Moonな日々−2−(後編) 投稿者: スライム
3日目 PAST SIGHT

ふぅ〜
・・・ぞくぞくぞくっ!
首筋に生暖かい空気を感じ、オレは目を覚ました。
シュン「起きたぁ、浩美?」
ぐわぁぁぁああっ!!
こいつが息を吹きかけてたのかっ!
浩美「なにするのよ!」
シュン「さわやかな目覚めだね」
浩美「どこがだぁー!」
まったく・・・長森だと思ったのに。
シュン「・・・ところでキミは、寝るときもカチューシャしてるの?」
・・・うっ!
地毛と半ヅラを繋ぎ止めるために必要なんだ。
・・・カチューシャが。
浩美「まあ、乙女の身だしなみかな」
適当に思いついた言い訳を云い、その場をごまかす。
シュン「・・・そうなんだ」
納得するこいつもこいつだが。
浩美「それじゃあ、私行くから・・・」
そう言い残して、早々に部屋を後にした。

午前中は・・・MINMESか。
スケジュール通り、オレはまたこの部屋にきた。
そこでは相変わらず淡い光の線がオレを待ち構えていた。
声「A−13だな」
別に確認しなくても、ClassAには二人しかいないのだ。いい加減覚えそうなものである。
浩美「はい」
声「じゃあ始めよう。部屋の中央に立って」
オレは黙ってそれに従う。
今日こそ、見極めるのだ。この訓練の真実を。
・・・強い意志を持って。
声「それでは第2段階を始める」
ぐううぅぅぅん・・・
かたかたかた・・・
機械が動き出す。
視界が閉ざされてゆく。
またオレは出かける・・・帰りたい場所へ。

・・・・・。
・・・すごいひと!
・・・すごいひとのかずだねぇ!
(夏祭り・・・みさおと二人で行った、最初で最後の・・・)
手を離すんじゃないぞ。
みさおは迷子になるのが大の得意だからな。
・・・だいじょうぶ!
さ、急ごう。花火、始まってしまうぞ。
(みさお・・・。生まれて初めて見る花火のはずだったよな)
・・・・・。
バタッ!
みさおっ!
みさお、大丈夫かっ!
・・・お、お兄ちゃん・・・む、むねがくるしいよ・・・。
今、お医者さんに連れて行ってあげるからな。
・・・で、でも・・・はなびが・・・。
また今度な、必ず一緒に行くって約束するから。
・・・う、うん。
・・・・・
・・・

浩美「・・・・・」
息が荒かった。
胸が詰まって、息がうまく吸えないのだ。
そして、また見極めれなかった・・・。
なにも覚えていない・・・。
声「まだ慣れないようだな」
浩美「・・・・・」
オレは鈍痛のする頭を二度振ると、MINMESを去った。

その頃、B棟MINMES

声「B−73だな」
スピーカー越しに抑揚のない声が投げかけられる。
長森「え? あ、はい」
声「それでは、部屋の中央に立って」
長森「は、はい」
声「では第2段階を始める」
ぐううぅぅぅん・・・
ゆっくりと機械が動き出す。
不快なはずの機械音が、なぜか心地よい子守歌に聞こえる。

・・・・・。
浩平くん、学校来たんだね。良かった・・・。
・・・ああ、今日からいじめてやるからな。
え!?
昨日のは、本当に一緒に遊びたかっただけだもん。
わざとぶつけたんじゃないもん。
・・・でも、おまえが投げた漬物石で危うく死ぬところだったんだぞ。
漬物石?
知らない・・・私、知らない。
小さな小石だったはずだよ・・・。
・・・・・
・・・

オレはMINMESの扉を開けて通廊へと出た。
ずっと暗闇にいたためだろうか、廊下の薄暗い光さえもまぶしく感じる。
次は・・・そう、食堂で昼食だ。


 Moonな日々−3−(前編)へつづく

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ぐー、ぐ〜、むにゃむにゃ・・・。
澪『ほらぁ、起きなさいよーっなの』
ボカボカボカッ!
・・こら、やめろー・・・やめてくれ〜。
・・・スケッチブックで叩くのは。
澪『みなさまに失礼なの』
あ、失礼しました。スライムです。
澪『なの』
しかし、前中後編に分けてる意味ないな・・・と感じる今日この頃です。
澪『なのなの』
まあ、今更変えるのも何ですので・・・。
澪『なのなのなの』
では、感想・・・といきたいんですが、もう寝ないとまずいんで。
この次にします。
澪『なのなのなのなの』
あ! 火消しの風さんにレスしないと。
>TGS
 始発に乗れなくて、第二便で行きました。・・・本当、混みすぎ。
 もしかしたら、中ですれ違っていたかも知れませんね!
では、ごきげんよう〜
澪『なのなのなのなのなの』