Moonな日々−4−(中編) 投稿者: スライム
数分前、瑞佳の部屋に現れた二人の男は、たった一言『ついてこい』とだけ命じた。
廊下を歩く間、男たちは終始無言だった。
瑞佳はこれから何が行われるのか、まったく見当がつかなかった。
ただ、男の一人が時折見せる下卑た笑みが、瑞佳の心に得体の知れない恐怖感を植えつけていることだけは確かだった。
男A「入れ」
目的の場所へ着いたらしい。
瑞佳は男たちの視線に背中を押されながら、鉛色の扉をくぐり、灰色の部屋に足を踏み入れた。
瑞佳がまず部屋に入り、続いて男二人も瑞佳の退路を塞ぐように部屋に入る。
長森「あ、あの・・・」
無言の重圧に耐えかねた瑞佳が口を開いた。
長森「ここで、何を?」
答えはない。
その時・・・・・。
カシャ!
不意に聞こえた甲高い音にビクリと体を震わせる。
音の正体はすぐに分かった。
施錠音だ。
この部屋の扉は中からでも鍵がないと開かない造りになっている。
たった今、この部屋は外と完全に隔離された。
男A「お前、名前は?」
男は品定めをするような目で瑞佳を見る。
長森「・・・長森・・・瑞佳です」
身体に感じる視線から、逃げるように身をくねらせる。
男A「それで、お前は処女か?」
長森「えっ!?」
顔を赤くして目をそらし、男の質問には答えない。
男B「・・・おい! さっさと終わらせるぞ」
今まで沈黙を守ってきたもう一人の男が口を開く。
男A「せっかくの上玉なんだからよ。早いと嫌われるぜ」
揶揄(やゆ)するような声を無視して、もう一人の男は瑞佳に近づいた。
そして、腕を掴む。
長森「え! あ、あの、やめてくださいっ!」
   「きゃあっ!!」
   「た、助け・・・・・浩平っ!!」
暴れる瑞佳。
しかし華奢な瑞佳の力では、男の腕を振りほどくことは無理だった。
他方の男が瑞佳の制服に手をかける。
男A「ほぉ〜、子猫ぱんつとは可愛いな」
上は白のブラが、下は子猫がプリントされたパンツが覗き見えていた。
長森「浩平、浩平ーっ!!!」
ちょうどその時、部屋の中に電子音のメロディが響いた。
パララ〜♪ ・・・・・
突然鳴り響いた場違いな音に、その場にいた者が皆、音の主を探して目を遣った。
男A「・・・ほう」
   「携帯電話持ち込みとは、恐れ入った」
男は携帯を瑞佳のポケットから取り出し、通話ボタンを押した。
電話(・・・・・・・・・)
長森「ん。んんーっ」
無言の電話。
もう一人の男に口を押さえられ、瑞佳は声を出せない。
男A「なんだ!? 無言電話か?」
男は電源を切り、部屋の奥に携帯を投げた。
男A「さて、続きをするかな」
男の手が、瑞佳の胸に届こうかという瞬間だった。
ブオーン!、ブオーン!・・・
今度は、けたたましい警報音がその場を裂いた。
同時に部屋にあった警報ランプの赤い光が回り出した。
男A「なっ!?」
男B「・・・ロスト体か」
   「おい! 行くぞ」
男A「・・・ちっ」
鍵を開け、部屋から出て行く男たち。
瑞佳は状況を把握出来ないで、その場に座り込んでいた。

晴香「隠れて! 出てくる」
内側から聞こえた開鍵音に、晴香が鋭く反応する。
浩美「壊す手間が省けた。殺すっ!」
オレは晴香に腕を掴まれて、廊下の角に引っ張り込まれた。
浩美「何しやがるっ!」
晴香「気持ちは分かるけど、ここは抑えた方が無難よ」
その刹那。
重い扉が開き、気配が遠ざかるのを感じた。
晴香「行きましょう」
オレは得も云えぬ怒りを抑え、その部屋に足を踏み入れた。

 Moonな日々−4−(後編)へつづく

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あ〜あ、BS1行きたかったなー。
澪『行きたかったの』
ま、しかたないか。遠いしね〜。
話を変えて・・・・・
今回の補足説明をします。
瑞佳を救った警報は、「悪ある〜(4th)」のやつです。
で、その前の電話は、澪がその後にかけたものです。
つまり、FARGOは澪を発見して警報を出したわけではなく、ロストに気付いた段階で警報を出したということです。
澪『なの』
では、感想です。
澪『感想なのなの』

・ばやんさま 始めての朝
 瑞佳の若奥様可愛いだろうな〜(^0^) つづきも面白そうですね!
 私も同じ場面を『アサッシン瑞佳』で使ったな〜、あの頃は新人だったな。
 ばやんさんも頑張って下さいねっ

・よもすえさま、雫さま、いけだものさま、だよだよ星人さま、感想頂いた皆さま
 感想誠にありがとうございます。
 澪『嬉しいの』
 私も感想しっかり書きたいんですが・・・・・
 いつもSS書くと力尽きてしまう〜(T_T)
 出来る限り頑張りますぅ〜
 澪『しっかりなの』

では、みなさま失礼します。
澪『なのなの』