Moonな日々−3−(後編) 投稿者: スライム
ELPODの次は・・・・・夕食か。
MINMES、ELPOD、食事、そして就寝。
これの繰り返し。
3日目にして、すでに気持ちが鬱になってきた。
『不可視の力』を手に入れるまで、どれくらいかかるのか。
果たしてオレはこの修行に耐えられるのだろうか?

食堂に入ると、いつものように葉子さんが先に食事を始めていた。
オレも自分のトレーを持って席に着く。
浩美「・・・・・」
軽く黙礼。
葉子「・・・・・」
葉子さんも礼を返す。
どうやら昼食のことは、もう気にしてないようだ。
今日の夕食はスパゲティのミートソースだった。
以外と手が込んでいる。
味も悪くない。
葉子さんも美味しそうに・・・あれ?
浩美「・・・ねえ、葉子さん」
葉子「はい」
浩美「その、かけてるのって・・・チーズ?」
葉子「違います。ホワイトチョコレートを刻んだものです」
浩美「あの、ミートソースにチョコは合わなくない?」
葉子「いけませんか?」
浩美「いえ、いけないってことはないけど・・・」
あまり美味しくない気がする。
浩美「どうして、チーズを使わないの・・・?」
葉子「いけませんか?」
浩美「・・・そんなことはないけど・・・」
葉子「だったら、構わないでください」
浩美「でも・・・・・変だよ」
葉子「・・・・・」
気のせいか葉子さんの表情がこわばったような気がする・・・。
浩美「・・・葉子さん」
葉子「構わないでください」
取りつく島もない。
浩美「あの・・・」
葉子「何度も言わせないでください」
もしかして怒ったのだろうか・・・。
浩美「・・・ねえ、葉子さん」
葉子「・・・・・」
   「・・・何を訊ねたいのですか」
浩美「・・・え!?」
葉子「質問があるのでしょう?」
浩美「あ・・・はい」

浩美「MINMESとELPODについてなんだけど・・・」
葉子「精神の鍛錬を目指すものです」
浩美「もっと具体的に説明して」
葉子「直接精神に負荷をかけ、抵抗力の増強を計るものです」
どこかで聞いたような台詞が返ってくる。
でも、何か頭の中で引っかかる気が・・・・・
記憶の奥底にある何かが。
葉子「質問は終わりですか?」
浩美「あ、えっと・・・・・もう一ついい?」
葉子「どうぞ」
浩美「葉子さんって、普段は何をしてるの?」
葉子「・・・普段?」
浩美「そう。あの機械に入ってないときとか」
葉子「・・・ラジオ体操です」
浩美「え!?」
葉子「・・・冗談です」
軽く微笑む。
その姿はまさに茜そのものだった。
葉子「瞑想しています」
浩美「瞑想?」
   「それって・・・何もしてないってことでしょ」
葉子「いいえ。瞑想です」
きっぱりと反論する。
浩美「・・・葉子さんって、趣味とかないの?」
葉子「必要ありません」
あまりにもそっけない答えだった。
ただひたすら心の鍛錬をするように、そう暗示をかけられているのか・・・
オレはそんな葉子さん(茜)を・・・・・可哀相だと思った。

 Moonな日々−4−(前編)へつづく

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いや〜、Moonな日々も今回で9回を数えました。
本当に長くなってしまいましたね〜
15回くらいまでつづく予定ですので、これからもよろしくお願いします。
澪『なーのなの♪』
では、この辺りで失礼します。
感想は次回か、WIL YOUさんの掲示板でということで・・・・・
澪『ぐっど らっく! なの』