ!私の繭に抱き付くなぁ(^^#(ダメ人間)

?「ところで…最近里村さんってちやほやされ過ぎだと思わない?」

ん?…お、お前は○○○○!

?「しっ!…ねえ、どう思う?」

う、う〜ん…まあ、そうかもしれんな(オイ)

?「でしょ?…だから、かくかくしかじか…」

げ!…まじに?…それはマズイんじゃあ

?「いいじゃないの。主役でもないくせに偉そうでしょ…あの子」

は、はあ…

?「ということで、次回はこれでね☆…私だけ苦しむなんて不公平でしょ」

いいのかなぁ(^^;

>神凪 了さん 「アルテミス」45話

うぐっ…詩子が敵になってる(^^;
実は少々混乱気味っす
場面があっちこっち飛ぶんで

とにかく、がんばって完結させましょう
大変だろうけど

>矢田 洋さん 『とらいあんぐるONE』

『とらは』ってどこに行っても品切れなんだよねぇ(しみじみ)
ま、それはいいとして
元ネタが全然分りませんので、感想書きようがないです(^^;

・私信
前回は感想どうもでした。
ううっ…(^^;さすがに矢田さんには見抜かれちゃいましたねぇ
悪意とは言わないまでも「むりやり見せ付ける」というのは当たってるし(笑)
「逃がさない」ようにしてますからねぇ(ま、それだけじゃないんですけど)

だから、「嫌い」と言われたらそれも仕方ないと思ってます(^^)。
それでも読んでくれたみんなに…感謝(ぺこり)


>Tromboneさん 『その瞳にうつるもの』

正直、「浩平の死」というのが唐突すぎて……一瞬「?」ってなっちゃったし(^^;
情景描写がいいっすね。

・大空に落ちてゆく。

高く、

高く、
どこまでも高く。

ここ…いいっす(^^)
読んでて勉強になりました♪


>壱弥栖さん 「まだまだ叫ぶ少年たち」

いいねぇ…ダジャレは
文化の極みだよ(笑)
…でも、CMやコピーでダジャレを聞くとむしょうに殴りたくのはなぜなのかしら?

>いちのせみやこさん 『あ・ば・ず・れ』

うう、あの訳は私もできなかったんだよなぁ(バカ大学生)
「誰とでも寝る女」ねえ…誰とも寝ない子よりは好きかな(笑)

うう、BJC知らない(^^;
椎名林檎は五年後くらいにファンになってると思う(笑…ただのヘソ曲り)
いや、好きなんだけどねぇ
Coccoも同じ理由で聴きません(笑)彼女って曲より本人の伝説のほうがよっぽどイカスと思う(笑)

しかし…Kiroroが実は一番キツイ歌詞書いてるような気もするのは気のせいだろうか…
あれのどこが「なごみ系」なんだろ?


>WTTSさん 『脇役にも替え歌を』

テストお疲れ様でした

1、サジタリウス好きだったなぁ
なんかこの歌詞、めちゃハマってるっす♪

2、ごめんんさい、元歌知らず…かと思いきや、あ、あの歌か(笑)
サビがまんまで、こちらもハマりやね

3、あはは(^^)
この歌シラフじゃあ絶対歌えない☆

『SSがいっぱい』

元歌?
う〜ん…おっぱいがいっぱい?(^^)

>から丸さん&からすさん 『魔法使いの女の子の話』

うわああああああああああああ!!
す、すげぇ(^^;
元ネタがないんおなら…こりゃもう手がでんわな(しみじみ)
ここまでしっかりと物語が作れるなんて…
私、出なおしてきます(笑)


〈今回はここまで〜〉



かちゃかちゃ

「……さーて、感想もあがったし。あとは投稿するだけか。…おや?」

「どしたの?」

「見ろよポニ子。蓬介がまた新連載やってる」

「呼び捨てにできる立場か!あんたはもう。…でも、たしかに最近連載増えてるわよねぇ。○クゥエアじゃあるまいし、こんなにこなせるのかしら?」

「うわ!もう投稿してる。…え、また投稿。おいおい、どーいうペースだよ」

「ちょ…ヘンよ、1日20本投稿なんて異常よ。これが伝説の『M・F・P・SSパンチ』!?」

「私、ちょっと様子見に行く!」

「あたしも行く」

   ・
   ・

(高砂さん宅)

「……というわけで、蓬介ったらここ数日以来、部屋に篭ったっきり食事にも出てこないのよ。私もう心配で心配で…」

「そうなんですか。おーい、高砂さーん」

どんどんどん

「…ダメだ。反応がないわ」
「まさか…死んでるとか」

「ひ、ひぃぃ!不吉なこと言わないでください」

「お母さん、しっかりしてください。…雀バル!」
「うう、だってよぉ。…こーなったらしゃーない。扉をぶちやぶってやる。SS流星…」


『ヤメロ』


「え?…な、なんだ今の声?」
「声?あんたなに言ってるの」
「で、でも今たしかに…」

がちゃ


「ウルサイナー。勉強モデキナイジャナイカ」


「蓬介!」

「あら?」
「なんだ、元気そうじゃん」


「ゴメンヨカアサン…心配カケテ。僕、勉強シテタンダ。東大メザスコトニキメタカラ」


「そ、そうなの。…もう、かあさん心配したのよ」

「まったく人騒がせな。でもよかったわ」
「本当だぞ。…いいか、あんまりお袋さんに世話焼かせるんじゃねぇぞ」


「…キサマラ、誰ダ?」


「はあ?…お前何言ってるんだ。まさかこの雀バル雀を忘れたとでも言うんじゃないだろうな?」
「冗談キツイわよ」


「『雀バル雀』…ソンナ作家ハでーたニナイゾ。勉強ノジャマダ。カエレ」


ばたん!


「お、おい!」
「…どうしたんかしら、いったい」


(その日の晩…雀バルのアパート)

「わあ、20もあった連載、全部終わらせてるわよ。もしや、なにか憑いてるんじゃあ…」

「………」

「1日で200本投稿なんて…狂ってるわよ」

「………」

「…?雀バル」

「おかしい。…あれだけの量の中で『グレイ君シリーズ』だけが投稿されてない」

「え?…ほ、ほんとだ。過去ログまで削除されてる」

「…まさか!」


     *

(高台の公園…)

はあ はあ はあ

「ま、間に合ったみたい…だな」
「雀バル!…あ、あれ見てよ!」


うぃ〜ん うぃ〜ん

『チッ! ドウシテココガ!』


「最近ここらへんでUFOを見かけたって、大学のM○R研究会の友人が教えてくれたんだよっ!…この宇宙人!高砂さんをどうするつもりだっ!」
「お母さんまで『ウチにそんな子はいない』とか言ってるし。あんたたちの仕業ねっ!」


『…フフフ…ヨクゾキヅイタ。地球人モバカデハナイヨウダ』


「こんだけおかしかったら、誰だって気付くわぃ!」
「高砂さんを返しなさいよ!じゃないと…」


『アハハ…カトウ人種ニシテハタイシタモノダ。ダガ、キサマラニナニガデキル?』



「な、なに!…クソ、円盤じゃあ手が出せない」
「降りてらっしゃい!この卑怯者」



『野蛮人ト挌闘スル趣味ハナイノデ遠慮スル。…ソレニ、コノ少年ノ持ツ才能ニハ惹カレルモノガアル!…ワズカノ人口進化剤ノ投与デ驚クベキ想像能力ヲ示シタノダ。実験スル価値ハアル』



「なんだとっ!てめぇ……分った!私がコイツの代りになるから…だから解放してやってくれ!私なんかより遥かに有望なんだ」
「ちょ、雀バル!あんたなに言ってるのよっ!」



『アン?……キサマノヨウナ猿ニヨウハナイ。サラバダ』


うぃ〜ん うぃ〜ん



「だ、誰が猿やオラッ!…ちょ、待ちやがれ!」
「高砂さーん!…大変、飛んでっちゃう」



『モウ二度ト会ウコトモアルマイ。サラバダ…下等人種。わーぷ開始…3…2…1…』

うぃ〜ん うぃ〜ん うぃ〜ん


「きゃあああ!」
「くっ!蓬介ーー!頼む、もう虐めたりしないから………うわああああ!!!」



ひゅぅぅぅぅぅぅぅん!



「……………」
「…そ、そんな…」



    *

(数日後)

「……グスン……」

「ほらっ、いつまで泣きべそかいてるのよ。いいかげん立直ってSS書きなさいよーっ」

「…ポニ子…嫌だよもう。がんばって書いても高砂さんみたいに…うっうう」

「…雀バル…」


バシンッ!


「痛ぇ!…な、なにするんだよっ!」

「雀バルの弱虫!なによっ!あんた高砂さんの気持ち、ちっとも理解ってないじゃない!…」

「…なんだとぉ…」

「たとえどんな状況であれ、高砂さんはあれだけあった連載を全て完結させたのよっ!…なのにあんたは…」

「…………」

「『おっぱい姫』はどうなったのよ?」

「…ぎ、ぎくぅ!」

「『一窮さん』の続きは?」

「ぎ、ぎくぎくぅ!」

「泣いてるヒマなんかあるの?…先輩ズラしてたくせに、高砂さんに恥ずかしくないの?」

「……そうか…ごめんな、ポニ子」

「そうよ!さ、早く一窮さんを…」

「実はまた今度連載ものを…」

「また増やす気かぁ!」

「うう…だってぇ……」




きらり☆


夜空に一際煌く星…それは『SS星』

…そこには勇敢な戦士の魂が眠るという


だが!SS作家に休息などない!
行け!雀バル雀!立ち止まるな!


さっか道…それは果てしなく長く、険しい…

  (第五話 完!)

*注意…このSSはもちろんフィクションです。登場人物およびその他諸々、実際とは全く一致しないのであしからず…
高砂さんにはこの場を借りて感謝を(呼び捨てにしたりして…スマン)。

次回のゲストはまてつやさんです


http://www.geocities.co.jp/Playtown-Dice/8321