【1】 ゆったりとした休日
 投稿者: 幸せのおとしご <uni@mvf.biglobe.ne.jp> ( 謎 ) 2000/3/3(金)00:18
 ぴんぽーん。
 この家は高校の目の前に有る。
 そして、表札には川名の文字が書かれている。
 浩平はその家の玄関にある呼び鈴を鳴した。
 呼び鈴を鳴らすや否や、がちゃっという音がさせてド
アが開き、
「いらっしゃい、浩平君」
 そして満面の笑顔を浮かべたみさきが顔を出した。

「…早いなぁみさき先輩」
 あまりのみさきの出てくる早さに浩平は少し驚いてい
た。
「へへへ、うん、さっ早くあがってよ」
 みさきは、はにかんだような笑みを浮かべて玄関に浩
平を通す。
「お邪魔しま〜す」
 と言いながら浩平は玄関をくぐる
 そして靴を脱ごうとするところにパタパタというスリ
ッパの音をさせながらみさきの母親が玄関に来た。
「あらぁ、浩平君いらっしゃい」
「あっ、おばさんお邪魔しま〜す」
「あら、浩平君、私のことはお姉さんって呼んでって言
っておくよ、なんてね」
 少しからかうような口調でみさきの母親は言う。
「ははは…」
 思わず乾いた笑いを浮かべる浩平
「聞いてよ浩平君、みさきったら浩平君が来るって朝早
くから起きてずっとそわそわしてるし、気がついたら玄
関の前で浩平君が来るのずっと待ってるのよ〜」
 と笑いながらそう教えてくれるみさきの母親。
 みさきが出てくるのがあんなに早かったのはこういう
わけかと浩平が納得していると
「お母さんは黙っててよぉ」
 とみさきはあわてて言う。
 そして浩平の手を取るとみさきは自分の部屋に向かっ
て引っ張るようにして浩平を連れて行く。
「先輩、何時来ても楽しいおばさんだな」
 からかい半分に浩平が言うと。
「はずかしいよぉ〜」
 先輩はそう言う。
 そして2人はみさきの部屋のある2階への階段を上る
のだった。

 部屋に入ると2人はなんとなくベットに寄りかかるよ
うにして座った。
「ねっ、なんかお話しようよ」
「そーだなぁ」
 みさきは浩平に寄り添ってくる。そして浩平はそんな
みさきを軽く抱きしめる。
 みさきは浩平と部屋で合う時はいつもこのようにべっ
たりとしてくるのだった。なんでも、二人でいるときは
浩平君のにおいをぬくもりをもっと感じてたいからだそ
うだ。

 少しあけた窓から入ってくる風が心地よい。
「はぁ、こうしていると気持ち良いなぁ」
「うん、そうだね。ふぁーあ」
 あくびをするみさき。
「ふぁーあ、なんか先輩のあくび聞いてると俺も眠くな
っちゃった」
「私のせいにするなんて酷いよ〜」
「そんなつもりは無いんだけどな」
浩平はそう言いながら目をつむる。
 そして二人はそんなふうになんとなく時間を過ごすの
だった。

 ・・・

 ぺたぺたと浩平の顔を誰かが触ってくる。
 うー、と眠そうな声をだし浩平は重いまぶた空ける。
 目を空けると、目の前にはオレンジ色に染まったみさ
きの顔がいっぱいに広がっている。

「ん?せんぱい?」
「あっ、浩平君起きたんだおはよ」
 満面の笑みを浮かべてみさきは言う。

「あっ、すまん、寝ちまった折角のデートなのに」
 そう浩平が言うと。
「そんなこと気にしてたの?別いいよ。私は浩平君と一
緒にいられれば幸せだからね。それに浩平君とお昼寝な
んてそうできるわけじゃないし」
そしてにっこりと笑いこっちを見る。
「違う意味では寝ることはあるけどね」なんて恥ずかし
いことを言って自爆し真っ赤になりうつむくみさき。

「先輩…」
 浩平がなんとなくこそばゆい雰囲気に少し緊張してる
と。
「浩平君、もう少ししたら夕ご飯だけど一緒に食べてく
よね?」
「いいのか?」
「うん、いいよ浩平君が来るってお母さんも張り切って
たし」
「まぁ、先輩がいたら一人や二人増えてもあんまりかわ
んないか。そんじゃ、ご馳走になるかな」
「なんか少し引っかかるけど、うれしいよぉ」

「みさきぃ、こうへいくーん、ごはんよぉ」
 そんな時、下の階からみさきの母親の声がする。
 妙にタイミングのよいみさきの母親の呼びかけに二人
は思わず微笑みあい。
「それじゃー、いこっ」
「おう」
 みさきの掛け声とともに、部屋のドアを開ける。

 部屋の扉を開けると階下からは美味しそうなおかずの
匂いが漂ってきた。

(おしまい)
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祝新SS掲示板初投稿♪
こんばんわぁ、おとしごでーす。
そのためだけのSSなので中身は…なんだろねっ?(笑)
まぁ、初物は良いものということで。

読んでくださった方ありがとうございます。
あと、感想を下さった方々ありがとうございました


ちょい感想

>いちのせみやこさん
繭の巻き舌聞いてみたーい。
椎名林檎大好き人間としてはぐーでした♪
感想ありがとうございました

>変身動物ポン太さん
落とし穴に落ちた氷上が笑っちゃいました。
茜と流れ星…うーん、こういうシュチュエーション
いいですよねー
感想ありがとうございました


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http://www2u.biglobe.ne.jp/~otosigo/
です、よかったらどうぞー