・・・。
・・・・・・。
・・・お兄ちゃんっ!
・・・。
・・・・・・お兄ちゃんってば!
え、ああ。どうした、みさお?
・・・寝てたの?
夢・・・見てた。
・・・へえ、どんな夢? みさおに聞かせてよぉ。
たくさんの人が一生懸命協力して、塔を作ってるんだ・・・。
とっても、とっても高い塔。
雲を軽く越えてしまうくらい高い塔。
・・・何のために作ってるの?
神さまに会うため・・・。
天に住んでる神さまに永遠を求めるため・・・。
・・・えいえん?
人々は永遠の世界を創ってもらえるように、お願いしようとしたんだよ。
・・・神さまはどうしたの?
神さまは生き物を創造したときに、適応・成長するように・・・『死』を創られた。
だから神さまは、その塔が天界に届かないように言葉を変えた。
塔を作っている人同士の情報交換が出来ないようにしたんだ。
・・・どうして? 人が天界に来たらいけないの?
うん。
天界は永遠の世界。人が立ち入ってはいけない場所。
神さまはね、生きているうちは永遠の世界へ来ては行けないよって言いたかったんだよ。
・・・ふ〜ん。
その残った塔をね、バベルの塔って言ったんだよ。
・・・あっ! その名前見たことあるよ。旧約聖書の出エジプト記に書いてあったぁ。
へー、みさお。聖書なんて読んだことあるんだー。
・・・うんっ。だってここの待合室、聖書と電話帳しか置いてないもん。
そうなのか・・・。
・・・でも、お兄ちゃん。どうしてそんな夢見たんだろうね。
不思議な感覚だったよ。誰かが語りかけてくるみたいで・・・。
天に届こうかという塔が、どーんってそびえ立っていて。
何でこんな夢見たんだろうなぁ。
・・・変なのっ。
そうだな、変・・・だよな・・・。
・・・・・・。
・・・。
声「第3段階終了だ」
気が付くと、オレは暗闇に包まれた部屋の中央に立っていた。
MINMESでの出来事を思い出そうと、記憶をたどる。
・・・。
・・・・・・夢!?
その言葉がただ漠然と心に浮かんだ。
声「どうした? 次は昼食だぞ」
朝起きて、この部屋に入って・・・そして・・・・・・・今気が付いた。
やっぱり思い出せない。空白の時間。
オレは、唯一の手がかりである『夢』という言葉を深く心に刻んだ。
次は昼食。いや、地下通路に行かないと・・・。
通気ダクトの確認をして、元の地下通路に戻って来る。
そこには長森と晴香の姿があった。
浩美「長森。準備いい?」
長森「う、うん・・・」
浩美「歯磨いた?」
長森「・・・うん」
浩美「新しいぱんつに穿き替えた?」
長森「・・・・・・うん」
憂鬱な表情。気力が全く感じられない。
浩美「胸・・・さわってもいい?」
長森「・・・・・・・・・・うん」
じゃ、遠慮なく・・・。
がしぃっ!
手を晴香に掴まれる。
晴香「何悩んでるのよ。瑞佳、あなた外にいる仲間に連絡するんでしょ!」
長森「あ、う、うん」
浩美「長森、頼んだぞっ」
そう言って長森を送り出す。
椅子に上って、通気ダクトへ入り込む長森。
どうでもいいが・・・ぱんつ見えてるぞ。
晴香「・・・・・」
長森「じゃ浩平、気を付けてね! 晴香さんも」
晴香「ええ」
オレは黙って見送った。
そして、長森の姿が通気ダクトに消えて行った。
次は・・・茜だ。
晴香「次は私に協力してくれるわよね?」
いきなり釘をさされる。
晴香「ここ、FARGOにいる私の兄。良祐、巳間良祐を探すのに手を貸して欲しい・・・」
だから、勝手に話を進めるなーっ!
誰も協力するとは言ってないだろ。
晴香「・・・・・」
浩美「・・・分かったわ。同居人に訊いてみるわね」
とりあえず、訊いてみるだけはしてやるか。
晴香「ありがと」
そろそろ昼食の時間は終わりだった。
オレと晴香はそれぞれ自分の棟へ戻った。
夜にまたここで会うことを約束して・・・。
Moonな日々−5−(後編)へつづく
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スライムでーす。
澪『なの』
今回もダークだったなぁ。
って言うか、浩平がギャグ言える相手がいないような気がする。
澪『なのなの』
次のMoonな日々の前に、悪ある〜(5th)を出す予定です。
こっちは明るく楽しく行くつもりでーす。よろしくねっ!
澪『それでは、感想なのなの』
・吉田樹さま
感想ありがとうございます。リレーSS続き書こうよぉ!
・偽善者Zさま
次回から第3部ですか、楽しみです。今回も良かったですぅ〜。
確か番外編、10話あるって言ってませんでしたっけ?
>「目隠し団」
ホト連に変わって、今度は留美FCですか。
澪FC以外は入る気ないんで、すいませんです。
・もももさま
光鷹翼と天地剣で戦う浩平・・・・・楽しみです。後編待ってまーす。
第2期シリーズもぜひ書いて下さいねっ
・変身動物ポン太さま
茜と永遠の世界に行った幼なじみの話ですか。
いろんな方が書かれてますけど、どのような結末になるか興味ありますね。
・秀さま
死期が近づく浩平母と浩平の関係・・・・・複雑でしょうね、浩平としては。
浩平は母を許すのでしょうか?
この辺りで失礼します。
澪『しますの〜』