えっと、夕食の後は・・・
今日はそう、あの地下通路で晴香と待ち合わせしてるんだった。
オレ的には、約束は破るためにあるとしているが・・・・・まあ、主義に反するが行くことにするか。
浩美「晴香ぁ!」
地下通路でたたずむ晴香を見つけて、オレは声を上げた。
晴香「・・・・・」
浩美「晴香・・・」
「あの・・・お待ちになりましたぁ?」
晴香「別に」
浩美「それがねっ! 部屋に戻って新しい下着に着替えてたら・・・・・」
「あらやだぁ、もうこんなお・じ・か・んっ」
「・・・ていうことで、遅れたのぉ。ごめんなさいねぇ〜」
晴香「・・・・・」
浩美「やっぱり怒ってる? おニューの下着見せるから許してねっ!」
「は〜い、・・・・・どう? 似合うかしらぁ?」
スカートをまくって、ぷりてぃ〜なぱんつを露(あらわ)にする。
当然予想される反応は・・・
「見せるなぁーっ! ぼけぇーっ!!!」
・・・と来て、数発殴られるパターン。
しかし実際は・・・
晴香「何してるの、さっさと行くわよ」
・・・と、ものの見事に無視されたわけで。
ちょっと悪ノリし過ぎたかも知れないけど、やっぱりつっこんで欲しい・・・。
オレは、七瀬の存在の大きさを改めて知ったのだった。
オレと晴香は、長森に会うためにB棟に来ていた。
窓のない薄暗い通路が続き、左右対称に扉が並んでいる。
この造りは、C棟よりA棟に近いようだ。
晴香「いい? 手の甲は自然に隠して歩くのよ」
浩美「うん」
晴香「別棟の人間がこんな所に居るのがばれたら、どんな酷い目に遭わされるか分からないからね」
浩美「ええっ! 酷い目・・・・・えへへ、ちょっと楽しみ♪」
晴香「・・・真面目に聞いてくれる?」
目が座っていた。
いいかげんにしろよ・・・ってことらしい。
オレは黙って頷いた。
それからオレらは、細心の注意をしながらB棟を進む。
・・・・・。
晴香「待って!」
浩美「・・・え?」
晴香「この部屋で何か音がする・・・」
浩美「・・・音・・・・・?」
・・・。
・・・。
・・・・・・・あっ。
微かな電子音。
浩美「携帯の着信音・・・」
「この『必○仕事人のテーマ』は、澪から長森への着メロだ」
こんな場所に携帯電話を持ってきて、尚且つあれを着メロにしている者など、そうそう居まい。
晴香「・・・・・」
晴香は呼び出し音が漏れ聞こえる扉を、忌々しげに睨みつけていた。
浩美「なんなの、この部屋?」
鉛色をした無機質な扉。
他の扉とは何かが違った。
晴香「この扉を初めて見るの、あなた・・・」
浩美「え? ええ・・・」
晴香「ここは、FARGOの連中が『精錬の間』と呼んでいる部屋よ」
浩美「・・・せいれん・・・・?」
「どういう意味なんだ?」
晴香「・・・さぁ。意味なんて知らないわ」
「ただ、あなたの彼女が絶体絶命のピンチということよ」
浩美「お前は、ここに入ったことがあるのか?」
晴香「・・・ええ・・・」
晴香の素振りから、おおよそはわかっていた。
認めたくない。
今、中で行われていることを・・・・・。
浩美「おいっ! この部屋で何をしているっ!! 答えろ、答えてくれ!」
晴香はオレの問いに、黙ったまま首を横に振る。
晴香「・・・・・」
「無駄よ、これは鍵がないと開かないわ」
浩美「長森・・・」
奥義を使って強引にこじ開けてやる。
許さない!
皆殺しにしてやる!!
晴香「・・・驚いたわ。いつも飄々(ひょうひょう)としているあなたが、こんなに熱くなるとはね」
Moonな日々−4−(中編)へつづく
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3日ぶりに覗いてみたら・・・・・凄いことになってる。
文化の日はラッシュだったようですね〜。
澪『なのなの』
これから拝見させて頂きます。
では、またということで。
澪『また会うの♪』