ELPODの次は・・・・・夕食か。
MINMES、ELPOD、食事、そして就寝。
これの繰り返し。
3日目にして、すでに気持ちが鬱になってきた。
『不可視の力』を手に入れるまで、どれくらいかかるのか。
果たしてオレはこの修行に耐えられるのだろうか?
食堂に入ると、いつものように葉子さんが先に食事を始めていた。
オレも自分のトレーを持って席に着く。
浩美「・・・・・」
軽く黙礼。
葉子「・・・・・」
葉子さんも礼を返す。
どうやら昼食のことは、もう気にしてないようだ。
今日の夕食はスパゲティのミートソースだった。
以外と手が込んでいる。
味も悪くない。
葉子さんも美味しそうに・・・あれ?
浩美「・・・ねえ、葉子さん」
葉子「はい」
浩美「その、かけてるのって・・・チーズ?」
葉子「違います。ホワイトチョコレートを刻んだものです」
浩美「あの、ミートソースにチョコは合わなくない?」
葉子「いけませんか?」
浩美「いえ、いけないってことはないけど・・・」
あまり美味しくない気がする。
浩美「どうして、チーズを使わないの・・・?」
葉子「いけませんか?」
浩美「・・・そんなことはないけど・・・」
葉子「だったら、構わないでください」
浩美「でも・・・・・変だよ」
葉子「・・・・・」
気のせいか葉子さんの表情がこわばったような気がする・・・。
浩美「・・・葉子さん」
葉子「構わないでください」
取りつく島もない。
浩美「あの・・・」
葉子「何度も言わせないでください」
もしかして怒ったのだろうか・・・。
浩美「・・・ねえ、葉子さん」
葉子「・・・・・」
「・・・何を訊ねたいのですか」
浩美「・・・え!?」
葉子「質問があるのでしょう?」
浩美「あ・・・はい」
浩美「MINMESとELPODについてなんだけど・・・」
葉子「精神の鍛錬を目指すものです」
浩美「もっと具体的に説明して」
葉子「直接精神に負荷をかけ、抵抗力の増強を計るものです」
どこかで聞いたような台詞が返ってくる。
でも、何か頭の中で引っかかる気が・・・・・
記憶の奥底にある何かが。
葉子「質問は終わりですか?」
浩美「あ、えっと・・・・・もう一ついい?」
葉子「どうぞ」
浩美「葉子さんって、普段は何をしてるの?」
葉子「・・・普段?」
浩美「そう。あの機械に入ってないときとか」
葉子「・・・ラジオ体操です」
浩美「え!?」
葉子「・・・冗談です」
軽く微笑む。
その姿はまさに茜そのものだった。
葉子「瞑想しています」
浩美「瞑想?」
「それって・・・何もしてないってことでしょ」
葉子「いいえ。瞑想です」
きっぱりと反論する。
浩美「・・・葉子さんって、趣味とかないの?」
葉子「必要ありません」
あまりにもそっけない答えだった。
ただひたすら心の鍛錬をするように、そう暗示をかけられているのか・・・
オレはそんな葉子さん(茜)を・・・・・可哀相だと思った。
Moonな日々−4−(前編)へつづく
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いや〜、Moonな日々も今回で9回を数えました。
本当に長くなってしまいましたね〜
15回くらいまでつづく予定ですので、これからもよろしくお願いします。
澪『なーのなの♪』
では、この辺りで失礼します。
感想は次回か、WIL YOUさんの掲示板でということで・・・・・
澪『ぐっど らっく! なの』