上月家の食卓 (大晦日編) 投稿者: スライム
注、この作品中の澪は喋れます。ご了承下さい。では、どうぞ〜



澪「今日で〜♪ 今年は終わりなっの〜〜♪」
  「大晦日っ〜♪ 大晦日っ〜〜〜♪」

台所で一人、おそばをゆでる澪。かなりご機嫌なご様子。

澪「年越しそ〜ばに♪ 歌合戦〜〜♪」
  「除夜のかーねにっ♪ 初詣〜〜〜♪」

澪パパ「ご機嫌だな〜、澪?」
居間でくつろいでいる澪パパが、大きめの声で話しかける。
澪ママ「紅白歌合戦、楽しみにしてたもんね〜☆」
澪「な〜の♪ さぶちゃん見るまで、ぜったい寝ないって決めてたのっ!」
澪も大きな声で言葉を返す。

とてとてとて・・・・・・

台所から居間へ、おぼんに乗った鍋を運ぶ澪。
ぽかぽか、とした空気が澪を迎い入れる。
澪「年越しそばなの〜」
よいしょ、とテーブルの上に鍋を置く。
澪パパ「おっ、出来たかー」
澪ママ「遅かったわね〜、どうしたの?」
えへへ〜、と照れ笑いをしながら鍋のふたを取る澪。

澪パパ「・・・・・・。ちょっと訊いていいかな? 澪くん」
鍋の中身を見つめながら、澪に訊ねる。
澪「どうぞなの」
澪パパ「この・・・おそばのつゆは?」
澪ママ「・・・・・・・どろどろしてるよ?」
あんかけ?
いやそれ以上にその液体は、どろどろ〜、としていた。
澪「澪特製、チョコパそばなの〜☆」
自信たっぷりにそう言う。
澪パパ「ほほう・・・・・。これは、珍しい代物だ・・・・・」
澪ママ「そ、そうね・・・・」
はいなの、と器を二人に手渡す澪。
そして、「早くたべるの〜」光線を放射する。
「おまえ食べろよっ」、「いえあなたこそ・・・」と目で言い合っている二人。
大晦日の上月家の食卓は修羅場を迎えていた・・・。

TV「さぁ〜て、白組のトリを務めますのは〜」
澪「ほえ?」
テレビに耳を傾ける。
澪ママ「あ、澪ちゃん。良かったわね〜、大好きなさぶちゃんの出番だねっ!」
場を濁そうとする澪ママ。
しかし・・・
ぐつぐつ、とチョコパそばが入った鍋が、「早よ食わんかいっ!!」と催促する。
澪パパ(やばいよ・・・・・・。こいつを食べたら、最悪の初夢が見れること請け合いだ)
澪「どきどきなの。さぶちゃん、さぶちゃん、さぶちゃん・・・・・・」

TV「白組のトリはぁーっ、「higeese」でーすっ!!!!!」
観客「おおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!」
TV「今年最もブレイクした中年グループ。「お葬式」や「墓参り」など、数々のヒット曲を生み出しましたーっ!」
  「さあ、ボーカルのhigeさんにお話を伺いましょう!」
澪「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ほえ? ほえ?」
澪ママ&澪パパ「・・・・・・なぜやん?」
澪「・・・さぶちゃんは? さぶちゃんは?」
途方に暮れる澪。
まだ事実を認められないようだ。

TV「初出場でいきなりのトリですね〜。どういう心境ですか?」
hige「んあ〜、むはむはですな」
TV「なるほど〜。今まで生きてきた中で一番嬉しく、そして光栄なことなわけですか〜」
hige「んあ〜」
TV「・・・では、そろそろ準備お願いします!」

段取り良く進む番組。
だが、上月一家はまだ固まったままだった。

TV「さあ、白組の最後を締めます「higeese」。曲はもちろん大ヒット曲「香典」ですっ!!! 」
テレビからイントロの木魚が鳴り出す。
澪「・・・・・・」

ブチッ!

テレビの主電源を落とす澪。
澪「もう寝るのっ!!!」
そう言って・・・

どたどたどたっ・・・・

と、怒りを露に2階へ上って行く。
澪ママ「・・・・・もしかして?」
澪パパ「ああ、救われた。この「higeese」とかいうののおかげで・・・」
澪ママ「あなたーっ!」
抱き合う二人。九死に一生を得た喜びを分かち合う。
澪パパ「オレは「higeese」のファンになったよ」
澪ママ「わ、私も・・・・」

こうして上月家の食卓は、平穏を取り戻した。
なべ「・・・・・ぐつぐつ(T_T)」
そして、「higeese」のファンが2人生まれた瞬間でもあった。

澪「・・・・ぐすぐす。さぶちゃん・・・・・・」



   ―終わり―

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読んで頂き、ありがとうございます。
珍しく季節ネタを書いてみました。
澪『なのなの』
来年(今年)も「上月家の食卓」をよろしくお願い致します。
では、失礼します〜
澪『また会うの〜☆』


>雫副会長どの
 すばらしいSSでした。これで「higeese」の会員が殺到しそうですな〜
 お互いにこれから頑張りましょう!

>髭ファンのみなさま
 髭FC「higeese(ひげーず)」会長のスライムですっ!
 入会希望の方は、吉田樹さんの掲示板、もしくはここでも結構です。
 一言入会の旨をお書き下さい。では〜

>吉田樹さま
 「higeese」を置かして頂き誠にありがとうございます。
 申し訳ございませんが、よろしくお願いします。