Moonな日々−3−(前編) 投稿者: スライム
食堂に入る。
昨日と同じ席に葉子さん(茜)が座り、昨日と同じ向かいの席にオレが座る。
昨日と同じ光景。
違うのはトレーの中身。
今日のメニューはエビフライのタルタルソースがけだった。
・・・オレは。
葉子さんは器用に箸でタルタルソースを除けて、代わりに怪しい液体をかけて食べていた。
浩美「ねえ、葉子さん」
葉子「はい」
茜の洗脳を解く方法は、その洗脳をかけた者に解かせるしかないのだろうか?
つまりFARGOの創主に・・・。
浩美「不可視の力の修得ってどれくらいかかるの?」
葉子「答える前に忠告が3つ」
忠告・・・!?
葉子「まず1つ。不可視の力はもらえるものではありません」
   「あくまでも結果として獲得するものです」
心底嫌そうな、不機嫌な口調で話を続ける。
葉子「2つめ。それらの獲得方法に対し、どれくらい時間がかかるか、という表現は適切ではありません」
   「時間というものは常に自分のためにあり、他人との比較対象とはなりえないからです」
   「そして3つめは、こんなくだらない質問に時間を割くことがどれだけ愚かなことか、ということです」
   「私はこんな質問を平気ですることの出来るあなたの神経を疑います」
何もそこまで言わなくても・・・。
葉子人格を宿した茜から、FARGOの情報を聞き出すのは不可能に思えた。
葉子「以上でとりあえず3つの忠告は終わりますが・・・」
閉じていた両目を開け、オレを見据えて云う。
葉子「まだ、質問の答えを知りたいですか?」
浩美「・・・いいえ」
一瞬知りたいと言おうと思ったが、七瀬以上に冗談は通じそうにない。
・・・。
それ以後、食べ終わるまで会話がなされることはなかった。
しかし、ClassAは二人だけ・・・これから食事の度にこれでは困る。
女の友情というものを形成する必要があるだろう!
浩美「葉子さん」
葉子「・・・・・」
浩美「葉子さんっ」
葉子「・・・・・・・・」
浩美「よーこさん」
葉子「・・・なんですか」
声が険を帯びている。
オレは怯(ひる)まずに話し続ける。
・・・世間一般でいう女の子が好きそうな話を。
浩美「葉子さんはどんな男の人が好きなの?」
葉子「・・・・・」
全く聞こうともしていない。
浩美「・・・ほら、タレントでいうとか・・・ね?」
葉子「・・・・・・・・」
浩美「・・・やっぱり、ジャ○ーズ系?・・・私も好きなんだ、ドリ○ターズのいか○や長介なんか」
葉子「・・・・・・・・・・」
席を立ち、食堂を出ようとしていた。
浩美「待って! 私と世間話とかするのって楽しくないの?」
葉子「・・・楽しくありません。むしろ迷惑です」
・・・はっきり言われて、ショックだった。
友情を形成するどころか、深い溝が出来てしまったような気がする。
オレはトレーを片付けて食堂を出た。
次はELPODって部屋だ・・・。

 Moonな日々−3−(中編)へつづく

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御粗末さまでした、スライムです。
澪『澪なの』
今回ある葉子さんの3つの忠告なんですが、あえてそのまま手を加えませんでした。
澪『なんでなの?』
・・・好きだから。
澪『え!?』(顔が少し赤い)
・・・葉子さんのこのセリフがね。
澪『・・・・・』
では、感想でーす。
澪『・・・感想なのなの』

・ここにあるよ?さま
 浩平・・・大変ですね。ぬいぐるみ取れるんでしょうか?
 ふところも心配ですね!・・・ってUFOキャッチャーも無料(タダ)なの?

・いけだものさま
 茜が作るたい焼きは不安ですね・・・。
 買う人、もとい食べられる人いるんですかね(笑)
 それと、感想ありがとうございますぅ。
 澪『ありがとうございますぅなの』

・もうちゃん@さま
 住井の家の電話すごいですね(笑)
 ・・・何個も電話ないと困るのでは?
 パイロットたちが面白かったです〜。

・偽善者Zさま
 浩平犯科帳の制作秘話・・・そうですか、大変ですよね。
 頑張って徹夜(!?)して下さい。応援してます。
 澪『おうえんするの』
 続きいつも楽しみにしてます。感想もありがとうございます〜。
 澪『なの』

それではっ!
澪『おぶわ〜、なの』(フランス語でさよならのことです)