海と私達の物語(前編) 投稿者: 幸せのおとしご
 ざざぁぁぁ。
 潮の音が聞こえます。
 水色のそらに浮かぶ、わたあめのような白い雲。

 潮のにおい。
 やけるようにあつい砂浜。
 体をさすような暑いひざし。

 そして、隣にはあの人が。
 そう、ここは
 …海です。

「茜、やっぱり夏は海だなぁ」
「はい」
「早く着替えて海に入るぞっ」
「………」
「ん?」
「…そう、ですね」
 普段はこういうところには苦手な私も、浩平となら楽
しいです。2人っきりならもっとうれしかったんですけ
ど…。

「おおーい、あっかねー。海だよー」
 詩子が、ぶんぶんと両手を振っています。
『海なの〜』
 その隣では澪が、スケッチブックを振っています。2
人とも、大好きな友達ですけど、少し邪魔です。今日は
浩平と2人で来たかったです。でも、浩平と2人じゃ恥
ずかしくて水着姿になれないかもしれませんね。そう言
う意味では2人には感謝しいています。



 そして、その後浩平と別れた私たちは水着に着替え、
集合場所に向かいました。
 今回の水着は、私にしてはかなり大胆なカットに挑戦
してみました。浩平が喜んでくれるとうれしいんですけ
ど…。

「…浩平」
「おっ、茜きたか」
「はい」
「なんで、パーカーを羽織ってるんだ?」
「…恥ずかしいですから」
 なんだかんだ言ってもやっぱり、水着姿になるのは恥
ずかしいです。浩平に見て欲しい自分と恥ずかしい自分
の狭間にゆれてます。
 とその時。するっ、といきなりパーカー後ろから剥ぎ
取られました。私は何が起こったのか分かりませんでし
た。そして、振り向くと子悪魔の笑みを浮かべた詩子が
パーカーを持ってました。
「折原君、これが茜の新作水着だよー」
 いきなり詩子が浩平に向かって話し掛けてます。これ
はわっふる決定ですね。
 でも幸か不幸か、私は浩平の前にいきなり水着姿をさ
らすことになってしまいました。
「どう…ですか?」
 、浩平の反応が気になる私はそう聞きました。
 今回の水着は、薄いピンクのワンピースで、少し背中の
部分がカットされています。
 チラッと浩平を見ます。すると浩平は少し照れたような
顔をしていました。
「にっ、似合ってると思うぞ」
 凄くうれしいんですけど、私は恥ずかしくて下をむいて
しまいました。

「今回の私は大胆なカットよ〜」
『なのなの〜♪』
「私を見て浩平」
『見てなのぉ♪』
 急に私たちの間に入ってきた詩子と澪が浩平に向かって
そう言ってます。
 雰囲気ぶち壊しです。

「…浩平、行こっ」
「そっ、そうだな」
 気をとりなおして、私は海のほうに向かうことにしま
した。

「ああっ、待ってよ〜」
『待ってなのぉ』
「うみー」
『海なのぉ』
 そしてそう叫ぶと二人は私たちを追い抜いて海に向か
って走り去って行きました。

「何だったんだろうな、あれ?」
「…はい」
 私にも、詩子の事は良く分かりません。


 ざざぁぁ
 さぁぁ
 すぅぅぅ

 ざざぁぁ
 さぁぁ
 すぅぅぅ

 砂浜と波の境界線より少し海よりの位置に私は立って
ます。実はこの位置は結構好きなんです。何故かと言う
と。

「何やってるんだ、茜?」
 浩平が近づいて来てそう聞いてきました。
「楽しいですよ。浩平もどうですか?」
「何をどうするんだ?」
 浩平は、顔に疑問符を浮かべています。
「隣に立って下さい」
「おっ、おう」
 といって私の隣りに立ちます。

 ざざぁぁぁ
 さぁぁぁぁ
 すぅぅぅぅ

 ざざぁぁぁ
 さぁぁぁぁ
 すぅぅぅぅ

「おっ、波が引くたびに海に体が進むっ!」
「どうですか?」
「なかなか、楽しいな。でも地味過ぎる。俺がお礼にも
っと面白い事を教えてやろう」
「…嫌です」
 どうせ浩平の事だから無茶苦茶な事をするに決まって
ます。浩平を見ると少し寂しそうでした。
「海には入らないのか?」
 浩平が気を取り直したように聞いてきました。
「ここで良いです」
「ここって…やっぱり海に来たなら入らなきゃ」
「…嫌です」
「どうして?」
 浩平は信じられないと言う顔をして聞いてきます。本
当はあんまり話したくはないのですが、浩平には話す事
にしました。
「…泳げないんです」
「は?」
「…私、泳げないんです。だからここで良いです。何度
も言わせないで下さい」
 これで、私は何度恥ずかしいめにあったことか。
「なんだ、そんなことか。そんなんだったら問題無い、
俺が手を繋いでてやるぞ」
 何が問題無いのか良くわからないですけど、私が、泳
げないという事も、浩平はさらりと流してしまいました

「ほらっ」
 そう言って、浩平が私に手を伸ばしてきます。
 私も、浩平がそこまで言うなら断れません。恥ずかし
いですけどうれしいのも事実ですし。
「…わかりました。そのかわり、絶対に手を離さないで
下さいね」
「ああっ、任せとけ」
そして、私も浩平に向かって手を差し出しました。もう
少しで手が届きます。少しどきどきしてきました。
 そして、浩平の手に私の手が届くと思ったその時。

 どてっ。ばしゃぁぁぁぁぁ。
「ぐわぁぁぁぁぁぁ」
何かの音とともに浩平の悲鳴が聞こえてきました。


(続きます)



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どうもっ、おとしごでぇぇぇす
瑞佳「なんで、私が主役じゃないんだよぉ。夏ネタは私
が主役だったはずだったもんっ」
あっ、あれは没ったから
瑞佳「どういうことだよぉ。それに季節遅れだよぉ」
それは言わない約束
茜「長森さん、いいじゃないですか」
瑞佳「里村さんは主役だから。でも前編って書いてある
って事は終わらない可能性有るよ」
茜「そう言えば…星に」
わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
瑞佳「ごまかそうとしてるもん」
言わなければ誰も覚えてない話を・・・
茜「心配になってきました」
でも、茜って難しいねー誰か書き方教えて欲しいよ、こ
んな感じで良いのかな?
茜「才能が無いだけです。それに私が泳げないって誰が
決めたんですか?」
………俺が悪かった


(感想)

>ポン太さん
「感想SS”中部SS作家座談会−途中参加記念(←おい)」
中部座談会お疲れ様ぁ
いやぁ、毎回ポン太さんの感想には脱帽です。
>天丼は忘れた頃に降ってくる。
これ大ヒット(笑)
>出てこないSS作家は忘れられる
ぐはっ(吐血)

>サクラさん
「枕が涙でぬれた日」
うーん、良い話ですね。
>あの人のいない修学旅行は、行かなかった。
ここの部分はちょっときました。

ひささん
「二学期」
オネエ言葉の浩平良すぎ(笑)
メイン部分が会話だけなのも凄いですね。これって難し
いんですよね


少ない上に、感想になってないけどこんな感じです。
まぁ、書けたら続きで会いましょー

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