オレは自分の部屋に戻ろうとしていた。
あの後・・・
ELPOD(エルポッド)という訓練は今日のところはないということだった。
そして夕食の時間。
依然洗脳が解けていない茜(葉子)と一緒に・・・
どうやらかなり強力な洗脳をかけられたようだ。
自分は鹿沼葉子で、FARGOの熱心な信者であると思い込まされている茜。
どうすれば元に戻せるのだろうか?
・・・。
オレと長森は為すすべなく、しばらく様子を見ることになった。
そして同時にオレたちも注意しなければならない。
・・・洗脳されないように。
シュン「お帰り」
部屋に戻るとあの少年がいた。
シュン「またキミに会えて嬉しいよ」
浩美「・・・ありがと」
とりあえず、あたりさわりのない返事をしておく。
部屋を見渡してみるが、長森の姿はない。
・・・どうやらB棟へ戻ったようだ。
そう言えば・・・この少年に訊きたいことがあったんだ。
浩美「訊ねたいことがあるんだけど」
シュン「なんだい?」
浩美「あなた何者なの?」
葉子さん(茜)の話によれば、Aクラスは二人だけ。
つまり、こいつはなに?・・・というわけだ。
シュン「ボクは氷上シュン。言わなかったっけ?」
浩美「名前でなく、あなたの存在についてよ」
シュン「端的に言うのは難しいよ」
浩美「べつに端的でなくてもいいわよ。答えて」
言葉使いに細心の注意をしながら訊ねる。
シュン「つまり・・・キミたち側の人間じゃない」
浩美「それって・・・FARGO側の人間ってイミね・・・」
シュン「うん・・・そうなるね」
浩美「・・・監視役ってこと?」
シュン「そんなもんだね」
・・・監視役か。
このシュンという少年に、オレたちの目的を知られるわけにはいかない。
上手いこと利用して、FARGOの情報を聞き出すには最適だが。
そうだな・・・とりあえず。
浩美「他のクラスに友達がいるんだけど、どうにか会える方法はないの?」
シュン「・・ボクから聞いたって言わない?」
浩美「ええ」
シュン「この先の部屋に地下通路への入り口があるよ」
浩美「ほんとにっ・・・?」
思ったより口が軽くて助かった。
それにしても、本当にFARGOの人間なのか?
地下通路からC棟へ来ていた。
長森とは昼に会ったばかりなので連絡をとる必要はない。
残るは・・・C棟の晴香だ。
慎重に気配を殺しながら通路を歩く。
晴香「・・・あなた何やってるの」
突然前方から声をかけられる。
浩美「よかった、会えて」
晴香「・・・そうね」
どことなくよそよそしい感じがする。
顔色もあまり良くないようだ。
浩美「疲れてるの?」
晴香「あんたは元気ね・・・って当たり前よね」
・・・
巡回員が来るかもしれないので、明日の夜に地下通路で会うこととなった。
なぜ晴香の元気がなかったか浩平は知る由もなかった。
・・・そして長森にもその危険が迫っていることも。
シュン「友達には会えた?」
浩美「ええ、おかげさまで」
部屋に戻ると、すぐに睡魔がオレを襲った。
オレがベッドに・・・そしてシュンが床に横になる。
今日得た情報をとりあえず思い出す。
・・・MINMES、茜のこと、晴香のこと。
・・・そして、長森の能力。
無作為に得た情報は煩雑(ハンザツ)すぎて、整理に困る。
シュン「・・・とりあえずは今日得た知識を反芻(ハンスウ)すべきだよ」
まるで心を見透かしたように言ってくる。
・・・心を読まれているのか?
・・・これが『不可視の力』なのか?
Moonな日々−2−(後編)へつづく
(注)ギリシャ(ローマ?)数字はご法度らしいので、タイトルをアラビア数字に変更しました。
#################################
ちょっと間が空きました、スライムです。
澪『澪です、なの』
10月10日に東京ゲームショウに行ったんですよ、ね〜、澪くんっ!!
澪『ね〜っ、なの』(首を45°傾けて)
で、疲れすぎてSS書けませんでした。
しかし、何であんなに人がいるんだっ!
澪『まったくなの』
澪くんなんか、何回人の波にのまれたことか・・・。
澪『本当、疲れたの』
しかし、みなさんすごいペースですね。
感想全部はとても書けないんで、1ページ目にある分だけですいません。
澪『ごめんなさいなの』(ぺこっと頭を下げて)
では、感想です。
澪『感想なのなの』
・もうちゃん@さま
「なめないでよ・・・・あたし七瀬なのよ」(笑)。
なんか妙に説得力のあるセリフですね。続き楽しみです。
原画集私も買いましたっ!
綴じ込みポスターの七瀬のおさげにぶら下がる繭がお気に入りです。
・雫さま
お久しぶりですね、雫さん。
『ミスONE』なのに強さを競うというのがいいですね。
純粋な強さでは七瀬がやっぱり有利でしょうね。
・ここにあるよ?さま
長森すごいな〜、普通のラーメンでも厳しいのに。
キムチラーメンですよね・・・辛そう、というか・・口臭が心配。
・天ノ月絋姫さま
気持ちが伝わってくる・・・心のこもった手紙だと思います。
手紙シリーズとして続けてみてはどうでしょうか?
それでは、失礼致します。
澪『ではでは、なの』