ガラスのお面 投稿者: 雀バル雀
「澪!なんですか、その演技は!!」

バシイィ!!

『イタイの』
「いいですかマヤ。演劇のとは北風の中、茨の道を笑顔で歩くようなものなのです!あなたにその覚悟がありますか!」
『マヤじゃなくて澪なの』

ドガシィ!!

『ううう〜なの』
「口答えは許しません!役者たるもの台詞以外の言葉など必要ないのです!・・・澪、もう一度!」
『もう二十回目なの』
「出来るまでです!!さあ、シーン627『池田屋の階段落ち』いきますよ」

ふるふる

『そんなシーン無いの!』
「・・・いいから行け、オラ」

どどど・・どかどかどかどかどか!!・・・・どすん!。
(階段から突き飛ばされて転がり落ちる音)

『・・うぐっ・!・な・・の・・』
「いいですか澪!この試練を超えてこそ真の『暮れない天女』への道が開けるのよ!さあ、立ちあがるのです!」

ピカッ・・・・ゴロゴロ (何故か稲妻がバックで光る)

『だめ・・た・・て・・ない・・の』
「獅子は崖がら這い上がって来た者のみ育てるといいます・・。さあ、ここまでいらっしゃい!」

はあはあ

『が・・・頑張るの』

「・・・よくぞ這い上がってきましたね。・・・・しかし、それでは甘い!甘すぎる!」
『へ?』

どがしぃ!!

どどど・・どかどかどかどかどか!!・・・・どすん!。

「私なら、さらに崖に突き落とします!・・・・そう、何度でも!」
『う・・・う・・うぐぅ・・・』
「役者の道は地獄の道!・・・・・それを乗り越えられる強い精神力の持ち主こそ、この『サンダー月影』の後継者と・・」
「誰よ・・『サンダー月影』って?」
「え!?・・・ゆ・・雪ちゃん・・?」
「『上月さんの練習を手伝ってあげて』とは言ったけどね・・こんなことまでしろ、とは言わなかったはずよ・・みさき」
「ごめんね・・澪ちゃんがどうしてもやってくれって頼むから心を鬼にして・・」
『ち・が・う・・の・・』
「・・・・ああ言ってるけど?」
「うう〜・・ごめんね雪ちゃん・・一度こういうのやってみたかったんだよ・・」
「まあ、気持ちは判るけどね・・みさき、覚悟なさい!」
「じょ、冗談だよ〜〜!」

とたとたとた・・・

「こら、待ちなさいみさき〜〜!!」

どたどたどた・・・

『そ・・れよ・りも・・は・や・・く・ち・りょ・・う・を・・なの』

哀れ上月澪・・・発表会まであと七十日。
 
  <おわり>

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「こんにちはです、雀バル雀です。そしてアシスタントの・・」
「『長森ラストで外を眺めている青髪のポニーテール美少女』です。はあ・・・」
「どうした、ポニ子?横浜高校、負けたとはいえ素晴らしい試合だったじゃないか」
「『ポニ子』じゃないもん!・・・『あれ』を書くんじゃなかったの?」
「ああ、『あれ』ねぇ・・・あれはまた今度ね。それじゃあ作品解説お願い」
「あっそ。・・・これも、ふぉるんさんのHPで書いたヤツの改訂版です。あんまり変わってないけど」
「うむ。みさき先輩が演劇部で何をしていたのかが明らかになるのだ。」
「しかし、あいかわらずみさき先輩、外道・・。彼女に恨みでもあるの?こんなのばっか書いていたら、先輩のファンに刺されるわよ?」
「うむ。これも先輩への愛情のなせるワザだ!」
「歪んだ愛情ねぇ・・・それでは感想」
>いけだものさん『花より団子じゃない気分』
「いけだものさん、感想ありがとうです♪・・・お花見SSですか、私も書こうかな」
「あいかわらずのC子ちゃんですねぇ。浩平君も災難です」

「・・・あれ?今回はこれだけなの?」
「うむ。ちょっと時間がなくてな・・・。他のSSは次回以降にでも、それでは」
「さようなら!」